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テーラードジャケット注目ポイント/ディテール2「シルエットと着丈」
国柄によって、テーラードジャケットのシルエットは大きく異なる。ドレススタイルのカジュアル化が進む昨今では、アメリカのサックスーツのようなゆとりのあるボックスシルエットが注目株。また、トレンドキーワードでもある”クラシック回帰”の影響もあり、ここ数年はヒップが隠れる程度のベーシックな着丈が各ブランドで多く展開されている。
「英国」と「イタリア」の2大スタイルをチェック!
サルトによってスタイルは様々だが、ジャケットのスタイルを知る上で外せないのが「英国式」と「イタリア式」。どちらも同じテーラードジャケットながら、異なる特徴を備えている。
スーツの礎となる“英国スタイル”
英国といえば、スーツの原型が誕生した土地。伝説のサルトが並ぶ「サヴィルロウ」という通りが存在するなど、スーツ好きなら誰もが一度は訪れたい国としても知られている。1930年代ごろに誕生したイングリッシュドレープと呼ばれるフル毛芯仕立ての構築的かつ立体感のあるシルエットは、現在も多くの縫製メーカーやブランドが参考にしているほど鉄板で完成されたスタイルだ。“背広”と言われて、このスタイルを思い浮かべる方も多いのでは?
こなれた色気のある仕立てで独自のポジションを確立した“イタリアスタイル”
芯地を取り入れて、まるで鎧のような構築的なシルエットを象る英国スタイルに対して、イタリアは芯地を取り除くことで着用者が本来備えている身体のシルエットを色っぽくみせる仕立てが有名。“アンコンジャケット(アンコンストラクションジャケットの略)”と呼ばれる裏地、芯地、肩パッドといった副資材を極力取り除いたソフトなシルエットと気張らずに羽織れる軽やかな着心地は、ビジネススタイルのカジュアル化が進む昨今のスーツ・ジャケットスタイルのベーシックとなりつつある。
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