ダニエル・クレイグのスーツスタイルの魅力を解剖!【007 ジェームズ・ボンド】

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ダニエル・クレイグのスーツスタイルの魅力を解剖!【007 ジェームズ・ボンド】

日本でも絶大な人気を誇る007シリーズ。ダニエル・クレイグは2015年に公開されたスペクターを最後にジェームズ・ボンド役を降板すると噂されていたが、2019年11月公開予定の次回作への出演が正式に発表された。見所の多い007だが、やはり醍醐味はボンドのスーツスタイルではないだろうか。今回は、次回作への期待も高まるダニエル・クレイグのクールなスーツスタイルを紹介!

ダニエル・クレイグとは「007 ジェームズ・ボンドのイメージを覆し、バッシングを跳ねのけた男」

ダニエル・クレイグは1968年3月2日英国生まれの俳優。身長は178cmと決して小柄ではないが、185〜190cmの歴代ボンドと比較するとやや低い印象だ。また、ブロンドショートヘアや鍛え上げられたボディーなどが歴代ボンドのイメージを大きく覆すものだったこともあり当初はアンチが多く、007初回主演作「カジノロワイヤル」公開直後にアンチサイトが立ち上がるなど本人も厳しい批判に落ち込んだという。

しかし、ボンドを完璧に演じきることで出演作「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」「スペクター」において素晴らしい興行収入を達成。「ボンドにふさわしくない」というバッシングを見事にはねのけたのだ。

ダニエル・クレイグが着用するスーツのブランドは「ブリオーニからトムフォードに」

先代のピアース・ブロスナンの作品から、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドとしてデビューした「カジノ・ロワイヤル」までの5作品は、イタリアの最高級ブランド「ブリオーニ(Brioni)」が衣装を提供。関連記事▶︎ジャケットブランド 【本場イタリアから15選】
しかしその後、変更となり「慰めの報酬」「スカイフォール」「スペクター」3作品では、アメリカのラグジュアリーブランド「トムフォード(Tom Ford)」に。スーツ、タキシード、シャツ、ボウタイ、ニット、サングラスなどのすべてがイタリアでの特注生産だ。ブランド創始者であるトムフォード氏と言えば、デザイナーとしてグッチブームを再燃させた後に、プレタポルテラインであるイヴサンローラン・リヴ・ゴーシュのクリエイティブディレクターも兼任した超実力派。クラシックな手法、ディテールを踏襲しながら都会的デザインに仕上げたスーツは、世界のセレブやスターがレッドカーペットにおいて着用することでも知られている。

ボンドスーツはブリオーニからトムフォードに変更

ファッション業界では早くも次回作の衣装について憶測が飛び交っており、スカイフォールとスペクターでコスチュームデザイナーを務めたジャニー・ティマイムにもスポットライトが当てられている。ボンドはイギリス人という設定であるため、「とにかく美しく見える」という点にこだわり、スリムでボンドの体に沿うようなスーツを選んだと語っており、その上でトムフォードは理想的なブランドであるという。また、現段階では次回の衣装担当は決定していないが、再び選ばれることがあれば、同じようなシルエットにこだわりながらも進化した衣装のボンドを見せたいとのこと。映画の内容はさることながら衣装でも大きな注目を集めてきた007は、次回作でどういったボンドスタイルを披露してくれるのだろうか。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「スーツは体に沿うデザイン、グレーかネイビーのシングルが主役」

シリーズやシーンごとに多様なスーツスタイルを見せてくれるボンドだが、スーツは基本的に身体に沿った、身頃もラペルも細めのモードデザインだ。衣装提供がトムフォードに変更になったことでその傾向は強まり、ボンドの体を美しく引き立てている。特に最新作スペクターにおいて冒頭シーンから着ているウィンドウペーンチェック柄のグレースーツは肩から腰にかけて極限まで絞り込まれており、丈もヒップの2/3程度が隠れる程度のショート。また出演作を通じてシングルスーツが多く、ダブルブレステッドはほとんど着用していない。襟はクラシックなノッチドラペルが基本だ。

ボンドに限らずビジネススーツの基本でもあるが、スーツの色はネイビーとグレー。ブラックが着用されるのはタキシードくらいのもの。関連記事▶︎結婚式 服装【黒スーツを着るのは世界の非常識?】

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「随所に英国クラシックを感じさせるディテールをもったジャケットも”らしさ”の現れか」

007の初代、3代目ボンドにスーツを提供してきたのは伝統的な英国スーツのメッカであるイギリス「サビルロウ」のテーラーだとされている。しかし、ダニエル・クレイグにボンドスーツを提供する「ブリオーニ」「トムフォード」は、サビルロウはおろか英国ブランドでさえもない。それを念頭に置いて注目したいのがサイドベンツ、ビルトアップショルダー(肩先を盛り上げた仕様)、スラントポケット(斜めに付けられた腰ポケット)、チェンジポケット(腰ポケットの上の小さいポケット)などクラシックな英国調ディテールが所々で採用されている点だ。最先端モードを取り入れつつも英国らしさを失わないことへのこだわりが窺える。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「生地も最高級、紡績技術の進化で毎作質感が向上」

