クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)が世界中で人気を誇る理由とは

クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)が世界中で人気を誇る理由とは

英国の一流ブランドが作る革靴は10年以上愛用できることからビジネスパーソンの間では定番となっているが、なかでも「クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)」は、安定した品質と人気を誇るブランドのひとつだ。ダニエルクレイグが007で着用するなどキャッチーなエピソードもさることながら、ラストの豊富さや縫製技術の高さをうかがわせる間隔がせまく乱れのないステッチをはじめとするディテールにも手ぬかりがない点などが世界中の男を魅了してやまない。今回は、そんなクロケット&ジョーンズにフォーカスして知られざる魅力や定番モデルを紹介!

クロケット&ジョーンズとは?

クロケット&ジョーンズとは、1879年に義理の兄弟関係にあるジェームズ・クロケット氏とチャールズ・ジョーンズ氏によって創業された英国を代表する革靴ブランドである。1924年にはノーサンプトンの工場に、のちのジョージ6世であるヨーク公が見学に訪れ人々の関心を集める。第2次世界大戦中は政府の指示のもと、1万足を越える軍靴を製造した。

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また、今でこそ英国を代表するブランドとして地位を確立しているが、以前は「ジョージ・クレバリー」や「ジョン・ロブ・パリス」など他社の高級既製靴製造を主に手がけるOEMメーカーだった。ちなみにクロケット&ジョーンズの人気Uチップシューズ「MORETON(モールトン)」は、元々下請け生産を行っていたジョン・ロブの「BARROS(バロス)」がベースとなっていると言われている。100年以上ものあいだ、受注生産の実績を積み上げることで、高い技術力が培われたのだ。

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1990年には輸出業成功による英国への貢献が称えられ、クイーンズアワードを受賞。現在はジョーンズ家の4世代目となるジョナサン・ジョーンズ社長が指揮を執る。彼の「伝統的な製法はそのままに、機械により生産技術を向上させる」や「10年以上履いても高品位であり続ける靴を作る」という信念のもと、1997年にはロンドンのジャーミン・ストリートに初となるショップをオープン。以降下請けメーカーとしてではなく、ブランドとして「クロケット&ジョーンズ」の名を世界中に広めていくこととなる。

クロケット&ジョーンズの最高峰の技術と品質管理の秘密は工場にアリ!

1足に8週間かける革靴づくりは、英国ノーサンプトンの自社工場で行われている。

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革靴の制作には、革に蒸気を当てて木型に馴染ませるという工程があるが、その作業だけのための専用スチームルームを構えるのはクロケット&ジョーンズだけだ。さらに、皮革の細かい傷も見逃さないために、革の裁断作業は全て自然光が射し込む北向きの窓際で行われていると言うから驚きだ。

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これだけのこだわりを持ちつつ、200以上の工程を重ねて作るグッドイヤーウェルト製法の革靴は、まさに10年以上履き続きられる靴だと言える。また、アッパーレザー(表革)をウェルトに縫いつけることにより防水性を持たせた、ベルトショーン製法を施したチャッカブーツなども魅力的だ。

クロケット&ジョーンズは世界中で最も木型(ラスト)が豊富

クロケット&ジョーンズは、世界で最も豊富な数の木型を揃えている。つまり、それだけ多彩なラインナップが生産されているということとなる。

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クロケット&ジョーンズのオリジナル製品の多さもさることながら、身近なところだとビームスやブルックスブラザーズ、トゥモローランドなど多くのショップやブランドからの別注モデルを製造。現CEOのジョナサン・ジョーンズ以降はオリジナル製品を販売する路線を取っているものの、このあたりの別注対応の柔軟性は、長い受注生産の歴史があるからこそ培われたと言える。そのバリエーション数は他の英国ブランドに類を見ない。必ず自分に合った一足が見つかるはずだ。

例えば下に紹介するのはストレートチップのラスト。同じ内羽根ストレートチップでもフォルムの微妙な違いがお分かりになるだろう。

クロケット&ジョーンズの地位を確立したラスト「337」

膨大な数の木型を保有するクロケット&ジョーンズだが、中でも代表的なのが「337」のラスト。通称「パリラスト」とも呼ばれるこの木型は、パリ店の名職人(ビスポーク)ディミトリーゴメス氏によって開発された。

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ややロングノーズのセミスクエアトゥ、ほどよくエッジの効いた流麗なウエスト、甲の高さや靴の横幅はトータルバランスにも優れ、時代やスタイルを問わず普遍的な人気を博している。クロケット&ジョーンズを一流ブランドに押し上げたひとつのきっかけとなった木型と言っても、決して大げさではない。

※参考※ クロケット&ジョーンズの主要ラスト(木型)の特徴

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クロケット&ジョーンズの既製靴は「メインコレクションとハンドグレードコレクション」に分かれる

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クロケット&ジョーンズには、スタンダードラインとなるメインコレクションと、上級ラインとなるハンドグレードコレクションが存在する。実用性を重視したメインコレクションに対して、ハンドグレードコレクションは、より高級な素材が厳選され、より細かいステッチを施すなど各製造工程にさらなる手間がかけられている。

