フランス靴の雄 パラブーツ(Paraboot)の魅力とは?

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フランス靴の雄 パラブーツ(Paraboot)の魅力とは?

フランスを代表するシューズブランド「パラブーツ」。快適な履き心地と高い防水性、革靴でありながら重厚にならない丸みのあるフォルム。他にはない独自の存在感は、独自の製法と素材づくりによって成り立っている。一目でパラブーツと分かるキュートな佇まいは、不思議とツウな男性から支持を受け続ける。今回は、パラブーツにフォーカスして魅力やコーディネート事例などについて紹介!

パラブーツとは?

1908年にフランスにてレミー・リシャールポンヴェール氏が開いた小さな靴工房が元となったフランスを代表するシューズブランド「パラブーツ(Paraboot)」。

パリの上流階級から労働者や登山家まで、幅広い顧客層から支持を集めていた靴職人のリシャールポンヴェール氏は、1926年にアメリカへ渡航。このときアメリカ人が履いていたラバーブーツに可能性を見出し、帰国後ゴム底の靴を開発。ゴム素材にブラジルのパラ(Para)港から直輸入した天然ラテックスを使用したことから「パラブーツ(Paraboot)」のブランド名が名付けられた。

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創業から100年を越える現在は世界でも指折りの革靴ブランドへと成長を遂げたが、とりわけ母国での評価は絶大。フランスの家庭では、「大人になったらパラブーツを履け」と伝えられるほどに、ひとつの文化として深く根付いている。

パラブーツの魅力「世界で唯一自社でラバーソールを製造する靴ブランド」

ヨーロッパでは木製や革製のソールが当たり前だった1926年、突如として現れたパラブーツの革新的なラバーソールが人々を魅了した。堅牢で摩耗に強く、コンフォタブルな履き心地をもたらすオリジナルのラバーソールを備えたパラブーツの靴は、まず、一般労働者や消防士、郵便配達人、軍人らの間で支持され、ワークシューズとして世に受け入れられていく。さらに北極探検家ポール・エミール・ヴィクトール氏ら冒険家たちが愛用したことで、アウトドアシューズとしての確固たる地位も獲得。

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現代の靴底で大きなシェアを持つビブラムソールが開発されたのが1937年、パラブーツのラバーソールはその11年も前に時代を先取りしていたことになる。

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ラバーソールを自社で製造する世界で唯一のメーカーとなったパラブーツ。天然ラテックスを100%使用、独自のゴム合成法で作られたソールは発祥から100年が経つ今なお健在であり、その堅牢性と実用性はフランス海軍指定の軍靴となるほどだ。また、およそ18種類を数えるラバーソールは、それぞれのモデルに合わせて製造工程を微妙に変えるという徹底したこだわりっぷり。

ファッション性も高く、世界中に愛好者がいるパラブーツ。代表モデル「シャンボード」のラバーソールには、生みの親であるリシャールポンヴェール氏のイニシャル「RP」の文字が刻印されている。

パラブーツのお家芸「ノルヴェイジャン製法」

パラブーツの防御力の高さはラバーソールによる恩恵だけでなく、その製法にもある。ノルヴェイジャン製法はその名のとおり、ノルウェーなどの北欧の地で、寒さや雪による浸水から守るため発達した技法だ。

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太い糸で垂直・水平それぞれの方向に縫い付けるこの製法は、高い防水性とパワフルな外観が特徴である。極めて難易度が高いため扱えるメーカーは少ないが、創業時に登山靴を専門としていたパラブーツはこの製法を世界トップクラスのレベルで扱うことができる。

パラブーツの魅力「フランスの宝石”リスレザー”を採用」

「シャンボード」を中心に、パラブーツの製品の多くはリスレザーという革を使用している。独自になめされたこの革は多量の油分を含んでおり、水に強く、雨に打たれてもシミになりづらいという特性を持つ。ちなみにリスレザーは、しっとりした光沢を持ち、その美しい外観から「フランスの宝石」とも呼ばれているとか。

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パラブーツの魅力「100%メイドインフランスへのこだわり」

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まだ数人の作業員のみだった創業時から今に至るまで、パラブーツの革靴は全てフランスで製造されている。ラバーソールやリスレザーなどの素材の調達はもちろん、グッドイヤーウェルト製法やノルヴェイジャン製法などを用いた150を越える製造工程についても100%メイドインフランスだ。一世紀以上に渡り受け継がれる道具や製造ノウハウこそ、パラブーツの革靴がトップクラスの品質を維持し続ける理由である。

パラブーツの定番モデルを紹介

パラブーツには、「シャンボード」「ミカエル」「アヴィニョン」の3大定番モデルを筆頭に、数多くの人気モデルが展開されている。カジュアルに使えるデッキシューズからビジネスユースの革靴まで幅広くラインナップされているので、是非お気に入りの一足を見つけてほしい。

パラブーツの定番シューズ①アイコン的存在「CHAMBORD (シャンボード)」

フラッグシップモデルの「シャンボード」。日本では2014年、雑誌「Begin」にて年間で10回も取り上げられ、同誌のファッションアイテム売上市場最も売れるほどの大ヒットを起こした。一過性のブームではなく、1920年に原型となるモデルが開発されて以降、今日に至るまで世界中から人気を集めるフランスの誇りとも言える革靴だ。登山靴の木型を元に作られたこのUチップシューズは、シャンボードのために開発されたと言われるリスレザーをアッパーに、独自開発のPARATEXラバーソールをノルヴェイジャン製法で縫い付けている。まさにパラブーツの技術力を結集した一足である。

