トレンチコートのディテール④「Dリング(Dカン)」
ベルトに縫い込むように施されたDカン。当時は、手榴弾を吊り下げるために使われていたという。現在では何かを吊り下げる用途で使うことはないと思われるが、ステッチをかけたベルトにしっかりと固定されて強度が保たれているのは誤って落下させることが命取りになりかねない第一次世界大戦当時の要請を反映した名残。伝統を重視したクラシックなトレンチコートには、こんなディテールも忠実に再現されている。
トレンチコートのディテール⑤「ストームシールド(アンブレラヨーク)」
肩から背中にかけて二重構造になったフラップのような部分は、ストームシールド(アンブレラヨーク)と呼ばれている。嵐の際に水が衣服の中へ侵入しにくいように考案されたディテールだ。やや傾斜するように縫製されたこのディテールによって、水がすべり落ちていく。
トレンチコートのディテール⑥「インバーテッドプリーツ」
バックスタイルの裾に施されたひだ山を突き合わせたような構造のプリーツ。ウエストまで届くほどの広い範囲に切れ込みが入っており、内側のボタンを外すと大きく広がる。戦地で乗馬する際に、開いた足の動きを阻害しないよう考案されたといわれている機能的なデザインだ。
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