今回は、ドクターマーチン定番の8ホールの兄弟的存在である10ホールブーツ「1490」にフォーカスし、誕生の歴史からアイテムの特徴、裏話までを紹介！
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英国生まれのシューメーカー「Dr.Martens(ドクターマーチン)」とは？
パンクやロックなどの音楽シーンをはじめ、英国のサブカルチャーとの深い関わりの中で独自のスタイルを確立してきた「Dr.Martens(ドクターマーチン)」。ブランド自体は英国で創業されているが、その起源はドイツ ミュンヘンにある。兵役に従事していたドイツ人クラウス・マルテンスが自身の足の怪我をきっかけに、戦後に残っていたパーツを使用して、靴のプロトタイプを作成。機械工学の知識を持つ友人ヘルベルト・フンクと共に独自の靴を生産し始めたことがドクターマーチン誕生のきっかけである。彼らが作った革新的なソールを採用したシューズが、英国の老舗靴会社を運営するグリッグス家の目に留まったことにより、8つのアイレットが並んだ「1460」通称“8ホール”が1960年に誕生した。現在は定番モデルをベースに、トレンドに合わせたモデルを多数ラインナップしながら、他ブランドとは一線を画す個性的なスタイルで様々な層から支持されている。
8ホールの兄弟的存在。ドクターマーチンの10ホールブーツ「1490」
ドクターマーチンといえば、8つのアイレットが並んだ「1460」が定番のベストセラーモデルだが、それ以外にも多くの名作を抱えているブランドだ。今回のテーマアイテムである「10ホール」のブーツは、8ホールが誕生してから13年後の1973年に生まれたモデル。8ホール同様にワークブーツとして開発されたモデルだが、「1460」を好んで履いていた英国の労働者階級のサブカルチャー集団「スキンズ」が目を付け、反骨精神を表す象徴となった。10ホールは8ホールよりも長いレッグが特徴で、足元の存在感もばっちり。スキンズをはじめ、その後パンクやゴシックロックなどの音楽シーンでも注目を浴びた名作である。
ドクターマーチンの10ホールブーツ「1490」が持つ5つの特徴
ドクターマーチン 10ホールの特徴①「重厚感のある10個のアイレット」
ドクターマーチンの中で「10ホール」と呼ばれるアイテムは、10つのアイレット(シューホール)が最大の特徴。定番モデル「1460」に採用されている8ホールに比べて2つアイレットが多く、そのぶん丈が長い。身長にもよるが、ふくらはぎの当たりまで丈がくるため存在感があり、コーデのポイントとして重宝する。シューレースの締め具合によって表情が変わり、スタイリッシュにも武骨にも履きこなせるアイテムなのだ。
ドクターマーチン 10ホールの特徴②「ラフな雰囲気を醸し出す切りっぱなしレザー」
定番8ホールは、履き口の部分にパイピングをぐるっと一周縫い付けているのに対し、定番の10ホールは、そのような処理を施していない切りっぱなしのデザインが特徴。ラフな雰囲気を醸し出すのと同時に足に引っ掛かることがないので、快適な着用感を提供する。丈が長い分、シンプルに作られたルックスが魅力だ。
ドクターマーチン 10ホールの特徴③「コーデのアクセントになるイエローパーツ」
ここでは、定番8ホールや他のモデルにも採用されているアイコンディテールを紹介。ドクターマーチンといえば、随所にちりばめられた目を引くイエローのパーツが特徴。履き口に配されたヒールループや、足型を縁取ったウェルトステッチもイエローで仕上げられている。これは、マルテンスが最初にできた8ホールに印象的なコントラストを効かせたかったため採用されたデザイン。ブラック地にイエローロゴのヒールループ、イエローのウェルトステッチと言えば「ドクターマーチン」と一目で分かるアイコンディテールは、他のブランドにはない存在感を放つ。
ドクターマーチン 10ホールの特徴④「まるで空気の上を歩いているようなクッション性」
ドクターマーチンのアイテムを語る上で外せないパーツがアウトソールだ。このソールをマルテンスが生み出したからこそ、ドクターマーチンが生まれたと言っても過言ではない。「Air Cushioned Sole(エアクッションソール)」と名づけられたそのソールは、これまでにないクッション性を実現。ソール内に小さく仕切った格子状の空間を設け、そこに空気を密封することで、まるで空気の上を歩いているかのような履き心地を提供する。音楽やファッションのイメージが強いブランドなので、日常敵に履くイメージがない人も多いが、実は、日々のコーデにも取り入れやすい履き心地の良いアイテムなのだ。
ドクターマーチン 10ホールの特徴⑤「絶妙な光沢感と滑らかさを兼備するスムースレザー」
定番の10ホールモデルには、耐久性に優れたクロム鞣しという処理を行った牛革の「スムースレザー」を採用。上品で絶妙な光沢感と滑らかな手触りが特徴で、キレイめなスタイルにも馴染みやすい。手入れは通常の牛革の手入れと同様。表面のホコリをブラシで落とした後、革に合ったレザークリーナーで革の内側の汚れを落とす。そこに栄養補給としてクリームを全体に塗りこむことで、美しいレザーの風合いを保てる。履きこむ度に味わい深くなり、足にもしっかりとフィットしていくレザーは、愛着が沸くこと間違いなし。
