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クロケット&ジョーンズ「ハーバード」の特徴③「アンライニング仕様を影で支えるカウンターのステッチデザイン」
靴好きの間にも知られた存在であるハーバードのカウンターステッチ。一見デザインとしての飾り縫いのような存在だが、これは革靴にとって大事な役割を担っている。アンライニングの靴の場合、靴の形を整える先芯部分とカウンター芯が露呈してしまうため、履き心地はもちろん、芯材が擦り切れることで革靴の型崩れや革の痛みの原因につながることも。そのためハーバードは、爪先とかかと部分に芯材を入れるポケットのようなライニングの設計を採用。カウンター芯においては、脱ぎ履きの際や歩行時のスレによる負荷が最もかかる箇所であるため、強度を出す必要があり、そのポケットを縫い付ける必要がある。特徴的なカウンター部分の曲線状のステッチは、デザイン要素だけではない重要なギミックの一つだ。
クロケット&ジョーンズ「ハーバード」の特徴④「高級感のあるハンドステッチのすくいモカ」
アメリカンテイストでぽってりしたとフォルムもハーバードの特徴の一つだが、イギリス靴らしいポイントも多い。その一つが、靴の顔とも言われるヴァンプ(甲部分)のモカデザイン。ハーバードでは「すくいモカ」、もしくは「つかみモカ」と呼ばれる、モカ仕様の中でも高い技術が必要と言われているデザインが採用されている。一枚革を使用し、革をつまむようにして縫いをかける手法は、職人のハンドステッチによるもの。一足ずつ加わる力が均等になるように、微妙な縫いの力加減を要するため、熟練の職人のみに為せる技術の一つである。
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