良いスーツ生地を見極める7つのポイント

スーツ生地

スーツといえば「仕立て」と同じくらい重要なのが「生地の品質」。生地の重要性は、もちろんオーダースーツ、既製スーツを問いません。そんな生地ですが、どのように選んでいますか。「触った感覚?」「見た目?」「生地ブランド?」「SUPER120’sなどのスペック?」今回は良いスーツ生地を見極めるためのポイントを紹介していきたいと思います。

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「基本的には天然繊維100%を選ぶ」

ウール100%スーツ生地styleforum

スーツ生地といえば天然繊維であるウール100%が代表格。スーツ生地としては安っぽいイメージのあるポリエステル混ですが「シワになりにくい」「速乾性が高い」など低価格以外のメリットもあるので、選択肢のひとつではあります。しかし質感においてはどうしても天然繊維100%に勝るものではありません。勝負スーツには、天然繊維100%のスーツを選ぶのがおすすめです。ナチュラルな光沢感を求める場合、シルク混のウール生地を選ぶのも良いでしょう。

「毛番手(原毛の細さ)は、使用環境に応じた参考指標」

スーツ毛番手laurelleaffarm

まず気になるのは原毛の細さ。例えば、国際羊毛機構(IWTO)の定めた「SUPER120’s」などのスペックがこれに相当します。(例えばSUPER120’sは「1グラムの原毛から120メートルの繊維を作ることが出来る」という理論上の指標です。)
一般的に原毛は細いほど、すなわちSUPER◯◯’sの数値が高いほど高級で繊細な雰囲気になりますが、そのぶん耐久性が落ちるという傾向があります。日常使いのビジネススーツにはSUPER100’s、すこし気合いを入れたスーツにはSUPER130’sを選ぶなど、スーツの着用環境に応じて選ぶのが賢い選択です。
※SUPER表示は80’sから250’sまで存在し、数値が10増えるごとに0.5ミクロンずつ細くなっていきます。例:SUPER100’s(18.5μm)、SUPER110’s(18.0μm)、SUPER120’s(17.5μm)

「糸番手(糸の細さ)は生地質感を決める重要項目」

糸番手filmar.it

原毛繊維のままでは一般的なウール生地を作ることはできません。原毛を糸状に紡ぐ必要があります。原毛の細さに連動して糸も細いというケースが多いですが、指標としては別物というのを理解しておくと良いでしょう。糸になった状態での細さを示すのが糸番手。実はスーツ業界において毛番手以上に「糸番手」が生地の質感を決める重要な指標としてとらえられています。
それを証明するかのように、誰もが知る世界的生地ブランド「ゼニア」はSUPER◯◯表示をしないことで知られます。

「織り密度(打ち込み本数)は、糸番手とセットで考える」

織り密度

縦糸と横糸が織りなされたものが生地ですが、1インチあたりに縦糸と横糸が何本ずつ織り込まれているかで生地の質感が変わります。糸の本数が多い程しっかりとした硬い質感の生地になり、本数が少ないほど軽くてソフトな質感になります。コストカットのために織り密度を粗くするケースもありますが、ソフトな質感を得るために密度をあえて下げる場合もあるので、一概に「織り密度が低い=粗悪生地」と言い切れないのが難しいところです。

言うまでもありませんが、糸番手とのバランスが生地の質感を決めるポイントになります。

「有名スーツ生地ブランドにもランクがある」

ゼニアスーツ生地

「ロロピアーナ」「ドーメル」「エルメネジルド・ゼニア」など有名スーツ生地ブランドを選べば万事OKというわけではありません。例えば、同じドーメルでも「SUPER180’s SILK & KIRGYZ」や「VANQUISH Ⅱ」といった高級生地と「SUPER100’s」では価格的にも生地の質において大きな違いがあります。同じブランドの中での生地の良し悪しは、今まで紹介してきた指標で概ね判断することができます。
ちなみにブランド自体にこだわるメリットとしてスペック表示が信用できるという点が挙げられます。すべてではありませんが、無名ブランドの中には謳っているスペックが誇大表示ということも..例えばSUPER100’sの原毛がわずかしか使用されていないポリ混生地でも堂々とSUPER100’s表示をしてしまう等です。

「数値化できない質感も大事にする」

スーツ生地ツヤcanali

数値化できないポイントもあります。たとえば「光沢感・ツヤ感」が代表的なものでしょうか。羊毛はそのままでは汚れや余分な油がついているため「洗毛」という工程を入れるのですが、上質な原毛はもともと油を多く含んでいるので洗いをかけても十分に油分が残り自然な光沢感が出ます。逆に低品質な羊毛は油分が少なく、光沢感をだすためには人工的に多量のオイルを添加する必要があり、結果的にすこし安っぽい光沢になると言われています。
生地を触り比べたり、見比べたりすることによって数値化できない質感を見極める目を養うことが重要ではないでしょうか。

「スーツ生地選び。まずは直感を大事に、直感の裏付け指標としてスペックやブランドを参考にするスタンス」

以上のようにスーツの生地の良し悪しは「数値に表れる点」と「数値に表れない点」の双方が存在します。
特に「SUPER120’s」「ロロピアーナ」など、単一の指標やブランドの威光にだけとらわれた先入観は、時としてミスにつながります。まずは自分が直感的に良いと思った生地を手にとることが重要。その裏づけに対してスペックやブランドの確認をして「やっぱり良いものなんだ..」と確認するようなスタンスがスマートではないでしょうか?

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