スリッポン感覚で気軽に履けるうえ、足元に抜けやリラックス感を演出する”モカシンシューズ”。肩肘張らないカジュアルスタイルやリゾートシックなコーディネート、ハズしをきかせた着こなしなど、様々なシーンで重宝する優れモノだ。今回はそんな「モカシン」にフォーカスして、注目のコーデとアイテムを紹介!
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トゥに施されたモカシン縫いに注目!今更聞けない「モカシン」の特徴とは?
モカシンは、靴のスタイルの一種。起源はネイティブアメリカンが履いていた鹿などの一枚革で袋状に作られたスリッポン形式の靴とされている。後に、現在モカシンシューズと言われて思い浮かべるような「モカシン縫い」というU字型で甲革が縫合された形が誕生。さらに現代のシューズでは一般的な固いソールがついたのは20世紀初頭あたりからと言われている。
モカシンシューズの定義の幅は広く、現代では「ローファー」「デッキシューズ」「ドライビングシューズ」などもまとめてモカシンシューズと呼ばれる場合が多い。さらにネイティブアメリカンが履いていた元祖モカシンから着想を得た袋形状のアッパーを採用したシューズをモカシンシューズとして展開するブランドも存在。以上のように現代ではモカシンと一口に言っても様々なタイプが存在するため、「モカシンシューズはこうでなければならない」といった決めつけはせず、自由で広い視野を持って、あらゆるモカシンシューズを探索してみるのが良いだろう。
↑ネイティブアメリカンの伝統的なモカシンのアッパーからインスピレーションを受けてデザインされたFEAR OF GODのMoc High。
「ローファー」「デッキシューズ」「ドライビングシューズ」「ワラビー」モカシン系シューズ4天王それぞれの違いとは?
モカシンシューズで伝統的なデザインを重視するなら、ミネトンカのDouble Bottom Softsoleのような、ハンドメイド感のある薄ソールのデザインが有力候補に入るだろう。しかし、ファッションユースで人気のモカシン縫いが施されたシューズは「ローファー」「デッキシューズ」「ドライビングシューズ」「ワラビー」あたり。以上のモカシン型シューズ4型の違いについて理解を深めることで、自身の理想に近いコーディネートを実現できるだろう。
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人気モカシン型シューズ①「ローファー」
モカシン型のスリッポンで最も人気の型と言っても過言ではない「ローファー」。ローファーとは“怠け者”という意味で、靴紐を結ぶことなく脱ぎ履きできるスリッポン型にデザインされているのが特徴だ。1926年ごろに英国王室や貴族階級の室内靴として誕生したルームシューズが、その利便性とデザインの良さから外履き用途で人気を博し、流行したという歴史をもつ。ちなみに、世界で初めてローファーを作ったシューズブランドとして知られているのはG.H.BASS。野原で使用されるノルウェーのスリッパータイプのモカシンが名前の由来となり1936年に「WEEJUNS(ウィージャンズ)」という名で発売された。モカシンシューズとの大きな違いは、甲に“サドル”と呼ばれる飾りベルトが施されていること。
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人気モカシン型シューズ②「デッキシューズ」
デッキシューズは、元祖とされるスペリートップサイダーのシューズにモカシン縫いが施されているためモカシンシューズと混合して認知されていることが多い。おさえておきたいのは、デッキシューズは元々ヨットやボートなど船の甲板部分である“デッキ”で作業しやすいようソールに工夫が施されたモデル全般を指すため、モカシン縫いが無いデッキシューズも存在する点。そのため、デッキシューズという名称のシンプルなキャンバスアッパーのスニーカータイプも存在する。
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人気モカシン型シューズ③「ドライビングシューズ」
ドライビングシューズは、運転時の利便性を考慮したソールデザインとなっている。アクセルやブレーキを踏む際の安定感を高めるため、ソールをかかと部分まで巻き上げたソール形状は、ドライビングシューズならではの特徴のひとつだ。メンズで定番人気なのはトッズのゴンミーニやグッチのホースビットドライビングシューズ。
人気モカシン型シューズ④「ワラビー」
クラークスがが“第2のデザートブーツ”として売り出したモデル「ワラビー」。元々はクラークス社が買収したドイツのスー(Sioux)社が1964年に生み出した“Grasshopper”というモカシンシューズで、当初はイギリス国内でそのままのモデル名で展開していたが1966年頃グローバル展開するタイミングで「ワラビー」に改名。他にないスクエア型のトゥとクレープソールの組み合わせが魅力で、現在はストリートの洒落者から愛される定番モカシンシューズとしての地位を確立している。
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シックさと軽快さのバランスが絶妙!力の抜けたモカシンの足元が、他のシューズとは一味違うこなれ感を演出
スニーカーよりも大人っぽく、ドレスシューズよりもリラックス感があるモカシンシューズは、カジュアルな大人の着こなしの足元によく似合う。今年の春夏は、タウンからリゾートまでシームレスに活躍するポテンシャルを秘めたモカシンで、コーディネートをアップデートしてみてはいかがだろうか。次の項からは、海外の洒落者の注目コーデをピックアップしながらモカシンシューズの着こなしポイントを紹介していく。
モカシンの着こなしポイント①素足履きやフットカバーの着用で素足を覗かせ、足元に抜け感を作るのが正解
モカシンのスタイリングのポイントは、素足履きやフットカバーの着用で素足を覗かせ、足元に抜け感を作ること。素足を覗かせることでエフォートレスな雰囲気が後押しされ、付与される“こなれ感”もひとしおに。
モカシンの着こなしポイント②スーツやジャケパンのタイドアップスタイルに、肩肘張らないリラックス感を演出
軽快感がありながら、ほど良い品も忘れない絶妙なバランスを誇るモカシンは、カジュアルダウンしたスーツやジャケット着こなしの足元によく似合う。ドレッシーな装いに違和感なくハズしを効かせるなら、モカシンのチョイスがイイ感じだ。
モカシンの着こなしポイント③スニーカーやサンダルが主力となる夏のショーツスタイルの足元を差別化
スニーカーやサンダルが主力となる夏のショーツスタイルの足元を差別化するには、モカシンが有力な一手。タウンはもちろん、ビーチやリゾート、アウトドアにもマッチするモカシンなら、幅広いシーンでコーデの洒落感を底上げしてくれることうけあいだ。数あるシューズの中でモカシンは比較的トップラインが低く、足の露出面積が広くなるため、開放感のある足元を演出したい場合にも使える。
編集部が撮り下ろしたスナップから理想のメンズコーデを探そうモカシンの海外ストリートスナップを一気見!
