
昨今、人気を集めているキーワード「アスレジャー」。ノームコアにつづくネクストブームとして、米国を中心に有力トレンドになっている。今回は”アスレジャー”にフォーカスしてその背景と着こなしを紹介!
アスレジャーとは?
アスレチック(運動競技)とレジャー(余暇)を組み合わせた造語。(athletic+leisure=athleisure)休日にジムでエクササイズするようなスポーツウェアを中心に構築されたファッションスタイルを指す。2000年の初めにヨガブランドである「ルルレモン」が発信したスタイルが原点と言われている。その後ナイキやアディダスといった大手スポーツブランド勢だけではなく、アパレルブランドが参入するホットな市場へと成長。
米の有力経済誌ウォールストリートジャーナルでも、アスレジャー市場の成長と背景について指摘されている。参考:Are You Going to the Gym, or Do You Just Dress That Way?

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スニーカーやジョガーパンツ、スウェットパンツをはじめ、ヨガパンツ、レギンスなどがアスレジャーを構成する有力アイテム。また、従来のノームコアやスポーツミックスよりも、よりスポーツテイストが強いことが特徴だ。
もともとは、アメリカのレディースファッションから火がついたトレンドだが、すでに欧米ではメンズファッションにおいても広がりをみせている。
アスレジャーが人々に支持される理由とは?
アスレジャーの流行は、ノームコアと同じく「いきすぎたファッションへの疲れや飽き(女性においてはハイヒール疲れ)」という世の風潮を反映したものだと言われている。従来であれば「ジムにはジム用のトレーニングウェア」「街着には流行を反映した服」といったTPOに応じた着こなしが当たり前であったが、「ジムでも街着でも対応できる」シーンレス・TPOレスな着こなしへの移行が確実に進行している。世界的な流れである「華美な見た目よりも着心地の良さや動きやすさを重視するエフォートレスな着こなし」への志向は、まさにアスレジャーそのもの。ライフスタイルが洗練される中で、健康への関心が高まっていることもブームを後押している原因の一つだ。
アスレジャーのメンズ着こなし事例ピックアップ!
アスレジャースタイルを随所に取り入れた注目の着こなしをピックアップ!
アスレジャー×レザージャケットスタイル
ジャージーパンツやスニーカーを合わせたスポーツテイスト溢れるボトムに対して、トップにはアウターとしてレザージャケットを羽織ったメリハリのあるスタイリング。スポーツウェアとレザージャケットのような革製品がミックスされたスタイリングはアスレジャースタイルならでは。
NIKE(ナイキ) テックTHERMA-FIT
画期的な撥水素材とボディラインに沿うような立体的な縫製が魅力的なテックパンツ。完全スポーツ仕様のアイテムをあえて普段の着こなしに合わせることでより洗練されたアスレジャースタイルを表現できる。
アスレジャー×スウェットパンツコーデ
タイトなサイズ感のアイテムチョイスが洗練された雰囲気を演出するコーディネート。随所にブルーとレッド系のアイテムを散りばめてコントラストを効かせたスタイリングがポップな印象をプラス。
DALUC(ダルク) 4.3oz 3/4スリーブTシャツ
常に変化するトレンドや質の良さを見極め、至極ベーシックなカットソーアイテムを展開する「DALUC(ダルク)」。化繊ミックス素材を採用することによって、着回し力を向上させた7分丈のラグランスリーブカットソー。絶妙なグラデーションや袖の丈感が着こなしにこなれた雰囲気を演出してくれる。
N.HOOLYWOOD(エヌハリウッド) 53 pieces SWEAT PANTS
「必要最低限のアウターとして着るアンダーウエア」をテーマに、N.HOOLYWOOD がブランドスタート当時から大事に作り続けているUNDER WEARシリーズ。生地が持つ柔かいボリュームを生かしながら、若干のテーパードをかけて、スリムなシルエットに仕上げたスウェットパンツ。バックポケットに、N.HOOLYWOODのネームを施してアクセントをプラス。
アスレジャー×セットアップスタイル
セットアップスタイルに他アイテムを一つプラスするスタイリングはアスレジャースタイルの鉄板だ。同じブラック系のアイテムながらアウターには武骨なレザージャケットをチョイスすることでラギッドな雰囲気漂うアスレジャースタイルが完成。
