
ミリタリーを彷彿とさせるカーキのコートは、スタイリングに取り入れることで男らしい渋さを際立たせ、ブラックやグレー、ネイビーなど定番色のコートとの差別化が図れる。今回はそんな「カーキコート」にフォーカスし、カーキという色のルーツから正体、色合わせの提案、そして最新のメンズコーデスナップまでを一挙紹介!
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19世紀英軍将校の知恵が、ファッションの定番色になるまでカーキの起源は「隠れるための色(カモフラージュ)」にあった!
「カーキ(Khaki)」という色の名前を聞いて、多くの日本人は「オリーブグリーン」や「軍モノの緑」を想起するだろう。しかし、語源を辿るとその正体は全く別物であることが分かる。カーキとはもともと、ヒンディー語・ウルドゥー語などのインドの言語で「土埃(khak)」を意味する単語。そのルーツは19世紀半ば、1846年にインドに駐留していた英軍将校ハリー・バーネット・ラムズデンのエピソードにまで遡る。
当時の英国陸軍の制服は、赤いジャケットに白パンツを合わせた極めて派手なもの。砂漠や荒野における戦闘時はあまりに目立ちすぎ、格好の標的となっていた。そこでラムズデンは、現地インドの泥やスパイス(茶、コーヒー、カレー粉など)を使い、白いパンツを周囲の景色に溶け込む「茶褐色」に染め上げた。これがインドの荒野の土の色に非常に似ていたことから、インドの言葉を借りてカーキという色名が付けられたのだそう。つまり、本来のカーキとは「緑」ではなく「土色・黄褐色」の系統色を指す言葉なのだ。ちなみにこの時染め上げられたパンツがチノパンの原型とされている。
「黄褐色」から「緑褐色」への変遷と日本独自の解釈なぜ緑系の色もカーキと呼ばれるようになったのか?
では、なぜ現代ではオリーブグリーンが「カーキ」として定着しているのか。その転換点は第二次世界大戦以降の米軍の動きにある。戦場が砂漠や荒野から森林地帯へと移るにつれ、軍装の主流はより深い緑色である「オリーブ・ドラブ(OD)」へと移行していく。戦後、これらの軍放出品が日本を含む世界中に広まっていく過程で、「ミリタリーウェアの色=カーキ」という広義の解釈が一般化した。本来のカーキがトレンチコートやチノパンに代表される「土色・黄褐色」を指すのに対し、現代のカーキがモッズコートやMA-1に代表される「オリーブ・セージグリーン」を指すのはこのためだと言われている。特に日本ではその傾向が顕著で、オリーブグリーン系の服のタグを見ると「Khaki」という色名が付けられていることが珍しくない。
色彩理論で紐解く、大人のミリタリースタイル失敗しない、カーキに合う「鉄板の3配色」
カーキの武骨さを活かしつつ、洗練された印象を作るためのカラーパレットを紹介する。
カーキに合う色1「カーキ&ブラック」モダンな引き締めと都会感をプラス
カーキの印象をモダンに昇華させるなら、ブラックとの組み合わせが最も有効だ。アースカラーに強い無彩色のブラックをぶつけることで、コーディネート全体がシャープに引き締まり、都会的なムードが漂う。ブラックのスラックスや革靴を合わせれば、ミリタリーなムードを漂わせるカーキコートもモードな表情へと一変。
カーキに合う色2「カーキ&グレー」馴染み良く品の良さを表せる都会的配色
武骨なカーキを最も都会的かつ知的なムードへ昇華させるのが、グレーとのコンビネーション。輪郭がボヤけやすい中間色同士の組み合わせは一見難度が高そうに思えるが、実はカーキの力強さや武骨さを、グレーが持つ落ち着きや上品な印象がほどよく中和してくれる。上品に見せるならホワイトもアリだが、ダスティなカーキとクリーンなホワイトの組み合わせは色味の面でも印象の面でもかなりコントラストが強いため、グレーがちょうど良く合わせやすい。
カーキに合う色3「カーキ&ネイビー」知性と色気が共存するコントラスト
暖色系のカーキに、寒色のネイビーをぶつける配色。イタリアの洒落者が愛する「アズーロ・エ・マローネ」の派生形であり、ミリタリーの力強さとトラッドな品格が共存する。無難なモノトーン合わせでは物足りない、知性と色気を同時に演出したい大人の男におすすめのカラーリングだ。
カーキに合う色を他にももっと詳しく解説している記事も公開しているため、こちらもぜひチェックしてみてほしい。
ここからは、カーキのコートを着た最新のストリートスナップを紹介!