メンズコーデをもっと見たい方にOTOKOMAEスナップページで「モカシン」の着こなしをチェック!
今回ピックアップしたモカシンの着こなしをはじめとしたスナップは、OTOKOMAEスナップページで公開中だ。ハッシュタグ機能を使えば、ひとつのアイテムにフォーカスしたスナップをまとめてチェックできる。会員登録すれば、お気に入りのスナップや記事を保存できるため、ぜひ活用して欲しい。
OTOKOMAE編集部が推す!おすすめの“モカシン”を紹介!
最後にOTOKOMAE編集部が注目ブランドの展示会や有力セレクトショップでのヒヤリング、主要ファッション都市での定点観測から得た情報を元に、読者にオススメしたいモカシンシューズらしいルックスを備えたシューズを紹介!
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル① MINNETONKAのDouble Bottom Softsole
ミネトンカの伝統的なデザインのメンズモカシン「ダブルボトム ソフトソール」。ネイティブアメリカンが履いていたような袋状のモカシンを彷彿させるアウトソールまでレザーで仕上げたクラシックな見た目に加え、パッドが入ったインソールが足を包み込み快適な履き心地を実現する。とても柔らかいソールに仕上がっているため、室内履きにも最適だ。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル②UGGのUpshaw TS
しなやかなゴートレザーアッパーでローファーのように仕上げたルックスと、スリッパのようなリラックスした履き心地が魅力的なアグのモカシンシューズ「アップショーTS」。ヒール部分を折りたたんでバブーシュとしても着用可能で、2種類あるインソールを入れ替えれば幅広いコーディネートが楽しめる。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル③ Timberland の3-EYE CLASSIC LUG
プレミアムレザーを手縫いで仕上げたボートシューズのアッパーに、イエローブーツにも使われている屈強なラグソールを組み合わせたティーンバーランドの「スリーアイ クラシックラグ」。所謂ボートシューズよりもボリュームがあり、イマドキのワイドパンツ・バギーパンツとのバランスも整えやすいモカシンだ。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル④ CONVERSEのCS MOCCASIN SK OX
アーカイブのモカシンシューズをスケート仕様にアップデートした「コンバーススケートボーディング」スタンダードシリーズのアイテム。ワンカラーで統一された外観は、洗練された大人のストリートスタイルの足元にバツグンの相性を発揮する。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル⑤ ClarksのWALLABEE
言わずと知れたクラークスの定番ワラビー。子供をお腹の袋に入れて大事に育てるカンガルーの小型有袋類ワラビーから命名され、足を優しく包み込むような優しい履き心地を実現している。ソールにはブランドの象徴であるクレープソールを採用。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル⑥CamperのPeu Circuit
スペイン発のコンテンポラリーシューズブランドが展開するモカシンは、ポップなカラーリングのパーツがかかとに配された遊び心を感じる仕上がり。レザーを贅沢に使用しながら、2024年5月時点では2万円台で購入可能という価格設定なのも嬉しい。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル⑦ParabootのMALO
Parabootの定番モカシンシューズとして知られる「BARTH」をベースにラグソールを採用したモデルが「MALO」。今回ピックアップしたのは、ユナイテッドアローズの別注によるスエード素材のアッパーが優しげなムードを醸す一足。ボリュームのあるソールはスタイリングのバランスを取りやすく、あらゆるカジュアルスタイルにフィットすることうけあいだ。
モカシンを展開するブランドのおすすめモデル⑧ EMU AustraliaのCairns ファースリッポン
レディースからの支持もされるエミュ オーストラリアの人気定番モカシンも見逃せない。表は上質なスエードを、内側は厳選した柔らかシープスキンを張り合わせており、素足でも快適に履ける仕上がりとなっている。