
革靴には欠かせないシューケア。味のあるエイジングも、定期的なお手入れがあってこそというもの。今回は、プロフェッショナルも御用達の革靴シューケアブランドと定番アイテムを紹介する!
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シューケアブランド「M.MOWBRAY(メルトン・モゥブレィ)」
かつて180年に渡りヨーロッパ随一のシュークリームブランドとして君臨していた、MELTONIAN(メルトニアン)。その系譜を受け継ぐとされているのが、M(メルトン)・モゥブレィだ。革靴ブランドや靴修理のプロも使用する、シューケアを代表するブランドである。シュークリームの信頼度の高さはもちろん、リッチデリケートクリームのようなあらゆるレザーに使える製品も展開されている。
M.モゥブレィ「シュークリームジャー」
伝統的なレシピを受け継ぐモゥブレィのシュークリームは、優れた浸透力で皮革に潤いと栄養を与える。定期的にモゥブレィのクリームを入れ込むことのより、革靴は鈍く静かな光を携えるようになるのだ。ちなみにシュークリームには無色(ニュートラル)のものと色付きのものがあるが、革靴購入よりしばらくはニュートラルのもので問題ない。経年使用により色抜けやキズが生じた場合は補色のために色付きのものを選ぼう(茶系の革靴の場合は靴よりも薄めのカラーを選ぶのが無難)。
M.モゥブレィ「デリケートクリーム」
水、油、ロウを主成分とする一般的なシュークリームに対し、油とロウの比率を抑えた水主体のクリームがデリケートクリーム。ゼリー状のソフトなクリームなので伸びも良く皮革製品にしっかりと浸透し、皮革の潤いと柔軟性をキープ。スキンケアで言えば乳液のような保湿クリームだ。ベタ付かず自然な仕上がりは、素材の持ち味を引き出しソフトレザーに最適。皮革に深く浸透し、ひび割れから皮革製品を守り長持ちさせる。通常のクリームよりもマットに仕上げる目的としても使用可能。
M.モゥブレィ プレステージ「リッチデリケートクリーム」
天然アボカドオイルをふんだんに使用し、より皮革に優しいものとなっている。
M.モゥブレィ「ハイシャインポリッシュ」
トゥやカカトを鏡面仕上にするためのワックス。通気性を阻害するため多用は禁物だが、革靴にドレッシーな輝きをもたせたい場合に必要不可欠。
シューケアブランド「SAPHIR(サフィール)」
フランスAvel(アベル)社によって1920年に誕生したサフィール。伝統的な製法で一流シューケアブランドとして認知されている。ジョン・ロブやガジアーノ&ガーリングなど、革靴トップブランドのシューケアアイテムをOEM供給していることからも品質の高さがうかがえる。よりプロフェッショナル向けのハイグレードラインであるSAPHIR Noir(サフィールノワール)など、ユニークな品揃えも魅力。
サフィール「ビーズワックスポリッシュ」
豊富なカラーバリエーションと上品な光沢感を出せることから、人気の高いサフィール製のワックス。コスパも良く、ハイシャイン入門編として最適の逸品。
サフィールノワール「クリームビーズワックスポリッシュ」
高級カルナバワックスと蜜ロウ(ビーズワックス)ベースの伝統的な高級靴クリーム。深みのある上質なハイグロス(光沢)や風合いを演出し、保革効果をプラス。
サフィールノワール「クリーム クレム」
上級ライン、サフィールノワールのシュークリーム。厳選した高級蜜ロウやシアバターを成分としており、皮革への栄養補給はもちろん、上品なツヤを放つ仕上がりにできる。
サフィールノワールのクリーム及びアイテムを使用した靴磨きの手順は、こちらの動画が参考になる。
サフィールノワール「コードバンクリーム」
コードバン革専用のクリーム。キズやヒビ割れから皮革を保護し、コードバンの風合いを保つことが可能。オールデンユーザー御用達のクリーム。関連ページ:男を虜にするオールデン(Alden)の魅力【アメリカ靴の王様】
シューケアブランド「COLUMBUS(コロンブス)」
1919年に創業の日本国内No.1の老舗靴クリームメーカー。靴クリームのみならず「靴にまつわる文化を豊かにする」をテーマにシューケア製品を総合的にしかける大手だ。(日東商会→日東皮革塗料工業という社名を1948年に株式会社コロンブスと改めたが、当時はまだ珍しかったカタカナ社名の先端だった。)
[コロンブス] columbus クリーム ブリオクリーム
コロンブスの人気定番商品「レザリアンゴールド」は、革本来の質感を活かしながらナチュラルなツヤを出すコロンブスを代表する靴クリームだ。配合されたビタミンE、コラーゲン成分が皮革の柔軟性をキープ。
COLUMBUS(コロンブス) ベーシック缶入り 油性靴クリーム
優れた光沢を生む「ツヤ革靴用油性クリーム」。カルナバワックス増量により、光沢効果をアップ!
