
群雄割拠なイタリア靴産業において確固たる地位に立つ革靴ブランド、テストーニ(testoni)。イタリアの名高い靴職人たちを育て上げたこのブランドは、ボロネーゼ製法を始めとする数々の技術を考案した。今回は、世界の紳士を魅了し続ける「テストーニ」の魅力について紹介!
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テストーニは独自の技術や意匠を数多く生み出しイタリア靴の地位を築いたブランド!
イタリア・ボローニャの革靴ブランド、テストーニ。独自の底付け技法”ボロネーゼ製法”を生み出した他に、フィレットーネやスパイラルなど、このブランドだけが持つ数々の意匠で唯一無二の革靴を手がける。現在ではトップブランドに名を連ねるステファノ・ブランキーニ(Stefano Branchini)やエンツォ・ボナフェ(Enzo Bonafe)の創業者たちもテストーニ門下で修行を積んだことからも、このブランドの高い技術力が窺える。昨今のイタリア靴の地位はテストーニなしには考えられないと言っても大げさではないだろう。
テストーニの歴史
1929年創業のテストーニ。創業者のアメデオ・テストーニは、代々靴職人の家計に生まれ育った人物。生粋の職人魂を持つ彼が下積みを経て、ボローニャに工房を設立したのがこのブランドの始まりである。
「世界一美しい靴を作る」という夢を抱いていたアメデオ・テストーニ。その高い志は、第二次世界大戦の終結から数年後の1950年代に現実のものとなる。彼が開発した”ボロネーゼ製法”によって作られた革靴は、これまでの革靴からは想像もつかないような柔らかくしなやかな履き心地を実現したものだった。
テストーニの靴が世界的に認められ始めたのは1960年代。ヨーロッパ各国からアメリカへと渡り、アジアへと広まった。1978年には第一号店となるフラッグシップショップをオープン。革靴ブランドが単独でブティックを開くのは当時極めて珍しいことだった。アメデオ・テストーニは、ボロネーゼ製法を始めとするアルティジャーノ精神の真髄を世界のマーケットに持ち込んだ第一人者として知られている。その技術と精神は現在のテストーニの職人達に受け継がれ、このブランド独自の製品を今なお作り続けられている。
時代とともに進化するテストーニの革靴
1930年代のテストーニ「登山靴由来の”ノルベジェーゼ製法”を駆使した製品を展開」
キュービズムとアールデコ、シュールレアリズムと形而上学、ダダイズムとリアリズムなどが交差していた1930年代は、20世紀の中でも特に創造性に溢れた時代であり、建築家ル・コルビジェの作品のようなバウハウス様式が一世を風靡していた。創業間もないテストーニは、ノルベジェーゼ製法やチロレーゼ製法を融合させた芸術性と機能性を兼ね備えるブーツやダービーシューズを展開。「スパイラル」のようなテストーニ独自の意匠もすでに扱われていた。現在でラギッドソールとストームウェルトを採用した無骨なカントリーブーツも展開。
1950年代のテストーニ「代名詞となる技術”ボロネーゼ製法”を開発」
ヒッピーカルチャー前夜の1950年代におけるイタリアは、暮らし向きが良くなり消費も増大、豊かさをきわめていた。この1950年代にボロネーゼ製法を編み出したテストーニだが、エキゾチックレザーを採用したモデルを手がけ始めたのもこの時代である。ベーシックなスムースレザーから表情に味わいのあるグレインレザーまで、その素材使いは現在も健在。
1980年代のテストーニ「イタリア靴らしいエレガントなディテールを追求」
日本でもバブル景気に沸いた1980年代は、ウォールストリートを始めとする世界中のビジネス界で成功者が溢れかえったこともあり、ファッショントレンドは”とにかく新しいもの”を追求する傾向にあった。テストーニもこの時代は新たなディティールを追求。ジャンニ・ヴェルサーチのために考案されたタッセルローファーは、冒険的なデザインがふんだんに採用されていた。モカシンの造形と細身のシルエットが美しいビーフロールローファーも、アメリカのローファーと一味違った上品さを宿している。
2000年代のテストーニ「グローバル化により世界的に注目される存在に」
インターネットの普及によりグローバル化が急速に本格化した2000年代。日本でも90年代から続くクラシコイタリアブームが定着化し、ロングノーズシルエットのモダンなイタリア靴が大いに注目を集めていた。この時代に考案されたダークブラウンとキャラメル2色使いのオックスフォード靴はテストーニでも高い人気を獲得。その独創性は現在のモデルにも継承されてる。
2010年代のテストーニ「伝統技術と現代的なデザインの融合」
