
髪を立ち上げる、束感を強く出す、オールバックに固める。そんな作り込んだヘアセットとは異なるのが、素に近いナチュラルなヘアスタイルだ。ただし、何もつけないことがナチュラルとは限らない。ヘアバーム、ヘアオイル、ヘアクリームなど、髪を固めず質感を整えるアイテムを使うことで、自然にまとめた気張らないヘアスタイルが完成する。
スポンサーリンク
ナチュラルヘアとは?必要なのはセット力ではなく質感出し
ナチュラルヘアとは、何もしていない髪型のことではない。正確には、“スタイリングしている感”が出過ぎていない、自然にセットした髪型のことだ。そのために必要なのは、強いセット力ではなく質感補正。メンズヘアで清潔感を左右するのは、髪型の形だけではない。髪表面のツヤや自然な毛流れ、毛先のまとまりまでを含めて印象が決まる。特にナチュラルな髪型は、スタイリング剤でシルエットを作り込まないぶん、髪そのもののコンディションが見えやすい。何もつけない素髪が乾いて広がっていると、ラフではなく手入れ不足に映ることもある。
だからこそ、ナチュラルヘアでは「どれだけ髪を動かせるか」よりも、「どれだけ素に近いまま印象を整えられるか」が重要になる。そんなヘアスタイルでヘアバームやヘアオイル、ヘアクリームが適しているのは、髪を固めるためではなく髪の質感を自然に底上げできるからだ。
目指す髪型別に使い分け!ナチュラルヘアに適したスタイリング剤の種類
ナチュラルヘア向けのスタイリング剤は、大きく分けるとヘアバーム、ヘアオイル、ヘアクリームの3種類に整理できる。いずれもハードワックスやジェルのように髪を強く固定するものではなく、髪のまとまり、ツヤ、毛流れ、軽い動きを出すための選択肢だ。どれを選ぶかは、髪質、毛量、求めるツヤ感、スタイルの長さで変わる。
種類1自然なまとまりと控えめなツヤを出しやすいヘアバーム
ヘアバームは、油分をベースにした半固形タイプのスタイリング剤。手のひらで温めると柔らかく溶け、髪表面に薄い膜を作るようになじむ。ワックスほど髪を固めず、オイルほど流れすぎないため、ナチュラルヘアとの相性が高い。特に向いているのは、剛毛、多毛、くせ毛、パーマ毛、乾燥しやすい髪。髪が広がりやすい、毛先が浮きやすい、パーマの質感がパサついて見えるといった悩みに対して、バームの油分と重さが自然な収まりを与えてくれる。センターパート、マッシュ、ミディアム、ニュアンスパーマのように、毛流れとまとまりを見せたい髪型にも使いやすい。
一方で、軟毛や細毛にはやや重く出ることがある。根元までつけるとトップが潰れ、清潔感ではなく皮脂っぽさに見えるため注意したい。使う場合は、米粒から小豆粒程度を手のひらでしっかり溶かし、毛先中心に薄くなじませる。ナチュラルに仕上げるなら、つけた直後にツヤが強く見える量は多すぎると考えたい。
種類2ツヤ出しに適したヘアオイル
ヘアオイルは、セット力よりもツヤ、まとまり、指通りを整える役割が強い。髪を動かすというより、乾燥によるパサつきや広がりを抑え、髪のコンディションを良く見せるためのアイテムだ。ナチュラルヘアにおいては、スタイリング剤というより質感の補正剤として捉えると分かりやすい。向いているのは、乾燥毛、くせ毛、パーマ毛、ブリーチ毛、毛先が広がりやすい髪。毛先のチリつきやパサつきが目立つ髪に少量使うと、光の反射が整い、疲れた印象を抑えられる。パーマヘアではカールの輪郭を自然に見せやすく、ミディアム以上の長さでは毛先の収まりも出しやすい。
ただし、ヘアオイルは量を誤ると一気に重く見える。とくに軟毛や細毛は、1滴でも多く感じる場合があるため、手のひらに薄く広げてから毛先だけに使うのが基本だ。前髪や根元につけすぎると、ツヤではなくベタつきに見える。濡れ髪風に寄せたいなら量を増やす選択もあるが、素髪風のナチュラルヘアを狙うなら、光がほんのり乗る程度にとどめたい。
種類3柔らかい毛流れとしっとり感を作りやすいヘアクリーム
ヘアクリームは、バームより軽く、オイルより扱いやすいものが多い。髪を固めずに毛流れを整えたい人、スタイリング剤特有の重さやベタつきが苦手な人に向く。ツヤを強く出すというより、髪に柔らかさと保湿感を足し、自然なまとまりを作るタイプだ。向いているのは、普通毛、軟毛、細毛、軽いくせ毛、自然な毛流れを出したい髪。ショートからミディアムまで対応しやすく、ビジネスシーンでも使いやすい。スタイリング剤をつけた感を出したくないが、何もつけないと髪が乾いて見えるという人には、最初の選択肢になりやすい。