ボンドが身につけるアイテムの条件として、「世界最高峰である」という点をクリアする必要がある。身につけるスーツは仕立てやデザインだけではなく生地に関しても超一流。番手の高い極細糸を使っているため、しなやかに体にフィットするのはもちろんのこと、光沢感や質感が他とは一線を画す。ボンドスーツに関しては特注であるため詳細は不明だが、トムフォードはゼニアと提携していることからゼニアの生地であると予想できる。007初回作「ドクターノオ」公開から50年以上。生地の変遷から、少しずつ進化していく紡績技術を見て取ることができるのも一興だ。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「白やブルーのタブカラーシャツを多用」

クラシックスーツ愛好家からすると「ワイドスプレッドカラー以外は邪道」との意見もあるが、近代英国調の着こなしに多く見られるタブカラーシャツを頻用するのもダニエル・クレイグ演じるボンドの特徴だ。シャツの色味はホワイトやブルーの無地、織り柄でごくシンプル。もちろん定番のワイドスプレッドシャツも着用するが、カフリンクス仕様でドレッシーにキメることが多い。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「寒色系ダークカラーのナロータイをプレーンノットで、ディンプルもしっかりと」

「ネクタイの幅はジャケットのラペルの幅に合わせる」のがルールであるため、ナローラペルのスーツに合わせる場合、当然のことながら細めのタイが多く着用されている。ネクタイの色味はグレーやネイビーなどの寒色を中心としたダークトーンがメインで、Vゾーンを引き締めたスタイルだ。細めのネクタイの場合は作らないという男性も多いが、しっかりとディンプルを作るのがダニエル・クレイグ流。関連記事▶︎ネクタイ 結び方 【こなれ感を出す5つのコツ】

ダークトーンのスーツを選ばないときには、スーツと同系色のネクタイを選ぶことによってバランスを取っている点にも注目したい。柄を取り入れても控えめなストライプの織り柄、ドット柄、市松模様などシックな印象。スポーティーなレジメンタルタイの着用は皆無だ。関連記事▶︎レジメンタルストライプのネクタイは誤解を招く!?

ダークグレーのスーツに合わせたのはブルーのシルクタイ。元来は英国伝統の乗馬用ジャケットに取り入れられてきたデザインであるスラントポケットが採用されたスーツスタイルで、ディテールにさりげない英国テイストを感じさせる着こなしだ。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「ポケットチーフは白をスクエアで」

スーツスタイルにおいてはシルク製のホワイトチーフが定番。主張しすぎることなく、どこへ出ても通用するスタイルは進出鬼没なボンドにぴったりで、初代ボンドのショーンコネリーから続く伝統。ビジネスマンとしても、ぜひ取り入れたいスタイルだ。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「タキシードは正統派デザインに遊び心を」

ジェームズ・ボンドといえばタキシードのアイコン的存在でもある。スカイフォールではショールカラーのタキシードを着用していたが、スペクターではピークドラペルのものを採用しており、タキシードも様々なデザインを着こなしている。スペクターの公開を記念したロイヤルプレミアで着用したタキシードは、レッドのブートニエールが映えるブラックの正統派デザイン。劇中では2ボタンのタキシードを身につけるなど、正統派の中にもささやかな遊び心のある着こなしもジェームズ・ボンドの魅力の一つだ。

ダビエル・クレイグのスーツ着こなし「ジェームズ・ボンドの腕時計はOMEGA」

スカイフォールのベルリンプレミアでは、OMEGAのスピードマスターを着用して登場したダニエル・クレイグ。ジェームズ・ボンドが身につける腕時計はROLEXから始まり、HAMILTON PULSER、SEIKOなどのブランドを経てきたが、現在のボンドが身につけている腕時計はOMEGAだ。スペクターでもOMEGAのシーマスター300が採用されている。ボンドを演じている時のダニエル・クレイグはもちろんOMEGAを着用しているのだが、プライベートや007とは関係のない場ではROLEXを愛用している様子。

ダニエル・クレイグのスーツ着こなし「大切な足元はジョンロブ、クロケット&ジョーンズ、チャーチの黒革靴を履き分け」

やはりスーツスタイルを引き締めるのは革靴だろう。ダニエル・クレイグはシリーズごとに一流ブランドを履き分けている。着こなしに対応して、内羽根ストレートチップはもちろん、外羽根プレーントゥ、モンクストラップ、ウィングチップやブーツなどデザインは多様だが、色はブラックが多いのが特徴だ。スペクターではクロケット&ジョーンズが6足登場している。

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