M-65フィールドジャケットを攻略。歴史や注目ディテール、メンズコーデ術まで紹介
ミリタリーウェアとしての機能性が生み出すデザインが武骨さを醸し、その完成度の高さから絶大な人気を誇るM-65フィールドジャケット。古くは「タクシードライバー」のロバート・デ・ニーロや「セルピコ」のアル・パチーノ、「ランボー」シリーズのシルベスター・スタローンから「キラー・エリート」のジェイソン・ステイサムにいたるまで、常に映画の中のタフガイから愛され続けてきたジャケットのひとつだ。今回は「M-65フィールドジャケット」にフォーカスし、注目のコーデ&アイテムを紹介!
世の男たちを虜にするミリタリージャケットM65フィールドジャケットとは?
M-65 Field Jacketは、アメリカ軍によって用いられた野戦用のジャケット。1965年に正式採用されたことから、下2ケタを取ってM-65フィールドジャケットと呼ばれている。2008年まで米軍の現役戦闘服として活躍していたと言われるフィールドジャケットのため「ミリタリージャケット=M65」といったイメージを持たれている方も少なくないはず。ミリタリーウェアの中でもファッションユースしやすい完成されたデザインから、アメカジ好きはもちろんドレスMIXを好むイタリアの洒落者など、幅広い層の男たちから支持され続けている。
「1965年に誕生したからM-65なら、それ以外の年に生産されたフィールドジャケットは名前が違うの?」と思われた方もいらっしゃると思います。実はM-65フィールドジャケットが誕生するまで「M-38」「M-41」「M-43」「M-50」「M-51」と長い歴史の中であらゆるデザインのフィールドジャケットが生産されていました。どれも「M-65」と比べると確かなデザインの違いがあります。
M-65フィールドジャケットは銀幕のスターたちが愛用!着用モデルにこだわるファンは年代(タイプ)の違いまでチェックする!?
数あるフィールドジャケットの中で、「M-65」はロバート・デ・ニーロやアルパチーノ、松田優作といった銀幕のスター達が映画の中で愛用し、ミリタリーウェアとしてだけでなくファッションアイテムとしての地位まで確立した稀有な存在だ。またM-65の中でも「1st」「2nd」「3rd」「4th」といった仕分けがされており、それぞれ僅かながらデザインが異なる。ヴィンテージのM-65を探す場合は、映画鑑賞で着こなしやスタイルをチェックしたり、あらかじめ年代によるディテールの違いを理解しておくと納得の行く1着に出会える確率がグッと高まるだろう。
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映画『タクシードライバー』主人公トラヴィス・ビックルを演じるロバート・デ・ニーロが着用しているM-65フィールドジャケットは2ndタイプ。アレキサンダー・マックイーンでは1993年秋冬コレクションにて『タクシードライバー』の主人公にオマージュを捧げたショーを発表。JUNYA WATANABE MANでも『タクシードライバー』をテーマにしたコレクションが2006秋冬で披露されている。Robert De Niro, 1976 : TAXI DRIVER,
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映画『セルピコ』で主人公のフランク・セルピコを演じるアル・パチーノ。2ndタイプのM-65フィールドジャケットを着用している。浅めに被ったニット帽とスタンドカラーニットのレイヤード具合がこなれ感あふれる雰囲気で◎ AL PACINO in SERPICO, 1973, directed by SIDNEY LUMET.
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映画『ランボー』でシルベスター・スタローンが着用しているのは3rdタイプ。3rdタイプから使用されるジッパーがアルミからブラス(真鍮)に変更されている。SYLVESTER TALLONE, BRIAN DENNEHY, 1982 : RAMBO: FIRST BLOOD (1982)
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リアルミリタリーウェアでは展開されていないブラックのM-65フィールドジャケットをクールに着こなした『キラー・エリート』のダニー・ブライスを演じるジェイソン・ステイサム。彼は『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』でもオリーブドラブのM-65フィールドジャケットを着用している。Jason Statham, 2011 : KILLER ELITE, Jason Statham,
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現在M-65は民間層でのニーズに応えるため、様々なメーカーがほぼオリジナルと同じスペックのモデルを製造しています。米軍の制式コンストラクターを務めた実績のある「アルファ インダストリーズ」や「ロスコ」では、リアルなディテールを再現したモデルから、実際に軍では使用されていないカラーバリエーションまで豊富に展開。2024年3月時点では1万円台〜2万円台で購入可能と、アウターの中では比較的リーズナブルな価格で販売されているのも良いですね。
この記事の著者
1991年神奈川生まれ。アパレル業界でパタンナーとして得た経験・知識を活かしてOTOKOMAEに参画。服の表面的なデザインだけではなく、構造やディテールに基づいた解説に定評がある。流行情報のアップデートを続ける一方で、年代物のヴィンテージウェアへの研究も日々行い、売買を繰り返しながら年間で500万円以上を服や靴、時計に費やす。