一方で、剛毛や多毛で広がりが強い場合は、ヘアクリームだけでは収まりが足りないこともある。その場合は、より油分と重さのあるヘアバームやヘアオイルを候補に入れたい。ヘアクリームは、髪を大きく変えるものではなく、素髪の質感を少し上品に見せるもの。ナチュラルヘアの考え方と最も近いカテゴリーのひとつと言える。
ナチュラルヘアの作り方は?自然な髪型に仕上げる使い方の基本
ナチュラルヘアのスタイリングで最も避けたいのは、つけすぎによるベタつきと、つける位置の失敗だ。ヘアバーム、ヘアオイル、ヘアクリームはいずれも、少量を均一に広げて使うことで本来の良さが出る。髪を変形させるのではなく、髪の不要な乱れだけを抑える意識で扱いたい。
セットの基本1つける量は少なめから始める
ナチュラルヘアでは、足りなければ足す、つけすぎたら戻しにくいという考え方が基本になる。バームなら米粒から小豆粒程度、オイルなら1滴前後、ヘアクリームも少量から始めるのが安全だ。最初から多くつけると、自然なツヤではなくベタつきに見えやすい。特にメンズの場合、短い髪ほど使用量の影響が大きく出る。髪の長さが短いほど、少量でも根元や前髪に回りやすい。まずは手に取った量の半分程度を毛先になじませ、足りない部分だけ追加する。仕上がりを鏡で見たときに「少し物足りない」くらいで止めた方が、自然に見えることが多い。
セットの基本2根元ではなく毛先と中間になじませる
油分やクリームを根元につけると、トップが潰れたり、皮脂っぽく見えたりしやすい。自然な仕上がりを狙うなら、毛先、中間、表面の浮き毛の順に薄くなじませる。前髪は手に残った分だけで十分だ。とくにヘアバームやヘアオイルは、髪の根元ではなく毛先の質感を整えるために使う。根元はドライヤーで軽さを残し、毛先だけスタイリング剤で収める。この差を作ると、髪全体が重くならず、自然な立体感を保てる。センターパートやマッシュでも、根元まで油分を入れない方が顔まわりに清潔感が出やすい。
セットの基本3手のひら全体に薄く伸ばしてから髪に触る
バーム、オイル、クリームはいずれも、一点に固まるとムラ、ベタつき、テカりの原因になる。指先だけで髪に触るのではなく、手のひら全体と指の間まで薄く伸ばしてからなじませたい。とくにバームは、固まりが残ったまま髪につけると部分的に重く見える。髪に触れる前の準備が、仕上がりの自然さを左右する。手のひらで透明になるまで伸ばし、指の腹にも薄く行き渡らせる。そこから毛先を軽く握る、サイドをなでる、表面の浮き毛を抑えるという順番で整えると、スタイリング剤の存在感が出にくい。
セットの基本4最後はコームではなく手ぐしで整える
ナチュラルヘアは、整いすぎると不自然に見える。コームで面を作るより、手ぐしで毛流れを整える方が自然なニュアンスが残りやすい。センターパート、マッシュ、ニュアンスパーマでも、最後は指で軽く整える程度がちょうど良い。コームを使うと、毛流れが均一になり、オールバックやクラシックな七三のような印象に寄りやすい。もちろん面をきれいに見せたい髪型では有効だが、素髪風の自然さを狙うなら、指の跡がわずかに残るくらいが良い。最後に前髪、サイド、襟足の浮きを軽く抑え、全体を作り込みすぎないところで止めるのがコツだ。
効率的かつ効果的な落とし方バームやオイルを使った日はシャンプー前の予洗いが重要
ナチュラルヘア向けのスタイリング剤は、髪を固める力が弱い一方で、油分によって質感を整えるものが多い。ヘアバームやヘアオイルはその代表格で、適量なら自然なツヤやまとまりにつながるが、髪や頭皮に残ると翌日の重さ、根元の潰れ、ニオイ、不快感の原因になりやすい。だからこそ、使った日は落とし方まで含めて考えたい。まず大切なのは、シャンプー前の予洗いだ。いきなりシャンプーをつけるのではなく、ぬるま湯で髪と頭皮をしっかりすすぎ、スタイリング剤、皮脂、汗、ほこりを浮かせる。油分系のスタイリング剤を使った日は、ここを短く済ませると泡立ちが悪くなり、結果的に髪をこすりすぎる原因にもなる。