DIESEL(ディーゼル) メンズ ラムスキン レザージャケット L-GIBSON-1 JACKET
上質なカジュアルウェアを展開しているブランド「DIESEL(ディーゼル)」。ラムスキンを使用したダブルライダースジャケット。袖にはさりげなくディーゼルのアイコニックデザインロゴをプラス。
アスレジャー×ジャージースタイル
FILAのセットアップを使用したコーディネート。アスレジャースタイルに振り切って、スポーツテイスト溢れるコーディネートに仕上げるのもアリだ。アンクル丈のパンツをチョイスするなど、さりげなくトレンドも取り入れていきたい。
アスレジャー×トレーナー×ジャージーパンツコーデ
インパクトのあるプリントが施されたホワイトトレーナーに、ジャージー素材のリブパンツを合わせたスポーティな印象のコーディネート。足元にチョイスしたリーボックのポンプフューリーは、スポーツスタイルとの相性◎。
SOLIDO(ソリード) ANTIMONIO
2010年春夏スタートのパンツ専業ブランド「SOLIDO(ソリード)」。超ドヅメ天竺素材を使用したリブパンツ。目の詰まった生地感は天竺素材とは思えないほどの光沢感を演出。
アスレジャー×モノトーンコーデ
頭のてっぺんからつま先まで、モノトーンでまとめた着こなし。リブ仕様のスウェットパンツがスポーティーなイメージを演出。モノトーンアイテムの統一によってモードな雰囲気を演出すると、洗練されたアスレジャースタイルが完成しやすい。
Pantofola d’Oro(パントフォラ ドーロ) レザースニーカー
1886年イタリア中部のアスコリにて創業以来、ユベントスなどイタリアの名門サッカークラブへのスパイク供給を手がけてきたパントフォラ・ドーロからクリーン&ラグジュアリーなブラックレザースニーカーをピックアップ。スポーツスタイルはもちろん、ドレスミックススタイルでも活躍を期待できる。
アスレジャー×ジャケパンスタイル
ジップポケットや異素材切り替えのデザインがスポーツテイストを加速させるテーラードジャケットにスウェットパンツを合わせて。シャツをインナーに着込んで品のある印象をキープ。
アスレジャー×ジャージーパンツスタイル
武骨な雰囲気漂うライダースジャケットにジャージーパンツを合わせて素材感にメリハリをもたせたスタイリング。アンクル丈の足元にはアディダスのスーパースターを合わせてストリートテイストをプラス。
entre amis(アントレアミ) イージーパンツ
イタリア、ナポリ発のパンツ専業ブランド「entre amis(アントレアミ)」。サルエル調のイージーパンツだが、素材にフォーマル寄りなウール素材を採用することでラフすぎる印象を回避。
アスレジャー×パーカー×ホワイトジーンズコーデ
パーカーとインナーの色味を合わせて統一感を演出したコーディネート。ボトムにリップ加工が施されたホワイトジーンズを着込んで抜け感を演出。足元には、スエードのダブルモンクストラップをチョイスして締りのある印象に。
[sn] super.natural(エスエヌ・スーパーナチュラル) ジップパーカー
2012年スイスで誕生したブランド「[sn] super.natural(エスエヌ・スーパーナチュラル)」。スポーツウェアの機能性とファッションのクロスオーバーをコンセプトに、ハイブリッドなウェアを展開している。絶妙な光沢感がスポーツテイストを漂わせるベーシックパーカー。
DIESEL(ディーゼル) T-COURT T-SHIRT
ディーゼルの定番アイテムとして人気を集めているT-COURTモデル。程よいネックの深さやスラブ調の生地感が幅広いスタイリングに絶妙にフィット。
アスレジャー×セットアップスタイル
ブラックスウェットをセットアップで着たワイルドな雰囲気漂うスタイリング。輩な印象を回避するために細すぎず、太すぎない適切なサイズ選びを心掛けたい。
HYDROGEN(ハイドロゲン) ジップアップパーカー
1歩先を行く燃料(=水素)という意味でネーミングされた「HYDROGEN(ハイドロゲン)」。メイドインイタリーのラグジュアリーな雰囲気漂うジップアップスウェットパーカー。
HYDROGEN(ハイドロゲン)BIKER スウェットパンツ
蛇腹の切り替えが施されたバイカータイプのスウェットパンツ。
アスレジャー×チェスターコートコーデ
