
同じモノトーンであり、汎用性の高さから似たものとして扱われることが多い黒スニーカーと白スニーカー。使いやすさは確かに同レベルだが、持つ性質は正反対だと言っても過言ではない。今回はビジネス使いという視点で、どちらがどういったメリットを持っているのかを見比べていく。
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主力商品が革靴からスニーカーにシフトしたブランドもスニーカーのビジネス使いはゴールドマン・サックスのドレスコード緩和がきっかけだった?
元々スポーツアイテムであったスニーカーは、ビジネスシーンにおいてほんの数年で一気に市民権を獲得し、今では“そこにあって当たり前”という存在になっている。日本でもかなり浸透しているスニーカーのビジネス使いだが、この発端とも言えるのが、2019年のゴールドマン・サックス社によるドレスコード緩和だ。社内文書で「カジュアルな服装が常に、そして全ての交流において適切というわけではない」「顧客の期待に沿う配慮」といった前提条件のもとに、全社的な服装規定の緩和を実施。これは全世界に大きなインパクトを与え、特にウォール街の保守性に風穴を開けた出来事として、アメリカの大手経済メディアのブルームバーグ誌が大々的に報じた。
(写真:ゴールドマン・サックス・グループの内部文書 byブルームバーグ)
この出来事から、欧州でもスーツにスニーカーを合わせたスタイルの浸透が進み、オランダでは老舗靴メーカーの売上がドレス靴中心からスニーカー中心に置き換わったという報道がある(ガーディアン誌)。日本ではゴールドマン・サックスのドレスコード緩和よりも先に、2017年にスポーツ庁が「スニーカー通勤」を奨励。これはどちらかというとドレスコード的な話ではなく、健康増進の意味合いが強かった施策であったが、時を同じくしたことで、日本でもファッション的観点でのビジネススタイルへのスニーカーの取り入れが浸透した。
ビジネススニーカーの二大色候補黒スニーカーと白スニーカーは結局どっちが良いか
そんなビジネスシーンにおけるスニーカーの取り入れだが、ゴールドマン・サックスの内部文書にもある通り、全てのシーンにおいて相応しいとは言えず、TPOをわきまえた使い方が基本となる。つまりスニーカーなら何でも良いという考えも、この基本の上では通用せず、ビジネスに相応しい“それなりのもの”を履くことが求められるわけだ。こういったことを鑑みると、モノトーンで無難に合わせやすい「黒スニーカー」と「白スニーカー」というざっくりとしたカテゴリが、使いやすいスニーカーの二大候補として挙げられることが多いのだが、色としては全くの別物で、共通点といえば「モノトーンで汎用性が高い」ということぐらい。ここでは、それぞれの性質やメリット・デメリットについて触れていこう。
合わせやすさやメンテが楽な反面、ストイックすぎる印象も…黒スニーカーのメリット・デメリット
黒は足元の存在感・主張を抑え、ネイビーやグレー、ブラックなどのダークトーンが選ばれることが多いスラックスやスーツに同化しやすい。つまりボトムスとの色合わせの難度が低い。さらには汚れが目立ちにくく、日常メンテナンスの負担も少なめというメリットも。一方で、黒は文脈次第で「重さ」「強さ」といったニュアンスを帯びやすい。プロスポーツの制服色研究では、黒ユニフォームのチームに反則判定が増えたという知見※があり、審級・権威・厳格の連想が強まりやすいのだそう。これをビジネスに置き換えてみると、「とっつきにくさ」や「怖さ」につながる可能性がある。オールブラックだと全身のスタイリングの印象がストイックになり過ぎてしまうなどといった場合は、ソールが白いものを選んでストイックさを軽減する、といったアイテム選びで対応するのも手だ。
軽さや良い感じのカジュアル感は出せるものの、メンテの大変さがネックに…白スニーカーのメリット・デメリット
白スニーカーは、特有のイメージで清潔感を強く伝えられるのが大きなメリット。また、同じ装いでも黒スニーカーは革靴合わせと同じぐらいの重さが出てしまうことがあるが、白スニーカーは全身の重さを中和し、カジュアルダウンしたコーデらしく軽快な印象に。デメリットとしては、汚れや擦れによる傷が目立ちやすいため、最大の武器である清潔感の維持にメンテナンスコストがかかることが挙げられる。普段からこまめにシューズを手入れしている男性なら特に問題にならないが、そういったメンテナンスが苦手であったり、そもそも定期的にメンテナンスする時間的余裕がないという方は、黒スニーカーを選ぶのが無難かもしれない。
最後に、ビジネスで使える黒スニーカーと白スニーカーのおすすめモデルをそれぞれピックアップ!
