「男は背中で語る」と言われるように後ろ姿がキマっている男性には、男女関係なく憧れるものです。スーツスタイルにおいて、後ろ姿の印象を大きく左右する要素のひとつが「ベント」ですが、種類ごとに、与える印象や起源が違うというのはご存知ですか?
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センターベント「軽快でスポーティーな印象。起源は乗馬ジャケット。多くのアメリカスーツに採用されるディテール」
ビジネススーツに最も多く見られるのが「センターベント(シングルベント)」。そもそもは乗馬における動きやすさ実現するために考案されたデザインであることから、別名「馬乗り」とも言われます。あらゆるビジネススーツにフィットするディテールですが、あえて言えばシングルスーツや、細身で着丈が短めのスーツとの相性が特に良いとされています。とりわけアメリカ系ブランドのスーツに採用されることが多いディテールです。軽快でスポーティーな印象するならセンターベントがおすすめです。
※フックベントとは?
order-suitsセンターベントのアレンジとして知られる「フックベント」は、アイビースタイルのジャケットやモーニングコートに採用されるディテール。ビジネススーツにはあまり採用されませんが遊びを入れる意味合いでオーダーする男性もいます。
サイドベンツ「威厳と風格ある印象。もともと剣の抜き差しをスムーズにするためのディテール。多くの英国スーツに採用。」
ビジネススーツにおいて、センターベントに次いで多く見られるサイドベンツ(ダブルベンツ)。腰に吊った剣(サーベル)の抜き差しをしやすくするためのデザインの名残りと言われており、別名「剣吊り」とも呼ばれます。とりわけ英国製スーツに採用されることが多いディテールです。両サイドに切れ込みが入っているので、センターベントよりも動きやすく、突っ張った感じがなくなります。あらゆるビジネススーツに相性が良いですが、あえて言えば着丈が短すぎない正統派のスーツやダブルブレステッドスーツとの相性が特に良いと言われています。威厳や風格を演出するならサイドベンツがおすすめです。
ノーベント「最も歴史が古くクラシックでドレッシー。タキシードやクラシコイタリアに採用されることが多いエレガントなディテール」
今まで紹介した「センターベント」「サイドベンツ」が「動きやすさ」という機能性を高めるためのディテールであったのに対して「ノーベント(ベントなし)」は機能性の求められない社交パーティーなど公式の場で着用するスーツに採用される由緒正しい最もクラシックなデザインです。タキシードやディレクタースーツにはマストなディテールであり、クラシックを大事にするクラシコイタリアのスーツにもよく採用されます。ドレッシーでエレガントな雰囲気を演出するならノーベントがおすすめです。
後ろ姿の印象を大きく変える「ベント」に注目してスーツスタイルを一歩リードしてみてはいかがでしょうか?