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パラブーツの定番シューズ②ロングセラーのチロリアンシューズ「MICHAEL(ミカエル)」

アルプスのチロル地方が発祥とされているチロリアンシューズ。もともとは登山用の靴として使用されていたこの靴を、街でも履けるファッションアイテムとして広めたのがパラブーツの「ミカエル」だ。実に誕生から70年以上を誇るロングセラーアイテム。過去にはアザラシの毛を使ったモデルを発表し、話題をさらったこともあった(アザラシが絶滅の危機に瀕するため現在は生産中止)。ボリュームのあるシルエットはカジュアルスタイルにぴったり。もちろん登山靴本来の機能である防水性や耐久性にも優れているため、アウトドアでも活躍できるアイテムだ。

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パラブーツの定番シューズ③本国フランスで人気「Avignon(アヴィニョン)」

日本ではシャンボードの人気が高いが、本場フランスで人気のUチップと言えば「アヴィニョン」だ。トゥがシャンボードよりも細くなり、Uチップのラインもよりエレガントになっている。カジュアルな趣は残しつつ、上品なスタイルにも合わせられる仕上がりとなっている。

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パラブーツの定番シューズ④デッキシューズの王様「BARTH (バース)」

夏の定番カジュアルシューズの「バース」。爽やかで都会的な外見を持ちながら、MARINEラバーソールを採用した機能面はフランス海軍に公式使用されるほどのクオリティ。シックなものから軽快なものまで、選ぶカラーによって異なる表情を楽しめる。

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パラブーツの定番シューズ⑤ジョンロブ仕込みのダブルモンク「WILLIAM (ウィリアム)」

どこか風格漂う「ウィリアム」。それもそのはず、パラブーツはかつてジョン・ロブのアウトドア系カジュアルラインの生産を請け負っており、この「ウィリアム」はその当時のモデルが元となって作られている。ただ上品なだけではなく、パラブーツらしいラバーソールとノルヴェイジャン製法によってカジュアルな履きこなしも可能となったダブルモンクシューズ。

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パラブーツの定番シューズ⑥トラッドな雰囲気漂うローファー「CORAUX(コロ―)」

前述の「バース」をベースに作られたローファー「コロ―」。ソールも同じくMARINEラバーソールが採用されているため、防水性が高く水に滑りにくいのが強みだ。ハンドソーンで仕上げられたアメリカンな一足。光沢のある革にも高級感を感じる。

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パラブーツの定番シューズ⑦高い堅牢性を誇るチャッカブーツ「Proton(プロトン)」

パラブーツのお家芸、ノルヴェイジャン製法とPARATEXラバーソールによって優れた防水と堅牢性を持つ「プロトン」。チャッカブーツ数あれど、耐久面においてここまで信頼できるものがあるだろうか。リスレザーの鈍い光沢感も実に魅力的。

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パラブーツの着こなし活用事例を紹介!

とりわけ”ツウな男性”に支持される傾向のあるパラブーツ。パラブーツならではの”洒脱感”あふれる着こなし/コーディネート事例をピックアップ。

パラブーツ×デニムコーデ

パラブーツ随一の人気を誇る「CHAMBORD (シャンボード)」をネイビーのマウンテンパーカー、濃紺ジーンズにあわせた着こなし。ネイビーを多用することでこなれ感、そしてロールアップを取り入れることで抜け感あふれるコーディネートが完成。

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パラブーツ×スラックス×チェスターコートスタイル

キャメルブラウンのチェスターコート、グレースラックスの足元にパラブーツのチロリアンブーツ「MICHAEL(ミカエル)」をあわせた着こなし。ビブラムソール仕様で武骨な雰囲気を演出しながらも、短めに仕上げた丈感がこなれ感を漂わせる。

mensfashionmagazine

パラブーツ×コーデュロイパンツ×ニットスタイル

デニム界の草分け、林 芳亨氏のコーデュロイパンツスタイル。足元には本国ブランスでは人気ナンバーワンのUチップシューズアヴィニョンをチョイス。パラブーツならではのエイジングが進んだブラウンレザーが渋い雰囲気を加速。

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パラブーツ×デニムジャケットスタイル

汎用性が高くあらゆるスタイルに合わせやすい「シャンボード」だが、やはりワークスタイルとの相性は随一だ。雨の日に臆せず履けるところも強み。
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paraboot on instagram

あえてホワイトのパラブーツで”こなれ感”を出した着こなし

アウトドアな印象の強いチロリアンシューズも、ホワイトカラーの「ミカエル」であればクリーンで現代的なな雰囲気にまとめることが可能。

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パラブーツ×マリンスタイル

エフォートレスなルーズシルエットのボーダーTシャツとパンツを組み合わせたマリンスタイル。パラブーツの真骨頂ともいえる定番デッキシューズ「バース」を足元にチョイス。すべてのアイテムにネイビーを選ぶことでマリンスタイルを前面に打ち出しながら、爽やかながらも落ち着いた印象に。

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