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ポーターのタンカーは、定番にして時代をリードし続けるキング・オブ・パイオニアだ!

ポーターのタンカーは、定番にして時代をリードし続けるキング・オブ・パイオニアだ!

いざ数えれば、バッグブランドは実に多いと気づくはず。世界に名だたるルイ・ヴィトンだって、その出自は旅行バッグブランドだ。そしてここ日本にも、優秀なバッグブランドが数多く存在する。かねてより日本のバッグブランドは、その質と機能性の高さに定評がある。その代表的なブランドがポーター。吉田カバンによって展開されるブランドで、数々のシリーズを展開する中でも特に人気なのが、タンカーだ。

タンカーって? ポーターって? 吉田カバンって?日本を代表するバッグブランド「ポーター」

1962年に吉田カバン初のブランド「ポーター」を発表。ホテルなどで荷物を預かるポーターという職業が常に鞄に触れ、良し悪しを知るものであるということに由来されている。

↑映画「天国と地獄」のために制作されたバッグ、現在PORTER TOKYOにて展示

そんなポーターを自社ブランドとしてもつ吉田カバンは、1935年に創業者吉田吉蔵により吉田鞄製作所として設立されたのがはじまり。「一針入魂」をモットーに、ファスナーによってマチ幅を変えられるエレガントバッグをはじめ、黒澤明監督の映画「天国と地獄」で小道具として使用された革のブリーフケースなどを手がけたことで、その名と実力を世に知らしめることになった。

支持されるのには理由がある!タンカーの変わらない3つの魅力

1983年に登場し、現在は世界から絶大な支持を獲得しているポーターのタンカーシリーズ。まずは現在のポジションを確立するまでの歴史を振り返りながら、タンカーの変わらない3の魅力を紹介していく。

タンカーの変わらない魅力1デザイナーと国内の職人との長年の信頼関係

1981年、世界的に著名なデザイナーが名を連ねるデザイナー集団、NYデザイナーズ・コレクティブのメンバーに当時のチーフデザイナーが選出される。それを皮切りに海外の有名セレクトショップでの販売がスタート。当時、日本のバッグブランドが海外展開するのは実にレア。そもそも日本のバッグブランドにおいて、企画・開発という地位を確立させたこと自体が珍しかった。そんな経緯こそが、ファッション性を高く意識したタンカーの誕生につながったのだ。

現在でも、企画開発担当者の役割は大きく、企画から材料選び、職人とのやり取りまで一貫してその責を任されている。職人技を駆使しながら、商品開発の目線でモノ作りを行うからこそ、実用品でありながらオシャレアイテムとしても重宝されるのだ。

タンカーの変わらない魅力2時代を追うのではなく時代に先駆ける

国内だけでなく海外でもその実力を認められたポーター。数々のシリーズを生み出す中で生まれたのが、タンカーだ。

1983年に、アメリカ空軍のフライトジャケットに使われる素材をモチーフに登場したタンカー。今でこそ定番となった同シリーズだが、発売から数年ほどは不振に喘いでいた。一部のスタイリストやバイヤーなど「目利き」と言われている層には受け入れられていたが、当時はまだミリタリーをファッションとして楽しむ感覚が一般的には乏しく、ファッション性を意識したタンカーへの注目度が低かったのだ。

ここで転機が訪れる。1986年に映画「トップガン」が公開され、空前のミリタリーファッションブームが到来。徐々にファッションシーンでミリタリーアイテムが認知されはじめる。タンカーにとっては好機であり注目を集めはじめるが、その後訪れたバブルによって海外のライセンスブランドが多く日本に上陸。タンカーは注目されつつも、ポーターの中では人気シリーズと呼べるほどではなかった。

その後バブルが崩壊し、ファッションムーブメントはストリートに移行。いわゆる90年代ストリートブームによって、再熱。そして90年代半ばになると、その人気は本格化。著名人による愛用者が雑誌に度々登場し、また人気ストリートブランドとのコラボレーションを続々と発表することで、90年代ストリートを象徴する存在となった。

「カバンは荷物を運ぶ道具でなければならない」という吉田吉蔵氏の想いを伝承しながらも、常に時代の先駆けた提案を行ってきたその象徴がタンカーなのだ。

タンカーの変わらない魅力3スタイルだけじゃない!実用としての役目もしっかりと

映画「トップガン」の大ヒットを受けて広まったミリタリーファッションを牽引したのが、フライトジャケットのMA-1。あるあるだが、映画「トップガン」に登場するのは海軍航空隊であって、空軍に支給されたMA-1は映画には登場していない。が、空軍で半世紀以上支給され続けてきた、いわばミリタリーアウターの象徴的な存在であったMA-1は、ファッションアイテムとして絶大な支持を集めた。

タンカーは、そんなMA-1の特徴をバッグに落とし込んだものだ。表生地にセージグリーンのナイロンツイルを、そして内側には万が一墜落した場合に救援部隊から発見されやすくする通称レスキューオレンジをあしらっている。MA-1と同スペックではないが、同じように中綿をボンディングしている点にも注目だ。