最新カーキコート コーデ1ロング丈のカーキコートと太スラックス
グレーのジャケパンスタイルにオリーブ系カーキのステンカラーコートをレイヤード。コートの丈感、スラックスのシルエットが今っぽく、ドレスアイテムの取り入れや色合わせのバランスも非常に上手で、大人のカーキコートコーデのお手本のようなスタイリングだ。
最新カーキコート コーデ2コートにスウェットパンツを合わせるならオープンヘムタイプで品の良さを残すべし
ロングのカーキコートにワイドシルエットのスウェットパンツを合わせたリラックススタイル。裾がゴムやリブで絞られたスウェットパンツだとスポーティーな要素が強くなってしまうが、トレンドのオープンヘムのタイプであればスラックスのような品の良さもあり、カジュアルダウンがほどよい按配に。白パンツが苦手な方は、こんなライトグレーのパンツならカーキの土臭さを中和しつつも、明るすぎないから合わせやすい。
最新カーキコート コーデ3モードなブラックスーツスタイル+カーキコートで意外性と面白みのある装いに
ブラックスーツとマルジェラのタビブーツを合わせたモードなドレススタイルを、黄色味がやや強めでコントラストが効いたカーキコートでワイルドに味付け。オーソドックスなブラックコートやグレーコートなどを合わせれば、端正な装いを作れるが、面白みに欠ける。そんな時にこういったカーキコートをチョイスすることで、意外性のある洒落たコーディネートを組むことが可能だ。
最新カーキコート コーデ4ビシッとキメたスーツスタイルの渋さを増幅させる濃い色味のカーキコート
濃いカーキはカッコいい男の渋さを増幅してくれる色。さらに、襟の大きなアルスターカラーコートであれば、威厳のある印象も同時に獲得できる。それがタイドアップしたスーツスタイルならなおさらだ。アラフォー・アラフィフの熟年男性で、ブラック・ネイビー・グレーなどのコートの定番カラーに飽きている方は、こんな渋い色味のコートを選んでみては?
最新カーキコート コーデ5土っぽさを中和する王道の白パンツを合わせ
ここまででピックアップしてきたカーキコートの中で、一番本来のトーンに近い色味のコートを着た男性を最後に紹介。土っぽさを中和する王道の白パンツを合わせ、クリーンにイメージを塗り替えた好例だ。その2色だけでは奥行きが生まれないため、インナーにアクセントカラーとなるイエローのニットを着込んでアイキャッチを作っている点も◎
以下は2021年1月以前にアップした内容。シルエットやパンツの合わせなどは今のトレンドとギャップがあるが、色合わせなど参考にできるところもあるため、こちらもチェックしてみてほしい。
褪せた色味のカーキコートでメンズコーデを男らしく演出
カーキコートと一口に言っても、スタイルごとに印象が異なり色味の幅を考えればその表情は多種多様。シルエットやレングスによっても、もたらされる男らしさや骨太感も様々だ。こちらの御仁はそんなカーキコートの中から、メタルボタンを配したバブルブレストのアルスターカラーモデルをチョイス。褪せた色味が男らしさを際立たせるカーキコートでクールなキャラをアシストし、定番色コートでは得られない大人のシブミを感じる着こなしに。
ファー襟付きのカーキコートでタイドアップコーデをラグジュアリーな雰囲気に
タイドアップしたネイビースーツに、リッチなブラウンファーを贅沢に使用したダブルブレストのカーキコートをオン。カーキコートといえば男らしい雰囲気や骨太感が魅力だがコチラのアイテムの印象は、武骨感は控えめでその代わりにとびきりラグジュアリー。ヘアーカラーやサングラスのレンズカラーにマッチした毛足の短いブラウンファーがクラス感を演出しながらも、カーキをベースにしていることで嫌味なゴージャスさやこれ見よがしな感じを軽減している。
イエローアイテムでスパイスを効かせたカーキコートのコーディネート
