ウールのテーラードジャケットは、カチッとしたキレイめスタイルを作れるメンズの逸品。ドレススタイルはもちろんカジュアルコーデを大人顔へと格上げするにも最適で、生地のテクスチャーにより高級感や季節感を演出し、化繊やコットン、リネン素材のジャケットでは得難い品格やクラシックな雰囲気を醸すにも高いポテンシャルを発揮する。今回はそんな「ウールジャケット」にフォーカスし、その魅力と選び方、参考となるメンズコーデを紹介!
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ウールジャケットは大人の秋冬コーデの鉄板!
ウールのテーラードジャケットの魅力は、保温性が高くその質感にはクラシックな雰囲気と品格があり、ポリエステルなど化学繊維やコットン、リネン素材のジャケットでは得難い高級感や表情豊かな大人らしい洒落感を演出できるということ。さらに、生地の織りや柄の選択肢が幅広く、チョイス次第で季節感を演出したり、コーデに立体感をプラスするにも絶好だ。もちろん羊毛の繊維を主な素材としているが、カシミア、アンゴラ、アルパカやキャメルなど獣毛との混紡素材も存在し、それらのウールジャケットは上質で肌触りも良く秋冬コーデを差別化するにも有力な選択肢となるだろう。
ウールジャケットの鉄板生地を種類別に紹介!
ジャケットに使われるウール生地の種類は様々だ。ここでは、なかでも定番的な生地をピックアップ!
ウールジャケットの鉄板生地①「フランネル」
平織りまたは綾織りのウール生地を縮絨(シュクジュウ)して起毛加工したフランネル(flannel)。一般的には「フラノ(flano)」の名称で親しまれ、暖かくふんわりとした柔らかい肌触りが特徴で秋冬らしい季節感のあるスタイリングに最適だ。
ウールジャケットの鉄板生地②「ツイード」
ツイード(tweed)とは、手で紡いだ太い羊毛を平織りまたは綾織りで織り起毛をせずに仕上げた生地の総称。羊毛を使用しているため保温と保湿性が高く、防寒性にも優れている。テクスチャーの表情に個性があ李、レトロな雰囲気を演出したり、クラシックなムードを醸すにもうってつけだ。
ウールジャケットの鉄板生地③「サキソニー」
最高級のメリノウールを縮絨して起毛加工となめらかな光沢を出す加工を加えた綾織りの生地がサキソニー(saxony)だ。薄手で軽く、柔らかな手触りで、艶やかな高級感のある表情を備えている。フォーマルな装い向き生地にも頻繁に使用される生地のひとつだ。ちなみに「サキソニー」の名称は、ドイツのサキソニー地方で作られていた生地に由来している。
ウールジャケットの鉄板生地④「ホップサック」
ざっくりとした平織りによって生まれるさらりとしたタッチから、サマージャケットだけでなくロングシーズン使えるウールジャケットなどでも多く採用されるホップサック。ビールの苦味をつけるホップを収穫する麻袋と同じ織り方から由来している。
ウールジャケット選びの注意点は?
大人がウールジャケットを初めて選ぶ際は、素材の品質と着回しやすく飽きのこないシンプルなスタイルにこだわることが重要だ。ソリッドな無地であろうとクラシカルな柄であろうと様々な着こなしにフィットし、幅広いシルエットのボトムスとの合わせがスマートにキマるアイテムであることが望ましい。もちろんジャストサイズのアイテムを選ぶことは言わずもがなだが、昔から“スーツのジャケットは肩で着る”との言葉があるよう、良い按配に肩が収まりショルダーラインがキレイに見えるアイテムを選ぶこともお忘れなく。
ウールジャケットを使ったメンズコーデ事例
まず取り入れるなら王道の組み合わせ!ネイビー無地のウールジャケット×グレースラックスの着こなし
ウールジャケットの中でもオーソドックスな位置付けにあるネイビーの無地。そんな鉄板デザインとバツグンの相性を発揮するのがグレースラックスだ。この名コンビはトレンドによってシルエットや仕立ての微妙な違いこそあるものの、ドレスファッション界を牽引する歴代の洒落者たちから愛され続けており、今後も廃れることはないだろう。だからこそ、まずウールジャケットの着こなしを楽しむなら必ずマスターしておきたい。オーソドックスなスタイルであるため、足元は黒や茶の革靴はもちろんキレイめスニーカーの合わせも馴染みやすい。
ウールジャケットの着こなしに慣れてきたら次に挑戦したい柄モノ。モノトーンがお洒落で使いやすい
オーセンティックな無地ウールジャケットの着こなしに慣れてきたら、次に挑戦したくなるのが柄モノのジャケット。都会的でシックな大人の雰囲気にスタイリングをまとめたいとお考えならモノトーンの柄ジャケットに注目するのがおすすめだ。洒落者が多く取り入れているのは、グレンチェックや下のスナップのようなハウンドトゥース柄。ご覧の通りグレースラックスとの相性が良く、精悍な印象をキープしながらコーディネートを華やかに演出してくれる。さりげなくネクタイやチーフで部分的にブラウンやグリーンを入れるなど、ちょっぴり色で遊んで着こなしバリエーションの幅を広げやすいのも魅力のひとつ。
TAGLIATORE(タリアトーレ) ウールジャケット
構築的な仕立てのウールジャケットはゆったり着こなすとモードなカジュアルスタイルに!