新しいことを追うばかりでなく、”クラシック回帰”の名のもとに伝統の技術やディティールが世界的に再注目され始めた現代。テストーニも古くから伝わるチロレーゼ製法を採用したモデルや、アンティーク加工を施した革靴がコレクションに並び始めた。ボロネーゼ製法によって手がけられた、アンティークな雰囲気漂うブラウンカーフのダービーシューズ。現代的なデザインと、テストーニらしい伝統製法が融合している。
テストーニの革靴に採用される数々の製造技術
テストーニの専売特許的技術「ボロネーゼ製法」
創業者が考案し、ブランド発祥の地ボローニャから名付けられたボロネーゼ製法は、テストーニが有する最大のプライオリティと言えるだろう。イタリア靴の主流であるマッケイ製法を発展させたボロネーゼ製法は、インソールとライニングを一体化させるように縫い合わせる。さらに半中底を使用しており、足の前半分を袋状に仕立てた構造で包み込むことからフィット感に優れ、柔らかい履き心地を実現した。英国靴に多く採用されるグッドイヤーウェルト製法は履き始めこそ固いものの、履くごとに足になじむため、最終的な履き心地ではボロネーゼ製法と評価が分かれるところ。しかし、見た目にも頑強なグッドイヤーウェルト製法と比べると、ボロネーゼ製法は自由度の高いデザインを追求することが可能なのだ。
非常に複雑で、全部で177にも及ぶ工程を要するボロネーゼ製法。靴の前方部は伸縮性に優れ、後方部はカカトをしっかりホールドするためにより堅い形状を採用。まるで手袋のように足を包み込むとの言われるボロネーゼ製法は、テストーニの代名詞である。
ボロネーゼとグッドイヤーウェルトの良いとこ取り!「グッドイヤーボロネーゼ製法」
デザイン性、そしてフィット感で優位に立つボロネーゼ製法だが、耐久面においては間違いなくグッドイヤーウェルト製法の方が優れているのが事実。テストーニはボロネーゼ製法をさらに進化させ、2種類の製法技術を融合したグッドイヤーボロネーゼ製法を完成させた。インソールとライニングを袋状に縫い合わせる内部パーツの作製はボロネーゼ製法を採用。そしてアッパーとウェルトの縫合にグッドイヤーウェルト製法を採用することにより、履き心地の柔らかさと頑丈さを見事に両立させたのだ。グッドイヤーボロネーゼ製法は2015年に発表されたばかりの新しい試みであり、エントリーモデルから順次採用されている。
アウトドアにも使用できる耐久性を誇る「ノルベジェーゼ製法」
北欧にルーツを持つノルベジェーゼ製法はイタリア靴にしばしば見られる技法だが、扱えるブランドは決して多くない。テストーニはこの製法を創業当初のモデルから採用。天然の麻糸を使用した昔ながらのこの技術は、悪天候に対応できる登山靴などのために考案されたもので、ノルベジェーゼ製法が施された革靴は悪路や難路にも耐えうる耐久性を携える。グッドイヤーウェルト製法以上に張り出した、存在感抜群のコバも特徴である。
アッパーに優美さを備えさせるシャドーステッチ技術「フィレットーネ」
テストーニの高い能力で実現されるシャドーステッチ状の縁取り技法「フィレットーネ」。丁寧な縫製で独特のモチーフをアッパーに生み出し、革靴のデザイン価値をより高いものにしている。
テストーニの革靴だとひと目で分かる「スパイラル」
もともとは靴底を縫製したろう引き糸を隠す目的で使われていたスパイラルの技術。細長い革の帯を一針ごとにろう引き糸の周りに巻き付けたこの古い工法は、革靴に芸術的な雰囲気を持たせる。ボロネーゼ製法と同じくテストーニの代名詞てきな意匠であり、ソールエッジに貼り付けられたスパイラルは、見る人が見れば一発で「テストーニの革靴」であることが分かるだろう。
高級革靴のみ採用されるテストーニの特許技術「ピューマラピッド」
靴の仕上がりを羽毛のように軽くするピューマラピッドの技法も、テストーニが独自に開発し、特許を取得した技術である。中底まで完成させた靴に木型を入れ、一定期間寝かせたのちに木型を抜いて本底を全て手縫いで取り付けるピューマラピッド。上質な仕上がりはもちろん、同時に暑さや寒さ、湿気といった天候条件から足を保護するこの技術はテストーニの上級ラインのモデルに採用されている。
テストーニの革靴に使用されるレザーはバリエーション豊富で全て最高級
テストーニの革靴に採用される皮革は、カーフ(仔牛)レザーからオーストリッチ(ダチョウ)、イグアナ、アリゲーターなど非常に幅広いバリエーションに富んでいる。それぞれの皮革は、最高級のものだけを厳選。素材の魅力を最大限に発揮するため、修行を積んだ職人により選別され、手作業にてカットされる。
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