今ではすっかり革靴の定番として定着しているローファー。その全ての歴史は「G.H.BASS(ジーエイチバス)」が手がけた1足のウィージャンズから始まった。このブランドのローファーは、あのマイケル・ジャクソンが愛用したことでも知られている。今回はそんな「G.H.BASS」にフォーカスし、その魅力を紹介!
世界で初めてローファーを作ったアメリカの老舗シューズブランド「G.H.BASS(ジーエイチバス)」
G.H.BASSは世界で初めてローファーを作ったアメリカの老舗シューズブランド。1876年にメイン州ウィルトン市にて、ジョージ・ヘンリー・バス(George Henry Bass)氏によって設立された。靴屋で働いていたバス氏は、当時の労働者のシューズやアウトドアシューズに疑問を持ち自らで靴を作ることを決意。地方のいち工場を所有していたE.P.Packard&Co.の株を買ったことがきっかけで、靴作りをスタートした。のちにオーナーとなり、社名を自身の名前から取ってG.H.BASSへと改名している。彼のミッションはいたってシンプルで「目的にあう最高の靴をつくろう」というのが創業以来ブランドが掲げる哲学だ。
G.H.BASSといえばどうしてもローファーのイメージばかりが先行してしまうが、アウトドアやミリタリー向けにタフなシューズを手がけていたことでも知られているブランド。20世紀初頭には、南極探検に向かう部隊がG.H.BASSのシューズを履いていたとされている。1910年、キャンプやアウトドアを楽しむ人のためにスタンダードモカシンの「Rangeley」を開発。1918年には、航空モカシンスタイル773としてUSアーミーのオフィシャル航空ブーツを手がけた。こちらは高地使用のためにデザインされ、極寒にも耐えられる仕様になっている。
1936年、この年にはじめて「Weejuns」が作られ、ブランドを代表するモデルとして長きにわたり愛用されることに。第一次世界大戦では、アメリカ軍のパイロットブーツとして「Bass Aviation Boots」が正式に採用。第二次世界大戦中には、USアーミーに防寒用ブーツを支給している。また、飛行士のチャールズ・リンドバーグ氏が史上初の大西洋横断単独無着陸飛行を成功させたときも、G.H.BASSのブーツを着用していた。
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