泡立ちが悪い日は、二度洗いも選択肢に入る。1回目はスタイリング剤や皮脂を浮かせるための洗い、2回目は頭皮を洗うための洗いと考えると分かりやすい。ただし、毎日強い洗浄力のシャンプーで洗いすぎると、髪の乾燥や広がりにつながることもある。落とす力だけを優先するのではなく、使用したスタイリング剤の量、髪質、頭皮の状態に合わせて調整したい。洗う時は、頭皮と髪を分けて考えるのもポイントだ。頭皮は指の腹で洗い、髪は泡を通すように扱う。髪同士を強くこすれば、パーマ毛やカラー毛はパサつきやすくなる。ナチュラルヘアは髪の素の質感が見えやすいため、スタイリング剤を落とす工程で髪を乾燥させすぎないことも、翌朝の仕上がりに関わってくる。
バーム、オイル、クリームをそれぞれ紹介!おすすめのナチュラルヘア向けスタイリング剤
ヘアバーム1LINC ORIGINAL MAKERS「HAIR BALM 997」
LINC ORIGINAL MAKERS(リンク オリジナル メーカーズ)の「HAIR BALM 997」は、天然保湿成分のオリーブ油を主成分にしたヘアバーム。手のひらで温めるとオイル状に溶け、毛先中心になじませやすい。8種の天然由来オイルを配合し、髪に潤いを与えながらツヤ感と束感を演出できるアイテムだ。ナチュラルヘアで使うなら、センターパートやマッシュ、ニュアンスパーマの毛先を軽く収めたい時に◎ バーム香りが残りやすく、一日を通して余韻も楽しめるため、髪型の印象だけでなく身だしなみとして全体的に印象を整えたい人におすすめ。軟毛に多く使うと重さが出やすいため、少量から始めるのが安全だ。
ヘアバーム2ETORAS「レアバーム」
ETORAS(エトラス)の「Rare Balm」は、程よいセット力とベタつきの少なさを両立した半生触感のバーム。適度なツヤとゆるやかな動きを作りやすく、ハンドクリームとしても使えるマルチユース仕様だ。バーム特有の重さを抑えながら、自然な毛流れを作りたい人に適した一本。ナチュラルなマッシュ、ショート、短めのセンターパートで、固めずに毛先だけ少し動かしたい場面に使いやすい。ワックスの作り込んだ質感が苦手だが、オイルだけでは動きが足りないという人にちょうど良い。
ヘアオイル1davines「オーセンティック オイル」
Davines(ダヴィネス)の「オーセンティック オイル」は、髪だけでなく顔や体にも使えるマルチオイル。髪の広がりを抑えてしっとりまとめ、適度にウェットで束感のあるスタイルに仕上げられるアイテムだ。自然由来99%の処方で、オーガニック ベニバナ油、ゴマ種子油、ヒマワリ種子油、ホホバ種子油などを配合。ナチュラルヘアでは、乾燥毛やパーマ毛、毛先が広がりやすい髪に適している。軽く湿らせた髪になじませるとウェット感が出やすいため、素髪風に仕上げるなら乾いた髪の毛先へ少量をもみ込む程度が良い。香りと保湿感の存在感があるぶん、髪型を整えるだけでなく、雰囲気まで少し色気のある方向へ寄せたいときに選びたい。
ヘアオイル2track「オイル No.3」
track(トラック)の「track Oil No.3」は、乾燥しがちな毛先に自然なツヤを与え、しっとりまとまりのある表情を演出するヘアオイル。シトラスフローラルの香りで、金木犀を思わせるフローラルな香りが人気で、男女問わずにリピーターが多い製品だ。髪だけでなく、顔や体にも使用可能なマルチユースタイプ。No.3はトラックオイルの中でも一番重い質感でしっとり感が出やすいため、多毛、剛毛、くせ毛、パーマ毛、乾燥毛と相性が良い。根元を避け、毛先から中間に少量だけなじませると、ベタつきではなく品のあるツヤとして見せやすい。もっと軽いものが欲しいという方は、No.1やNo.2をぜひ検討してみてほしい。
ヘアクリーム1SUNCALL「SCREAM モイストヘアクリーム」
SUNCALL(サンコール)の「サンコールスクリム モイストヘアクリーム」は、ヒアルロン酸を保湿成分として配合したヘアクリーム。髪に自然なツヤとうるおいを与え、さらっとした手触りに仕上げる設計だ。使い方は、少量を指先に取り、手のひらで薄く伸ばして毛先中心になじませる。バームやオイルの重さが苦手な人、スタイリング剤をつけた感を出したくない人におすすめ。セット力で髪型を作るというより、乾きすぎた髪に自然な保湿感を足すアイテムだ。ビジネスシーンでも浮きにくく、ナチュラルヘアのベース作りとして取り入れやすい。
ヘアクリーム2OCEAN TRICO「ソフトクリーム」
