今やメンズファッションにおける定番的着こなしとなった「スポーツミックス」。スポーツミックスとは文字通り、スポーツウェアを取り入れた着こなしを指す。スポーツウェアがメンズファッションに与えた影響力は大きく、現代の多くのデザイナーやクリエイターはその歴史や起源を知ったうえで新たな可能性を見出している。今回はスポーツウェアがメンズファッションに入り込んできた歴史的経緯を現代の注目スナップとともに紹介!
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スポーツウェアとファッションが融合したきっかけは19世紀末のライフスタイル変化にあり!
19世紀終わり頃になるとライフスタイルが大幅に改善されて余暇時間が増え「オフにスポーツやレジャー、スポーツ観戦を楽しむ」という文化が庶民の間に広がっていく。このような風潮の中、プロスポーツマンの体型や着こなしが理想とされる風潮が急速に浸透。「スポーツ競技用のウェアを街中で着る」という習慣が、ハンティング、乗馬、テニス、クリケット、ゴルフ、スキーといったもともと上流階級に愛されてきたスポーツ分野を皮切りに、野球、バスケットボールなど当時としては新興だったスポーツ分野に渡って広がっていった。
イマが旬な太ストライプジャケットは1910年代ごろのテニスやクリケットの選手が着用していた!?
強印象を残せる太ストライプのジャケット。クラシック回帰のトレンドによって注目を集めるこんなアイテムも、実は1910年ごろのテニスやクリケットの選手が着用していたウェアと馴染みの深いもの。当時はストライプブレザーや白のフランネルシャツが、場外の普段着として定着いったと言われている。現代のビジネススタイルにスポーティーさを加えてくれるジャケパンスタイルはモーニングコートよりも、テニスやクリケット選手達が着用していたブレザーに起源を持つ装いに近い。
大人のスポーツウェアでハズせないのが“ポロシャツ”!おさえておきたい2人のテニスプレイヤーから生まれたブランドといえば?
クールビズスタイルで重宝したりと、大人の夏の着こなしにおいてハズすことのできない存在といえばポロシャツだ。元々はテニスから生まれたこちらのウェア、歴史を知るうえで無視するわけにはいかない2人のテニスプレイヤーが存在する。ルネ・ラコステ氏とフレデリック・ジョン・ペリー氏だ。どちらもブランドを立ち上げており、今もなお人気を集め続けている。
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①当時フランス四銃士のひとりと呼ばれた“ルネ・ラコステ”氏はポロシャツの元祖「LACOSTE(ラコステ)」の創始者!
ワニの刺繍が施されたポロシャツが有名なアパレルブランドと言えば「LACOSTE(ラコステ)」。このブランドは、1933年ごろ元テニスプレイヤーでフランス四銃士と呼ばれるほどの実績を残したルネ・ラコステ氏が創業している。当時のテニスウェアの固定概念を打ち砕くように、軽くて吸汗性に優れ、伸縮性も抜群の半袖ニットウェアを展開して大ヒット。“L1212”の製品名が与えられた世界初のポロシャツは、当時から袖口のリブや裾のスリットが設けられており、80年以上経った今でも基本デザインをほとんど変えずに世界中の老若男女に愛用されている。
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②イギリスのテニス界の第一人者“フレデリック・ジョン・ペリー”氏は月桂樹ロゴがアイコニックな「FRED PERRY(フレッド ペリー)」を立ち上げた張本人!
リストバンドの考案者としても知られ、のちにモッズなどサブカルチャー系の若者からも支持を受けるのがフレッドペリー。ローレルリースとも呼ばれている月桂樹のロゴが施されたアイコニックなポロシャツは、現在も幅広い層から愛用されている。当時、テニスウェアはゆとりのあるダボっとしたフォルムが主流であったが、フレッドペリーはスリムで体にフィットするシルエットに改良したことで話題に。現在では様々なバリエーションのポロシャツが展開されているが、ブランドのルーツと言われているモデルは「M3」。創設者フレデリック・ジョン・ペリーがデザインし、また自身も愛用していたことでも知られている。
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