ベースボールキャップやスウェットパンツのチョイスが軽快な雰囲気を演出するアスレジャースタイル。テイストの異なるチェスターコートを羽織ることで品のある印象をキープ。
アスレジャー×レギンススタイル
男性には馴染みの浅いレギンスだが、アスレジャーの着こなしを強く印象つけるアイテムとしておさえておきたい。同系色のショートパンツとあわせてランナーライクにまとめて。
NIKE(ナイキ) ショートパンツ
軽い着心地と速乾性に優れたナイキのショートパンツ。レギンスと組み合わせてアスレジャースタイルに取り入れたい。
NIKE(ナイキ) NP ハイパークール コンプレッション タイツ
同じブランドでボトムを統一するのは有力な選択肢だ。スポーツウェアブランドなら、人体構造を考慮した立体的なパターンで快適な着心地のアイテムも多い。
アスレジャー×モノトーンスタイル
トレーニングウェアと思わせないのがポイント。ダークトーンやモノトーンでまとめるのが正攻法だ。またトップスのデザインにこだわると効果大。非・スポーツブランド、例えばモードブランドのアイテムを一点取り入れてみるだけでも印象は大きく変わってくる。
アスレジャー×セットアップコーデ
アスレジャーを強く押し出すには、スウェットセットアップが有効。ただし顔立ちやヘアスタイル、体型によっては部屋着チック・ヤンキーチックになってしまう危険性がある。下の着こなしのように、あえてテイストが真逆であるチェスターコートを組み合わせることでメリハリを表現すればこなれ感を演出できる。
NIKE(ナイキ) テック フリース
ナイキの定番シリーズであるテックフリースのトレーナー。
NIKE(ナイキ) テック フリース
ニーパネルの切り替えが機能性を向上させるテックフリース生地のジョガーパンツ。
アスレジャー×ジョガーパンツスタイル
スウェットパンツやジョガーパンツ、オーソドックスなデザインも良いが、良くも悪くも世に浸透しているのが今の現状だ。腰から足元へのホワイト切り替えやホワイトのひもが目をひくボトムで一歩リード。
HYDROGEN サイドライン スウェットパンツ
1歩先を行く燃料(=水素)という意味でネーミングされた「(HYDROGEN)ハイドロゲン」。高級スポーツ系カジュアルブランドとして独自の路線を進んでいる。サイドにラインが入ったスポーツテイスト溢れるジョガーパンツ。
アスレジャー×ドレスミックススタイル
ニューヨークファッションウィーク、OVADIA & SONSのコレクション。ハウンドトゥース柄のスーツにナイロンのウィンドブレーカーを合わせて。ソフトに取り入れるなら「ドレスxスポーツ」のミックスアップが好ましい。
アスレジャー着こなしにおすすめのメンズファッションアイテム
「デザイン性溢れるスウェットシャツ」
アレキサンダーワンのスウェットシャツ。脇まわりのドレープや裾の前後の丈感の違いがアスレジャーにモード感を加えてくれそう。
「脱・定番ジョガーパンツ」
ユニクロのジョガーパンツも良いが、ジョガーパンツ単体にこだわることで一歩先を行くアスレジャースタイルに。例えばジョガーパンツ流行の火付け役と言われるパブリッシュのジョガーパンツなら、デザイン性や一味ちがう光沢素材などで一歩リードできるだろう。
「定番からハイデザインまで揃うスポーツブランドのジョガーパンツ」
ジョガーパンツ、スウェットパンツの定番といえばナイキのテックフリース。毎年デザインが微妙に変化していくのですでに持っている人もナイキショップをのぞいてみてはいかがだろうか。
ナイキ以上にファッションに対して積極的なアディナスの日本未入荷モデルなども有力な選択肢ではないだろうか。
「レギンスxショートパンツに挑戦!」
アスレジャーらしさを強く演出するなら「レギンスxショートパンツ」。初挑戦なら同系色・同じトーンが組み合わせやすいだろう。
ショートパンツは膝上が基本。また、スポーツブランドの場合は、ロゴの大きさや位置がポイントだ。レギンスの場合には高い位置にロゴがあればショートパンツでロゴを隠すことも可能。
ランニングスニーカー
アスレジャーの足元には、ランニングスニーカーがベストマッチ。定番のテニスシューズのスタンスミスなども良いが、これから購入するならナイキのローシシリーズやハラチシリーズ、プレミア価格だがアディダスのYeezy Boost 350など、ほどよくハイテク感・未来感のあるモデルも有力な選択肢になるだろう。関連ページ:メンズ スニーカー ランキング【2017最新】