ビジネス使いにおすすめの黒スニーカー3選
ビジネス使いにおすすめの黒スニーカー1Santoni「ダブルバックルスニーカー」
イタリアらしいエレガントな革靴を得意とするサントーニ。同ブランドの定番ドレススニーカーがこちらのダブルバックルスニーカーだ。実際にはバックルは付いていないのだが、サントーニを象徴するダブルバックルのフォーマルシューズからインスパイアされたディテールをレザーのレイヤードで再現。準革靴と言っても良いぐらい品格のあるスニーカーだ。
ビジネス使いにおすすめの黒スニーカー2ZEGNA「Triple StitchTM SECONDSKIN スニーカー」
いまやゼニアを象徴するシューズとして定着したトリプルステッチスニーカー。シューレースの代わりに配された3つのクロスが特徴で、ここに伸縮性を持たせたスリッポン仕様のスニーカーだ。ミニマルでスーツやジャケットスタイルに合わせやすいのはもちろん、一般的なスニーカーとは違ったモードな要素も持ち合わせているため、ビジネススタイルにさりげなくファッション性をプラスしたい時にもおすすめ。
ビジネス使いにおすすめの黒スニーカー3On「Cloud 6」
原宿の旗艦店は入店待ちの行列が絶えず、最近は銀座に新店舗をオープンしたことを話題を呼んだオン。複数回にわたるロエベとのコラボレーションでも注目を集めた、今ホットなブランドの一つだ。ランニングシューズに強みを持つブランドなだけあってスポーティーな印象が強く、こちらの「Cloud 6」もスポーティーな顔立ちが特徴だが、街中を歩いていると意外とビジネスシューズとしてスーツやジャケットスタイルに合わせている人の姿を見かける。特にIT系の比較的服装規定が緩いビジネスマンが多いかもしれない。クラシックなスーツとはギャップがあり過ぎて不向きなので、イージースーツなどのカジュアルなセットアップに合わせる攻めのスニーカーとして考えておきたい。
ビジネス使いにおすすめの白スニーカー3選
ビジネス使いにおすすめの白スニーカーCOMMON PROJECTS「Achilles」
ドレッシーな白スニーカーといえば、コモン プロジェクトのアキレスがその代表と言える。OTOKOMAEではかなり前からこのスニーカーをドレススニーカーとして位置付けてきたが、様々なブランドが参入する群雄割拠のこのカテゴリにおいて他の追随をいまだに許していない絶対王者的な存在だ。スマートなフォルムで無駄のないデザインがスーツやジャケパンスタイルと好相性で、ネイビースーツやグレースーツからベージュスーツまで、どんな色のスーツに合わせても違和感なくハマる。
ビジネス使いにおすすめの白スニーカーAutry「Medalist Low」
ここ最近、ピッティウオモで見かけることが増えたオートリーのスニーカー。ソールにヴィンテージ加工が入っていたりと、基本的にはカジュアルな要素が強いモデルだが、意外とスーツやジャケパンとも相性が良く、適度なハズしとして使えるスニーカーだ。アメリカの星条旗が入ったロゴもアクセントになって◎
ビジネス使いにおすすめの白スニーカーadidas Originals「STAN SMITH LUX」
コート系のスニーカーの絶対定番であるアディダスのスタンスミス。スーツに合う定番として認知度も高いが、コモンプロジェクトのアキレスなどと比べると、フォルムが幅広でカジュアル要素がやや強い。もちろんそれでも良いのだが、より上質でドレスアイテムに合わせるに相応しいのがこちらのハイグレード版スタンスミス。「STAN SMITH LUX」と名付けられたこちらのモデルは、通常モデルよりも上等なつくりで差別化されている。天然皮革を使用したアッパーは革靴のような出来栄えで、シュータンは薄く作られていたりと、上品に見える要素が随所に。よりビジネス使いしやすく進化したスタンスミスだ。
最後にFAQをチェック!
Q1. 初めての1足は黒と白どちらが無難か?A. 迷うなら黒
白か黒かで迷っているのであれば黒を選ぶのが無難。来客・社外応対に対応しやすく、汚れなどのメンテナンスの負担も少ない。
Q2. スーツに許容されやすい“設計条件”は何か?A. レザー製でシンプルなデザインが鉄板!
レザーアッパー、アッパーと同色のソール、ロゴなどのデザインは最小限に、ソール厚みは薄め〜中ぐらい、配色コントラストは弱め、が基本。派手な色使いやデカロゴが入ったもの、チャンキーソールなどのカジュアル要素が強すぎるものはビジネスでは避けるのが正解。
Q3. 来客や社外訪問が読めない日の安全策は?A. 黒のミニマルスニーカー一択
黒のミニマルなデザインのスニーカーを選んでおけばまず問題なし。もちろん革靴を履いておけば間違いなしだが、スニーカーなら上で紹介したサントーニのバックルスニーカーのような黒スニーカーであればOKだ。
Q4. ビジネスで避けるべき仕様は?A. 目立つデザインと使用感のあるものは避けるのが無難
厚底すぎるものや、強い配色のロゴ、モノトーン以外の強コントラストデザイン、アッパーが全メッシュなどスポーツ感が強すぎるデザインは避けるのが無難。また、くたびれたキャンバス素材のアッパーなど、ビジネスシーンにおいては清潔感が損なわれてしまうようなスニーカーも避けるべきだ。


