ストライプシャツの立てた襟をわずかに覗かせたイエローのタートルネックニットと足元のイエローソックスで会うパイスを効かせたカーキコートのコーディネート。アーシーな色味でまとめた着こなしにビビッドカラーでアクセントをつけて、華やぎをもたらした着こなしだ。ブラウン系アイテムと親和性の高いカーキコートをチョイスして、色数の多いスタイリングに統一感を演出している。
カーキコートとボトムスのトーンオントーンでヒネリを効かせたメンズコーデ
グリーン系のカーキコートとブラウン系のカーキトラウザーズのトーンオントーンで、ドレッシーな装いにヒネリをプラス。黒のタートルネックニットをインしたネイビージャケットをかませることで奥行きを演出しながら、ヴィンテージライクな深みのあるブラウンレザーシューズでコーデを骨太な印象に。主張は控えめながらキャラ立ち感のあるテーラードジャケットとタートルネックニットで野暮ったさを払拭したキレイめなスタイリングだ。
ウール素材のカーキコートで冬のカジュアルコーデを脱量産型に
ブラックやグレー、ネイビーなど定番色とは一味違うウール素材のカーキコートを採用し、冬のカジュアルコーデを差別化。寒色系のコートほどクール過ぎず、暖色系のコートほどほっこりし過ぎないイイ按配の洒落感を演出し、脱量産型のスタイリングに。思いの外、カーキはどんな色とも相性が良く、手持ちのアイテムを違った印象で着こなせることうけあいだ。
ドレス顔カーキコートの取り入れで冬のカジュアルコーデの格上げを図る
上品な光沢を放つドレス顔のカーキコートを主役に据え、冬のカジュアルコーデを格上げ。ポピュラーなカーキコートのイメージからすればミリタリーウェアを想起しがちだが、コチラの御仁は武骨さの代わりに洗練さを獲得したカーキコートでドレッシーなムードを誘いワンランク上の着こなしに。ニット帽やインナーダウンでこなれ感を演出しながら、ぎこちなさを感じさせないドレス×カジュアルのスタイルミックスを完成させている。
ウエストベルトのギミックでヒネリを効かせたカーキコートのメンズコーデ
ウエスト片側右サイドをシェイプするベルト仕様のギミックでヒネリを効かせたカーキコートとざっくり系のケーブル編みタートルネックニットの色味を合わせた冬の装い。レギンスライクなタイトフィットの柄入りスキニーパンツとタフな面構えのブラウンレースアップブーツをセットして、ゆったりとした上半身とのメリハリをつけ緩急自在な着こなしに。この手のカーキコートなら、イマドキのオーバーサイズコートのようなイイ感じにチカラの抜けたスタイリングもお手の物。
カーキコートのアルスターカラーを立てることでメンズコーデの顔周りをドラマティックに演出
ミリタリーなムードが漂うアルスターカラーのカーキコートと黒アイテムを組み合わせた、男らしさとクールさを両得したスタイリッシュなコーディネート。コートの幅広襟を立てることで顔周りをドラマティックに演出し、ストイックさ一辺倒の着こなしと差別化している。くるぶし丈に設定したボトムスと革靴の間から覗く素足の抜けもこなれ感を誘いイイ感じだ。
カーキコートとチノパン、ニット帽の色味をマッチさせたカジュアルコーデ
柔らかな生地感のカーキコートをチョイスして、チノパンとニット帽の色味をカーキでまとめたコチラの御仁。インナー使いしたクルーネックの黒リブニットでカーキのアウターとボトムスを際立たせながら、足元にセットしたグラフィティプリントの白スニーカーでコーデをこなれ感のある仕上がりに。印象を引き締める黒ニットと抜けの良い白スニーカーを合わせれば、シンプルなカーキコートのスタイリングに新鮮な表情を演出可能。
カーキモッズコートを旬なブラックコーデに合わせてイマドキっぽく!
ミリタリーアウターの定番品のひとつであるモッズコートといえば、60年代の英国ファッションシーンを牽引した“モッズ”達が愛用していたアイテム。そんなモッズコートを使ってイマっぽく着こなすなら、トレンドである“ブラック”で揃えたコーデに合わせたい。こちらの御仁のコーデのように、ブラックを軸とした引き締まりある装いにボリューミーなモッズコートが映え、モダンにキマることうけあいだ。
カーキコートを着こなすコツは色調にあり!
