セレクトショップや百貨店でも見る機会の多いスペインの革靴ブランド、カルミナ(CARMINA)。見た目のエレガントさはもちろん、堅牢な製法で英国靴やイタリア靴のお株を奪うほどの人気を誇っている。今回は、スペインの名門「カルミナ」にフォーカスして、その革靴の魅力と定番モデルを紹介!
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カルミナは徹底した品質至上主義を貫くスペインのシューズブランド
クオリティ重視の靴作りで高い評価を集める革靴ブランド、カルミナ。創業者は靴職人の一族に生まれ、かつてヤンコを率いてスペイン靴を現在の価値にまで高めた男。最高の革靴を作るという志のもと、徹底した品質至上主義でブランド始動から10数年のあいだにトップブランドの仲間入りを果たした。その製作工程は気が遠くなるほど丁寧で、クラシックシューズの本場である英国靴のグッドイヤーウェルト製法を超えるレベルとも称される。丈夫な作りはもちろん、豊富なラストから成形されるエレガントな造形美で多くの紳士を虜にしている。
カルミナは150年以上もの深い歴史を持つ
カルミナの起源となる靴職人の一族
カルミナの始まりは1866年。150年以上という英国の老舗ブランドよりも長い歴史を持つこのブランドは、マティアス・プハーダス(Matías Pujadas)氏がスペイン・マヨルカ島のインカに開いた小さな工房が始まり。主にオーダーメイドの靴を手がけ、その技術を自分の子供たちへと伝えていた。1905年には息子のマテオ・プハーダス(Mateo Pujadas)氏が跡を継ぎ、当時最新技術だった器械による靴製造を導入。バレアレス諸島では初となる、グッドイヤーウェルト製法を扱う工場を開設した。
スペインブランド「ヤンコ」で成功を収めた男がカルミナを創設
19世紀から靴製造を行ってきたカルミナだが、20世紀中ごろまでは「Sanson’s」というブランドを運営していた。6世代にも渡る一族経営の中で、特に稀代の才能を持っていたのが創始者の曾孫にあたるホセ・アルバラデホ・プハーダス(Jose Albaladejo Pujadas)氏。彼は幼少期から靴作りに携わり、その後フィレンツェに渡り修行。1961年に、スペインで最大の革靴ブランドのひとつとなるヤンコ(Yanko)を設立した。翌1962年には象徴的な作品カステッラーノローファー(Castellano Loafer)を発表。1980年代には革靴の生産数が100万足を超える成功を収める。これによって、ホセ・アルバラデホ氏はスペイン靴の市場価値を飛躍的に高めた人物とまで称されることとなった。
順風満帆だったヤンコだが、90年代に入りブランドの経営方針で内部分裂。ホセ・アルバラデホ氏は”より高いクオリティの靴を作る”という目標を掲げ、60歳にして新ブランドを設立することを決意する。そして1997年、彼は妻や息子とともに新ビジネスをスタート。自身の名と最愛の妻の名を冠したブランド「カルミナ・アルバラデホ・シューメーカー(Carmina Albaladejo Shoemaker)」を創業した。のちに「カルミナ・シューメーカー」と名を改めたこのブランドは、最初に掲げた理念どおり世界最高のクオリティを誇る革靴で、瞬く間に注目を集める。1998年に、マドリードに最初のフラッグシップショップをオープン。2003年にはパリ店をオープンし、これを皮切りに国際市場へと進出。2012年にサンクトペテルブルク、2015年にはシンガポールにも専門店をオープンした。現在ではスペインだけで7店舗、国外4店舗を構え、アメリカや日本の百貨店にも常連として並ぶ一大ブランドとして今なお世界を魅了している。
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