OCEAN TRICO(オーシャントリコ)の「ソフトクリーム」は、しっとり髪をまとめて自然な毛流れを演出するクリームワックス。伸びの良さや髪なじみ、指通り、洗い流しの良さが特徴で、髪のダメージを補修するトリートメント成分も配合されている。ナチュラルなショートやショートマッシュで、毛先に少しだけ動きを出したいときに使いやすく、ハードワックスのように立ち上げたり、太い束を作ったりするよりも、自然な毛流れに軽いニュアンスを足したい時におすすめのスタイリング剤だ。バームやオイルでは収まりすぎるが、通常のワックスでは作り込み感が出るという人にちょうど良い。
Q&Aナチュラルヘア向けスタイリング剤の疑問
Q1:ヘアバームとヘアオイルはどちらがナチュラルに仕上がる?軽さ重視ならオイル、まとまり重視ならバームが候補になる
軽さを優先するならヘアオイル、まとまりと毛先の収まりを優先するならヘアバームが候補になる。ただし、どちらが上という話ではない。軟毛や細毛ならオイルを少量、剛毛や多毛、くせ毛ならバームの方が扱いやすい場合が多い。ツヤを足したいのか、髪の広がりを抑えたいのかで選ぶと失敗しにくい。
Q2:ワックスなしでも髪型は整う?立ち上げや強い束感が不要ならワックスなしでも整えられる
立ち上げや強い束感が不要なら、ワックスなしでも髪型は整えられる。髪を動かすのではなく、パサつきや広がりを抑える目的なら、ヘアバーム、ヘアオイル、ヘアクリームで十分対応できる。自然な髪型では、セット力よりも質感補正の方が重要になる。
Q3:ヘアオイルをメンズが使うとベタついて見えない?毛先中心に少量使えばベタつきではなく自然なツヤに見せられる
使用量とつける場所次第だ。根元や前髪に多くつけるとベタついて見えやすいが、毛先中心に少量なら自然なツヤとまとまりを出せる。とくに軟毛や細毛は、1滴未満から調整するくらいでちょうど良い。手のひら全体に薄く伸ばしてから髪に触ると、部分的なテカりも防ぎやすい。
Q4:ナチュラルヘアにジェルやグリースは向かない?素髪風の自然さを狙うならジェルやグリースは優先度が下がる
濡れ感や面を強く出したい髪型には合うが、素髪風のナチュラルヘアには主張が強い場合がある。オールバックやタイトな七三では有効だが、自然な毛流れを狙うなら、ヘアバーム、ヘアクリーム、軽めのオイルの方が扱いやすい。ジェルやグリースは、ナチュラルというよりクラシック、モード、ドレス寄りの印象を作りやすい。
Q5:油分をつけすぎると、なぜ清潔感がなく見える?油分は過剰になるとツヤではなく皮脂っぽさに変わる
油分は適量ならツヤやまとまりになるが、過剰になると皮脂っぽさに変わる。とくに前髪、根元、トップは視線が集まりやすく、重く濡れたように見えると清潔感を損ないやすい。ナチュラルヘアでは、つける量よりも残す軽さが重要だ。
Q6:マットすぎる整髪料はナチュラルヘアに合わない?ツヤを消しすぎると髪が乾燥して見える場合がある
必ずしも合わないわけではないが、ツヤを消しすぎると髪が乾燥して見える場合がある。大人の男性の場合、わずかなツヤがある方が髪のコンディションが良く見えやすい。無造作感を狙う場合でも、完全なドライ質感より、自然な光沢を少し残す方が品よくまとまる。
Q7:セット力の強いワックスを使うと不自然に見える?強いワックスは毛流れより作為的な束感が目立ちやすい
強いワックスは、髪を立ち上げたり太い束を作ったりする用途には向く。しかし、ナチュラルヘアではその作為が目立ちやすい。自然な髪型に見せたいなら、毛束より毛流れを優先し、必要な部分だけを軽く整える方が良い。使うとしても、ソフトワックスを少量にとどめたい。
Q8:スタイリング剤を落としきれないと髪はどうなる?落とし残しは翌日の重さや根元の潰れにつながる
油分や整髪成分が残ると、翌日の髪が重くなり、根元も潰れやすい。頭皮の不快感やニオイにつながる場合もある。バームやオイルを使った日は、シャンプー前の予洗いを丁寧に行い、泡立ちが悪ければ二度洗いも選択肢に入れるべきだ。
Q9:スタイリング剤を使った日は毎日シャンプーした方がいい?基本はその日のうちに落とす。洗浄力の強さは髪質に合わせたい
基本的にはその日のうちに落とす。特にバームやオイルを使った日は、髪と頭皮に残りやすいため、丁寧な予洗いとシャンプーが必要になる。ただし、洗浄力が強すぎるものを毎日使うと乾燥につながることがある。落とす力と髪のコンディションのバランスを見ながら、使用量と洗い方を調整したい。




