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インソールのブランドロゴが箔押しされているのがメインコレクション、旧ロゴが素押しされているのがハンドグレードコレクションだ。ハンドグレードの方は革底の縫い目が隠れるヒドゥンチャネルという製法が施されているのも特長のひとつ。

定番モデルの「オードリー」は、高級ラインのハンドグレードコレクション。

メインコレクションのハラムとモンクトン。こちらのインソールはよく見かけるという方も多いのではないだろうか。

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もちろん、クロケット&ジョーンズではハンドソーンウェルテッドのフルビスポークやカスタムオーダーもにも対応している。既製靴に飽き足らないというあなたは、日本国内でのオーダー会などもチェックすると良いだろう。

クロケット&ジョーンズといえば「007ジェームズボンド愛用の革靴」

クロケット&ジョーンズの革靴は、映画「007」のジェームズ・ボンドが着用していることで有名だ。

以前はジェームズ・ボンドと言えばChurch’s(チャーチ)の革靴というのがお約束だったが、ダニエル・クレイグ版ボンドの「スカイフォール」と「スペクター」ではクロケット&ジョーンズを使用している。
クロケット&ジョーンズの革靴がどれだけ堅牢性や実用性に優れ、英国で愛されているかは外羽根ストレートチップの「ノーウィッチ」やダブルモンクストラップの「キャンベリー」を履いて颯爽と立ち回るボンドを見れば一目瞭然かもしれない。関連ページ:007スペクターでダニエルクレイグが履いた革靴 【ボンド気分を味わおう!】

クロケット&ジョーンズのおすすめモデル

多くのラインナップを持つクロケット&ジョーンズだが、その中でも特におすすめの革靴を紹介。

クロケット&ジョーンズ「AUDLEY(オードリー)」

ラスト337をベースに、2002年に発表された内羽根ストレートチップ「オードリー」。言わずと知れたクロケット&ジョーンズの看板モデルだ。グッドイヤーウェルト製法ながらも張り出しを抑えられたコバが気品を感じさせる。どんなシーンにも対応できることはもちろん、10年後に履いていても自慢できる1足。
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クロケット&ジョーンズ「ALEX(アレックス)」※ボンド着用モデル

ホールカットシューズならではのミニマルなデザインがクラシックスーツはもとより、モードスタイルの細身スーツにも難なくフィットする「ALEX(アレックス)」。「スペクター」「スカイフォール」両作ともにタキシードスタイルをメインに着用されている。

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クロケット&ジョーンズ「HIGHBURY(ハイバリー)」※ボンド着用モデル

ラスト#348を使用したプレーンダービーです。羽根の形状がV型になっていることからV-フロントとも呼ばれるデザインで、ヨーロッパ特にフランスで人気のあるディテールだ。007「スカイフォール」にて、ダニエルクレイグ演じるジェームズボンドの着用が確認されている。

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クロケット&ジョーンズ「HALLAM(ハラム)」

ロングノーズなラスト348を使用した「ハラム」。オードリーと同じ内羽根ストレートチップながらも、こちらはサイドエッジが鋭くシャープな印象になっている。また、クロケット&ジョーンズの既製靴の中では「最も幅が狭く最も甲高」なデザインなのでそのような足型の男性や、よりモダンなスーツスタイルを目指す方におすすめできるモデルだ。
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クロケット&ジョーンズ「SAVILE(サビル)」

パリラスト337使用の「サビル」。地味な印象になりがちなシングルモンクストラップだが、ハンドグレードコレクションならではの上質カーフが独特の色気を醸し出す。日本でもオードリーに次ぐ人気を誇るモデル。

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クロケット&ジョーンズ「Norwich(ノーウィッチ)」※ボンド着用モデル

ビジネススーツに最適なクロケット&ジョーンズの外羽根ストレートチップ「ノーウィッチ」。007「スペクター」の中でも最も着用シーンが多く、メキシコの冒頭シーンだけでなく、ロンドンや敵アジト潜入シーンでも着用が確認されているモデル。

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クロケット&ジョーンズ「MALTON(マルトン)」

甲高・幅広な足型の日本人に合わせて作られたラスト360を採用した「マルトン」。この木型特有の、丸みのある曲線美がセミブローグの上品さを際立てている。

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クロケット&ジョーンズ「Camberley(キャンベリー)」※ボンド着用モデル

ほどよい色気を醸し出すダブルモンクストラップ「キャンベリー」。映画007の「スペクター」の葬儀シーンやカーチェイスのシーンでジェームズ・ボンドが着用。劇中ではブラックスーツを身にまとったダニエル・クレイグの足元で確かな存在感を放っていた。

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クロケット&ジョーンズ「CAVENDISH(キャベンディッシュ)」

オフシーンを中心にビジネスカジュアルにおいても活用できるタッセルローファー「キャベンディッシュ」。ラスト325を採用し、やや幅広ながらも厚みを抑えたシルエットがシャープなフォルムを形成。ほどよいボリュームのラウンドトゥがエレガントな印象。デニムやコットンパンツ、アンクル丈パンツとの相性も良し。

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クロケット&ジョーンズ「CHERTSEY(チャートシー)」

クロケット&ジョーンズの定番スエードチャッカブーツ「チャートシー」。ラスト224ならではの”ぼってり感”のあるトゥや丸みのあるシルエットに好感が持てる。カジュアルライクな中にも気品を感じさせる一足。

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