カーキのウールコートは一見すると着こなすのが難しそうだが、ピックアップした御仁のようにトーンを揃えればすんなりとキマる。ベーシックカラーのネイビーやグレーといった落ち着きある色との相性が抜群だから、意外と手持ちのアイテムとも違和感なく馴染むはず。足元に白スニーカーを合わせて軽快感をプラスすれば好バランスなコーディネートの完成だ。
カーキコートをこなれた雰囲気で着こなし、スーツスタイルを格上げ
カーキコートのベルトのあしらい方でこなれ感を演出し、スーツスタイルを洒落っ気たっぷりに着こなした御仁を発見。全身ダークトーンで揃えつつ、差し色的に派手柄なネクタイを取り入れてアクセントを存分にきかせている。
男らしさ全開に仕上げたカーキコートのコーディネート
ミリタリー由来の骨太な印象をもつカーキ色を配したコートを筆頭に、ワークを出自とするデニムジャケットやコーデュロイパンツなど男らしいアイテムを組み合わせて武骨に仕上げ。上下でグリーンのトーンオントーンを表現することで個性的に見せつつ、奥行き感のある着こなしに。コートとデニムジャケットの襟を立てたアクセントありの首元もイイ感じ。
カーキ×ブラックで都会的ラギッドに仕上げたチェスターコートコーデ
ストイックなオールブラックの装いにカーキコートを合わせて都会的かつラギッドに仕上げたコーデ。ウールコートによる柔らかな風合いと、ロング丈によって生まれた優雅な縦のドレープがキレイめな印象を醸し、Too Muchに感じさせない仕上がりに。くるぶしがしっかり見える丈感でパンツを穿いて、引き算的に抜け感を演出しているのも見事。
カーキと補色関係の赤マフラーを取り入れてメリハリを最大限きかせたコーデ
カーキコートを引き立てるなら、補色や反対色のアイテムを取り入れてメリハリをきかせるのも有効な一手。こちらの御仁は、補色である赤をマフラーで取り入れ、カーキコートの上からラフに垂らすことで最大限にコントラストを演出している。マフラーに配されたタータンチェック柄の一部には深緑が使われており、さりげなく色をマッチさせているのも見逃せない。
光沢感あるカーキコートで上品かつ渋みのあるコーデに
ミリタリー由来ということもありカーキというだけで武骨なイメージを抱くが、上質な光沢感を放つカーキコートであればそんな印象とは無縁。上品な光沢によってラグジュアリーな雰囲気や渋さが生まれ、コーデが格上げされることうけあいだ。
素朴な風合いのウールカーキコートを羽織って表情あるコーデを作る
どんなアイテムも素材感によって印象をガラリと変えるが、武骨さ一辺倒と思われがちなカーキコートも例外ではない。こちらの御仁は、起毛感ある素朴な風合いのカーキコートを選ぶことで、タイドアップしたドレッシーな装いに豊かな表情をプラス。ボトムスに合わせたコーデュロイパンツも相まって、どこかカントリー調な雰囲気に仕上がっている。
バブアーのカーキコートを使った“アジ”ありなジャケパンコーデ
バブアーの名作のひとつである“ウィットレイ”をジャケパンコーデに合わせた御仁をキャッチ。使い込まれた感のある生地やコーデュロイを採用した襟による“味”のある雰囲気が着こなしを格上げしている。ゆったりとしたシルエットも昨今のトレンドとマッチしていて◎
金ボタンをあしらった風格あるカーキコートを洒落者っぽく着こなすなら?
ミリタリーを出自とする金ボタンをあしらったカーキコートは、一枚でタフで男らしい印象をグッと高めてくれる優れモノだが、合わせるアイテムによってはToo Muchになりがち。そんなコートに合わせるのにオススメなのが白パンツ。垢抜けたイメージが加わるため、やり過ぎ感が出ること無くファッショナブルにキマる。
デニジャケのインナー使いでこなれ感を演出したカーキコートコーデ
肩まで届いたデカ襟が特徴的なカーキコートのインナーにデニムジャケットを差し込んでこなれ感を演出したコーデ。その下に黒のタートルネックニットをレイヤードすることで首元にアクセントを付けつつ、モダンに仕上げているのもポイント。ボトムスをスキニージーンズとブーツでシャープにまとめ、Yシルエットを構築して洒脱に。
コートを筆頭にカーキ系のアイテムで揃え、統一感のあるコーデに
チェスターコートを筆頭に、チェックシャツやタートルネックニットもカーキ系統で揃えて統一感を演出したキレイめコーデ。まとまり感のある着こなしだからこそ、足元に合わせたランニングシューズによるハズしが抜群にきいている。
カーキコートを羽織っていつものネイビースーツスタイルを一味違った雰囲気に!
ビジネスマンなら誰しも持っているネイビースーツをいつもと違った雰囲気で着こなすなら、カーキコートを合わせてみるのもオススメ。カーキ色がもつ男クサい印象も、知的で落ち着き感のあるネイビーによって中和されるから、差別化を図りながらもバランスの良いコーデに仕上がることうけあい。チェンジポケット付きのネイビースーツのテイストに合わせ、ステンカラーコートを選んで英国らしさを強調したスナップの御仁の着こなしも参考にしたい。
パーカーを合わせてフレッシュに仕上げたカーキコートのカジュアルコーデ
カーキコートにハーフジップのパーカーを合わせて、新鮮かつカジュアルに仕上げたコーディネート。若々しくなり過ぎないよう、落ち着き感のある色合いだけで構築しているのが肝だ。サイジングにも気を配って大人然とした佇まいなのも好印象。



















































