
男性の筋肉の中で最も目立つのに、最も鍛えにくいと言っても過言ではないのが”前腕“。「腕が細い」というコンプレックスを持つ人の多くが、前腕の細さに悩んでいることだろう。たくましい前腕があれば自信をもって腕まくりしたり、半袖トップスを着られるはず。今回は、パーソナルトレーナー・松浦 泰山さんに、ダンベルや自宅にあるものを使って簡単に前腕を鍛えられるメニューを教えて頂いた。
2016年よりビヨンドジムの立ち上げスタッフとしてトレーナーの活動を開始。大阪・堀江店の店舗責任者を務める。2017年にはミスター・ジャパン コンテストにおいて頂点に立ち、その後独立。2022年10月に東京・立川にてワッフルジムを創業。お客様のニーズに応える筋トレメニューの提案に余念がない。
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前腕のトレーニングをするまえに、まずは準備運動を!
前腕を鍛えるトレーニングには、基本的に手首の掌屈・背屈を繰り返す動作が多い。それに加え、日常動作においても手首を使うことが多いため、疲労が蓄積しやすく痛めやすいのだ。そのため、前腕のトレーニングをする前には準備運動が欠かせない。筋肉の緊張が和らぐことで柔軟性が向上し、関節可動域の拡大やトレーニングのパフォーマンスが向上するため、ストレッチは必ず行おう。
自宅で出来る!ダンベルを使った前腕のトレーニング
まずはダンベルを使った前腕のトレーニングから。立ったまま行えるものから、イスや台を利用して座りながら行うものまで、前腕を鍛える王道的なメニューを紹介!
自宅で出来る前腕トレーニング①「ラジアルフレクション」
ラジアルフレクションでは、8つの前腕の筋肉をひとまとめにした前腕屈筋群と呼ばれる部位を鍛えられる。この前腕屈筋群を鍛えることで前腕を太くできるうえ、握力が向上するので、背中を鍛えるプル系の種目のパフォーマンスを上げたい方にもおすすめだ。
直立した状態で、ダンベルの片一方を持ったらスタート。肘を動かさないようにして、手首だけを使ってダンベルを持ち上げ、上がりきったところで1秒ほどストップ。その後、ゆっくりとダンベルを下ろしていく。まずは、この動作を10回×3セットから行い、慣れてきたら回数を増やしたり、重さを足していこう。
自宅で出来る前腕トレーニング②「スピネーション」
スピネーションは、肘部分の近くに位置する回外筋をメインターゲットとした種目。回外筋は手を外側にひねる動きをサポートする筋肉で、日常生活を送るうえでも重要な役割を担っている。しかし、回外筋は筋肥大しにくいパーツのため、繰り返しトレーニングを続けることが重要。また、次に紹介するプロネーションと併せて行うことで、手首と握力の強化に繋がると言われている。ちなみにこの種目では、上腕二頭筋にも刺激が入る。
台座に肘を置き、ダンベルの片一方を垂直に持つ。ゆっくりと内側に向かって倒していき、台座や床と並行になるところまで倒したら1秒ストップ。そこから、ゆっくりと倒したダンベルを垂直に持ち上げていく。呼吸は、ダンベルを下ろすときに吸って、上げるときに吐くのが◎
自宅で出来る前腕トレーニング③「プロネーション」
前腕を回外させるスピネーションと反対に、前腕回内の動作で円回内筋や方形回内筋、橈側手根屈筋といった前腕の筋肉を鍛えられるプロネーション。シンプルな動作でフォームも安定しやすいが、他種目とは違った刺激を与えられるため、魅力的な前腕に仕上げたいなら是非やっておきたい。
自宅で出来る前腕トレーニング④「リストカール」
前腕を鍛えられる代表的なメニューであるリストカール。今回紹介するのは指にも負荷を与える方法で、フィンガーカールとも呼ばれている方法。前腕屈筋群をくまなく鍛えられる反面、手首への負担は大きいので、扱う重量には注意しながらトレーニングを行なってほしい。
【関連記事】リストカールで頼りがいある前腕を作る!効果的かつ正しいやり方を解説
自宅で出来る前腕トレーニング⑤「ハンマーカール」
アームカール種目の一種であるハンマーカール。上腕二頭筋の長頭部をメインに、上腕二頭筋の深層にある上腕筋、そして前腕の太さの要となる腕橈骨筋を鍛えられる。ちなみに前腕部分の筋肉の中では、腕橈骨筋がもっとも大きく、どちらかといえば肥大しやすい筋肉のため、前腕を太くしたいならハンマーカールを取り入れてほしい。
背筋を伸ばし、両足を肩幅程度に開いて立ち、手の甲を外側に向けてダンベルを持つ。そこから肘を動かさないようにして、ダンベルを持ち上げる。グッと上腕二頭筋に力が入ったところで1秒キープし、3秒ほどかけてゆっくり下ろす。まずは10回×3セットから始め、回数を増やしていくのが良いだろう。
【関連記事】ハンマーカールは豪腕を手に入れるのに好適な筋トレ!やり方からコツまで紹介
自宅にあるもので出来る!お手軽な前腕トレーニングとは?
ここからはダンベル不要の前腕トレーニングを紹介。自宅にあるもので出来るので、ぜひチャレンジしてみてほしい。
自宅にあるもので出来る前腕トレーニング①「タオル絞り」
泰山さんによると、前腕を鍛えるための動作である掌屈・背屈をタオル絞りでもカバーすることが出来るという。さらにグリップ力も鍛えられるので、握力を鍛えるのにもうってつけ。タオルさえあれば出来るので、ぜひお試しを。
自宅にあるもので出来る前腕トレーニング②「スティック・ラジアルフレクション」
ダンベルを使ったラジアルフレクションのアレンジ版がこちら。家にある棒状のものなら何でもOKであるため、ゴルフクラブやバット、シャベル、ほうき、物干し竿などでも代用が可能だ。言うまでもないが、棒の重さはもちろんのこと、長さと持つ部分によっても負荷が変わるので、自身のレベルに応じて調節を。
棒状のものを地面と垂直になるように持ったらスタート。ゆっくりと時間をかけて棒を下ろしていき、床と並行になるところで1秒キープ。そこからゆっくりとスティックを垂直へと戻していく。手首だけを動かすことを意識して、肘や肩は固定させておくことが大事だ。