
サイドに施された大きなポケットが特徴的な「カーゴパンツ」は、武骨なボトムスの定番であり、最近のメンズファッションにおける流行スタイルにフィットするアイテムのひとつとしても注目を集めている。今回はそんな「カーゴパンツ」をテーマに、注目したい着こなしスタイルやおすすめのアイテムを紹介していく。
スポンサーリンク
ワークウェアでもあり、ミリタリーウェアでもあるカーゴパンツは作業用として生まれた機能的なボトムス!
カーゴパンツ(cargo pants)とは、貨物船で荷役作業などに従事する労働者の間で使われるようになった作業用パンツだ。生地の厚い丈夫な綿布で作られており、腰をかがめた際にも物の出し入れがしやすいよう太もも外側の左右に大きなカーゴポケットが縫い付けられているのが特徴。腰ポケット2つ、バックポケット2つ、カーゴポケット2つの計6つのポケットが付属するものが基本形のため“6ポケットパンツ”と呼ばれることもある。
カーゴパンツに採用される素材は、チノパンと同じくコットンベース。綿100%もしくはナイロンやポリエステルを混紡した綾織りやヘリンボーン、リップストップの生地を使用したモノが多く流通している。デザインの幅が広がっている現代では、ウール素材やデニム、コーデュロイ地などの異素材で仕上げたカーゴパンツなどの展開も。
起源が作業着のため動きやすさを重視したルーズシルエットが多いが、昨今では裾がリブ仕様になったジョガータイプやテーパードでメリハリをきかせたシルエットを採用したカーゴパンツなども展開されている。また、スラックス仕様でセンタークリース入りカーゴパンツを総称して「ドレスカーゴ」「カーゴスラックス」と呼び、新たなカテゴリとして近年人気を博している点も抑えておきたい。
カーゴパンツの起源は港湾労働者用の作業パンツだけど...各国軍隊の“ミリタリーウェア”として採用された歴史も
港湾労働者用の作業パンツとして誕生したカーゴパンツは、その機能性の高さから太平洋戦争頃より各国軍隊のユニフォームとしても採用されはじめる。1942年には、「M-42パラトルーパーパンツ」がミリタリーパンツとして米国で誕生。それ以降は、フランス軍の「M-47」など、イタリア、ドイツなど各国にさまざまな種類のミリタリーカーゴパンツが登場しており、ミリタリーウェアフリークの間では国や年代ごとそれぞれに愛好家が存在する。1970年代頃には多くのミリタリーパンツが民間に払い下げられ市場に流通。これを契機にカーゴパンツが市民の間に広がったという経緯をもつため「カーゴパンツ=軍パン」というような共通認識が生まれている。
2/5GO TO NEXT PAGE