チノパンといえばジーンズと並んでメンズカジュアルファッションのボトムスを代表するアイテムだ。トラッド、ミリタリー、古着などあらゆるファッションスタイルに欠かせない存在である反面、その独特のベージュカーキの色味とコットンパンツの野暮ったさがあるため意外に着こなし難易度は高い。今回はそんな「チノパン」にフォーカスし、押さえておくべき着こなしのポイントや注目のメンズコーデ、おすすめアイテムを紹介!
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そもそも「チノパン」とは?軍服に採用された生地が名前の由来に!
チノパンとは「チノ・パンツ」の略称である。「チノ・クロス」と呼ばれる綿やポリエステル(稀に麻)の生地で出来たズボンの一種を指す。インドに駐屯していたイギリス陸軍のカーキ生地の軍装が起源で、その後アメリカ陸軍にも採用されている。米西戦争の戦地であったフィリピンから帰国した兵士より、1900年代にアメリカ国内に広まった。名称はスペイン語で中国人という意味の「Chino」から来ている。フィリピンでは戦争後、これらの服装を着たのは中国人農民(Camisa de chino)であったことから、名前の由来となったという説が有力だ。
↑アメリカ陸軍元帥、ダグラスマッカーサー
チノパンの肝である「チノ・クロス」の特徴とは?
チノ・クロスは綿のツイル生地で、元々19世紀中頃に英仏の軍隊の制服に使われた生地である。作業着にも使われていることが多い。生地は基本的に左綾織りで、防水加工が施されたモデルも発表されている。ちなみに、双糸(コーマ糸)の右綾織りで作られた生地はウエストポイントと呼び、通常のチノに比べ、光沢感が強く、耐摩擦にも優れている。このウエストポイントは、ニューヨーク州にある陸軍士官学校、通称「ウエストポイント」にちなんで名付けられ、戦後盛んに輸出された。陸海軍の制服地に使われていたため、アメリカでは「ユニフォーム・ツイル」と呼ぶのが一般的だ。
メンズの鉄板ボトムス「チノパン」をおしゃれに着こなすための3ポイントとは?
チノパンの着こなしをメンズがおしゃれに仕上げるには「シルエット」「丈」「色」に注目を。ここからはそれぞれポイント別の解説を注目の着こなしと共に解説していく。
チノパン着こなしポイント①「旬なコーデを意識するなら“太めシルエット”が正解」
ここ数年続くオーバーサイズ着こなしのトレンドの影響もあり、昨今のパンツシルエットのトレンドはゆったりが気分。チノパンも例に漏れず足元までストンと落ちるようなルーズストレートシルエットが注目を集めている。ちなみに、US ARMYの古着で有名な「45カーキ」や「43カーキ」「41カーキ」と呼ばれるチノパンはどれも太めのストレートシルエット。クラシックな装いを好む方なら、ヴィンテージやそのレプリカをチョイスして旬なコーデを実現するのも良いだろう。
スマートな大人の着こなしを演出する細身のチノパンはくるぶし丈ですっきりとした印象に
トレンドはゆったりシルエットながら、30代や40代以降の大人の男性から支持を集めるパンツ専業ブランドを中心に打ち出されているスタイリッシュでモダンなスリムフィットやスリムテーパードのチノパンも外せない。この手のパンツは、くるぶし丈ですっきりとした印象を作るのがおすすめ。脚のラインを拾わない程度に絞られた無駄のない美脚シルエットを意識することで、洗練された大人のキレイめコーデを実現できる。革靴やレザーサンダルとの相性も良く、品良き足元を演出しやすいのもメリットのひとつだ。
チノパン着こなしポイント②「定番色のベージュ・カーキ系チノパンを取り入れた夏コーデは“ニュートラルカラー”や“ペールトーン”でクリーンにまとめる!」
チノパンの定番色であるベージュ・カーキ系を軸に夏コーデを組む場合は、ニュートラルカラーやペールトーンでクリーンにまとめるのが今流。あえてギラつきや艶っぽさを出さない良い意味での野暮ったさが逆に気分という洒落者が増加中だ。30代や40代以降の大人が取り入れるなら、本当に野暮ったく見えないように「オーバー過ぎないサイズを選ぶ」「ヴィンテージ感があっても襟や袖口が汚れているものは着ない」など、品や清潔感のキープを意識したい。
また今季のトレンドとして注目を集めている原色にグレーを混ぜてくすませたようなミュートカラーを取り入れてほんのり華やかな雰囲気にまとめるのも一手。コーディネートが一気に春夏らしい季節感あふれる見た目に仕上がる。
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チノパン着こなしポイント③「ワイドレッグのチノパンは“フルレングス”で動きのあるシルエットを作るのが正解!」
昨今流行りのワイドレッグ、バギーシルエットのチノパンは、フルレングスで動きのあるシルエットを作るのがお約束。ワンクッション、ハーフクッションをさせてタマリを作り、いい感じにルーズな雰囲気とリラックス感を演出するのがイマ流だ。
ときにはワイドレッグのチノパンでもノークッションで穿くのが正解の場合も
基本イマどきはフルレングスでワイドレッグと縦長シルエットを強調するのがおすすめだが、下のスナップのようにドレス系統のスタイリングで全体のバランスを考えた際に、ロールアップが適切な場合もあり得る。あくまでもトレンドはスタイリングを組む上での参考要素のひとつとして捉え、自分の中での理想のコーディネートを突き詰めていきたい。
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