肩パッドや胸増し芯といった芯地をふんだんに取り入れることで、身体を補正するような構築感のあるシルエットを演出する英国調仕立てのウールジャケット。ジャストサイズなら正統派のジャケット着こなしに、ちょっぴりサイズアップしたゆとりのあるフィッティングにチェンジするとこなれたパリの雰囲気ただようモードカジュアルな印象にコーディネートが仕上がる傾向がある。セミオーバーサイズで着こなすドレススタイルは難易度こそ高いものの、成功すれば他とは一線を画する洒脱なムードを演出できるため、ジャケット着こなしに慣れて次なるスタイルを追求したいと考えている方はぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。
AMI Paris(アミ パリ) シングルジャケット
ツイードのグレーウールジャケットと黒タートルネックニット、黒スラックスのジャケパンでベージュのチェスターコートスタイルにクールさをプラス
襟を立てこなれ感を演出したベージュのチェスターコートに、ツイードのグレーウールジャケットと黒のタートルネックニット、黒スラックスで構築したモノトーンの軸でクールさをプラス。ニットの下にインした白Tシャツの裾をわずかに覗かせ、程よくキメ感を抑制している。白Tシャツのチラ見せがあざとく感じないのは、グレーウールジャケットのツイード生地の白と同調させているから。
MAESTRAMI (マエストラミ) ウールジャケット
ネイビーのウールジャケットとタートルネックニットの色を馴染ませメンズコーデに凛々しさとマイルドな雰囲気を両得
金ボタンをアクセントにしたネイビーのウールジャケットとタートルネックニットを同色で馴染ませ、トラッドなジャケパンスタイルに凛々しさとマイルドな雰囲気を両得。ワイドレッグのベージュパンツの裾をくるぶし上までロールアップしてブラウンローファーと白ソックスのナードな足元を強調しながら、浅く被ったベージュのバケットハットでほっこり感のあるスタイルに。これくらいの生地感のウールジャケットなら、秋冬から春先までと長いスパンでの着回しが楽しめることうけあいだ。
TITO ALLEGRETTO(ティト アレグレット) ヴァージンウール ホップサック ゴールドメタルボタン ダブル6Bジャケット
ネイビーのウールジャケットと白パンツでメンズのジャケパンコーデをキレイめかつ爽やかに表現
ピッティスナップの常連として知られるマルコ・ザンバルド氏は、ネイビーのダブルウールジャケットをチョイスし、ネイビーのタートルネックニットにストレートレッグの白パンツ、黒のペニーローファーをコーディネート。ネイビーと白のコントラストを効かせつつ、大人メンズのジャケパンコーデをキレイめかつ爽やかなルックスに。自身が手掛けるMZ Archive(エンメ・ゼータ・アルキーヴェ)のフィールドジャケットを脇に抱え、武骨さの演出の準備も抜かり無し。
Lardini(ラルディーニ) ウールジャケット
チェック柄の主張が控えめなネイビーのダブルウールジャケットにオリーブグリーンのパーカと白タートルネックを組み合わせ男らしさとクリーンな印象を両立
PARAJUMPERS(パラジャンパーズ)の’Kodiak’ジャケットと白のタートルネックセーターを、チェック柄の主張が控えめなネイビーのダブルウールジャケットに組み合わせ。裾をカットオフした無地のネイビーパンツで上半身のムードに同調させ、男らしさとクリーンな印象を両立させた着こなしに。あくまでもさりげなくウールジャケットのチェック柄とアウターの色味をリンクさせ、毛色の異なるアイテムを違和感なく馴染ませている。
TOMMY HILFIGER(トミーヒルフィガー) ウールジャケット
ネイビーのダブルウールジャケットにチェック柄グレースラックスを組み合わせタイドアップスタイルにヒネリをプラス
ネイビーのダブルウールジャケットにドット柄のネクタイを締めたサックスブルーのカッタウェイシャツ、細かなチェック柄のグレースラックスを合わせたジャケパンスタイル。無地のウールジャケットに柄アイテムを合わせることで、良い按配にヒネリを効かせた着こなしに。新鮮味をプラスしたキルトローファーの足元も見逃せない。
CARUSO(カルーゾ) ウールジャケット
グレーのチェック柄ウールジャケットに黒でまとめたコーデの軸を対比させメリハリを効かせたメンズコーデ
黒のクルーネックセーターと黒スラックスでコーデの軸を構築し、グレーのチェック柄ウールジャケットに対比させたコチラの御仁。ウールジャケットの色味に同調させたグレーのニット帽とローカットスニーカーをセットして、グレーと黒のコントラストを効かせている。2色のメリハリを際立って見えるのは、色数の少ないチェック柄ウールジャケットを選んでいるから。