<コロンブスによる靴のお手入れ動画>
シューケアブランド「COLUMBUS BootBlack(コロンブス・ブートブラック)」
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日本の老舗シューケアブランド、コロンブスが満を持して2008年にスタートした最高級ライン”ブートブラック”。創業90年の実績とノウハウを詰め込んだジャパンメイドのシューケアアイテムの数々が魅力だ。その品質はモゥブレィやサフィールなどの名門ブランドにも負けず劣らずで、海外からも高く評価されている。Pitti Uomoに継続的に出展しており、レザー製品の本場イタリアにおいても知名度や信頼を着実に積み上げている注目株だ。
ブートブラック「シュークリーム」
伸びの良さに定評のあるブートブラックのシュークリーム。皮革の凹凸に合わせて極細粒子のクリームが乗るため、革靴本来の風合いを残したまま深みのある色を引き出す。色展開が非常に豊富なので革靴にあわせてこだわりをもって色チョイスできるのが嬉しい。
ブートブラック「ハイシャインベース下地クリーム/ハイシャインコート仕上げクリーム」
ブートブラックのポリッシュワックスの面白い点は、下地用と仕上げ用の2種類に分けてあるところだ。そのため本来一定のテクニックと手間を要求されるはずの鏡面磨きが、初心者でも簡単に行うことができる。2種類クリームを揃えなければならないコスト面の負担はあるものの、短い時間で確実にポリッシュ仕上げができることを思うと充分価値はあるのではないだろうか。
ブートブラック ハイシャインベース下地クリーム
ブートブラック ハイシャインコート仕上げクリーム
ブートブラックシルバーライン「シュークリーム」
プロフェッショナル仕様のブートブラックに対し、やや大衆向けを目指した”ブートブラックシルバーライン”。価格もメインラインより安くビギナー向けとも考えられるが、こちらの光沢感の方を好む愛好家も多い。
シューケアブランド「Collonil(コロニル)」
世界100カ国以上で愛用されているドイツ・ザルツェンブロット社製造のブランド、コロニル。“皮革に優しい・人体に優しい・環境に優しい“をコンセプトに掲げるコロニル製のシューアイテムは、品質の高さのみならず環境に配慮した商品作りにおいても高い評価を受けている。
コロニル「シュプリームクリームデラックス」
かつての人気製品「ディアマント」の後継となる、コロニルを代表するシュークリーム。イメージカラーである深いグリーンをあしらったパッケージが特徴。デリケートクリームレベルの保革からワックスレベルのツヤ出しまでこなすオールインワンタイプ。さらにフッ化樹脂成分により防水効果まで果たすという万能ぶり。
シューケアブランド「KIWI(キィウィ)」
preciouscargocanada1906年、オーストラリア発祥のキィウィ。創業当初、キィウイ油性靴クリームを愛用したオーストラリア兵のピカピカに輝いた軍靴がイギリス兵やアメリカ兵の目に留まり、世界中に普及することとなった。現在は世界170カ国以上の国々で愛用される、大衆好みのブランド。
キィウィ「シューポリッシュ」
看板商品であるキィウィの靴クリーム。いわゆる「靴墨」として昔から愛用している家庭も多い。どちらかと言えばワックス寄りのクリームで、補色とツヤ出しの効果が強い。
定番革靴お手入れアイテム紹介
無数に存在するシューケアアイテム。東急ハンズなどの店に足を運べば、その数の多さに驚かされるばかりだ。もちろんシューケアには必須のアイテムもあるが、無闇に工程を増やすだけであまり意味を成さないものも少なくない。定期的に継続しなければならないシューケアの作業において、効率良く行えるかどうかがアイテム選びの基準だ。以下にシューケアに役立つ定番アイテムをまとめたので参考にして欲しい。
シューケアアイテム「シューツリー」
革靴の形状を保つとともに汗などの湿気を吸収する効果を持つシューツリーは、革靴購入時にセットで用意しておくべき必須アイテム。多くのメーカーがシューツリーを手がけているが、最も本格的なのがDASCO(ダスコ)製のシューツリーである。チャーチ、クロケット&ジョーンズ、エドワード・グリーン、ジョン・ロブ・ロンドンなど、名だたる英国革靴ブランドの純正シューツリーを手がけている。
シューケアアイテム「馬毛ブラシ」
履き終わったあとの埃落としに使うため使用頻度の高い馬毛ブラシ。サイズが大きく、持ち手がカーブしていて使いやすいコロニル製やコロンブス製の馬毛ブラシがおすすめだ。
シューケアアイテム「化繊・豚毛ブラシ」
革靴に塗ったクリームを馴染ませるために必要な化繊(豚毛)ブラシは、シューケアにおいて非常に大事な工程を担うアイテム。できる限りコシが強く、大きいサイズを選ぶのがポイント。
シューケアアイテム「ペネトレイトブラシ」
クリームやワックス、リムーバーなどを塗り込むときに重宝するペネトレイトブラシ。人差し指と中指に布を巻きつけることで代用できるが、クリームの伸びや効率を考えるとペネトレイトブラシを使用したほうが便利。クリームの種類によって使い分けるため何本か用意しておきたいところ。
シューケアアイテム「グローブクロス」
キメの細かい布で磨き上げることで革靴に輝きを持たせる、シューケアの仕上げとなる作業。ストッキングを使って行うことも可能だが、グローブクロスを使えばこの作業が驚くほどスムーズにできる。
シューケアアイテム「ステインリムーバー」
革靴のしつこい汚れや古いクリームを落とす際に重宝するリムーバー。モゥブレィはクリームだけでなく、この「ステインリムーバー」もプロの愛用率が高い。
シューケアアイテム「防水スプレー」
ケアさえしっかり行っていれば水は恐れるに足りないとはいえ、やはり雨の日に革靴で出かけるのは億劫になるのが本音というもの。特に大事な一足には防水スプレーでしっかり保護しておきたい。※ただし用量によってはシミになることがあるので使用の際は注意が必要
シューケアアイテム「シューホーン」
靴の脱ぎ履きでカカト部分を傷めないことは、シューケア以前に紳士の基本だ。まさかカカトを擦り合わせて革靴を脱ぐ愛好家はいないと思うが、やはり履くときだけでなく脱ぐときもシューホーンを使うのが理想。
シューケアキット
手持ちのシューケアアイテムをすべて買い換えようと検討されている方、革靴のお手入れはこれからという方にはシューケアキットもおすすめだ。