実際に米軍で使用されているヘルメットバッグにも中綿は使用されている。しかし、その表生地は硬くザラっとした生地感で、いかにも実用品といった印象だ。その点、タンカーで使用されるナイロンツイルは、MA-1に着想を得ているとあってソフトで軽い。となると耐久性に劣ると思われがちだが、それは間違いだ。まず、表生地は美しい発色と共に、耐久性に優れている。また、中綿は表生地と裏生地を縫製する際にズレが生じないように、事前に仮縫いを行ってから本縫いされる。つまり縫製が2重になっているので、重たい荷物を入れても大丈夫なのだ。

ミリタリーのフライトジャケットをバッグに落とし込むというユニークな世界観は、こうした確かな技術と手間暇をかけることで確立できるのだ。

ポーターのタンカーは変わらないけど変わった!タンカーの変わった3つの魅力

タンカーの本質的な魅力はそのままに、最新技術や現代的センスを反映し、更なるブラッシュアップが行われているのも支持され続けている理由のひとつだ。ここからは発売から40年の節目にリニューアルを行ったタンカーの変わった魅力を3つ紹介していく。

タンカーの変わった魅力1植物由来素材による未来に向けた取り組み

タンカーシリーズは誕生から40周年を迎えた2023年に大きな転換点を迎えた。使用するナイロンを、100%植物由来のナイロンに一新したのだ。

ナイロンは石油から作られるのが一般的だ。今までのタンカーも石油由来のナイロンを使用していた。しかし、今後のことを見据え、使用するナイロンを100%植物由来のナイロンに一新したのだ。サスティナブルであることがファッション業界にとっても命題となった今、タンカーは原材料からその取り組みを始めたのだ。

100%植物由来のナイロンは、東レが開発したバイオベースナイロン「N510」。とうもろこしとヒマという植物から生成した糸を採用。東レでは、長年の研究を経て試験レベルで生産に成功していたが、量産化という大きな壁にぶつかっていた。そこから東レと吉田カバンの共同開発がおこなわれ、バッグの生地としての耐久性やしなやかさ、光沢など様々な項目をクリアにするべく、試行錯誤した末に世界ではじめて100%植物由来のナイロンの量産化に成功した。吉田カバンが創業以来続ける国内生産へのこだわりが、ここでも示された。

これからも長く支持され続けるタンカーにとって、持続可能な素材に変えることは必然だ。

タンカーの変わった魅力2世界観を崩さず、それでいて性能はより高みに

タンカーはミリタリーから着想を得ているため、細部のディテールにおける実用性や耐久性についても余念がない。

一部パーツはカンパニーロゴやブランドロゴが刻印されたオリジナル仕様で、塗装は6回にわたり重ね塗りされていることで剝がれにくくなった。ジップは、冬場グローブをしている時や、ネイルされた爪でもつまみやすいように先端が隆起されている。さらに以前まではクリア素材を採用した内ポケットは本体に縫い付けられていたが、利便性を高めるため、スナップボタンによって着脱が可能になった。

タンカーの世界観を壊すことなく、使い手のことを考え機能性や仕様は常にアップデートされているのだ。

タンカーの変わった魅力3新素材においても定番カラーが出揃う

1983年の初めに発表されたセージグリーンカラー。同年の秋冬にはブラックカラーが早々に追加された。2014年にシルバーグレーカラー、2021年にはアイアンブルーカラーが追加されている。シルバーグレー発売前の2013年には、タンカー発売30周年を迎え、限定色としてカモフラ柄もラインナップされるなど、様々な色柄の提案が行われてきた。

リニューアル後のカラー展開は、発売当初にならい2024年の5月にセージグリーンから発売をし、そのあとに8月にアイアンブルー、11月にブラックが登場した。

休日から仕事、旅まで全部揃う!あの頃も今も名作なタンカー6選

ここからはタンカーシリーズの名作バッグを6つ厳選して紹介していく。

タンカーといえばやっぱりコレな主役ヘルメットバッグ

その名の通り、アメリカ空軍のパイロットに支給されるヘルメット持ち運び用のバッグがモチーフとなっている。フライトジャケットのMA-1に着想を得るタンカーシリーズにおいて、アイコンと言えるモデルだ。

ヘルメットを入れる際にスペースを広げる底部のマチに加え、さらにフロントに大型のポケットをあしらっているのが特徴。タンカーの特徴である中綿だが、実際のヘルメットバッグにも中綿が採用されている。

90年代タンカー人気の立役者リュックサック

ドローコードを採用したトップの開口部に加え、サイドにもアクセスジップをあしらうことで実用性を高めたリュックサック。ヘルメットバッグと同様に大きなフロントポケットを設けることで、収納性を高めている。

内部にはクリアポケットが採用されているが、新素材を採用した新モデルからは取り外しが可能に。しっかりとした縫製により耐久性を高めながら、軽いのが魅力だ。

90年代タンカー人気の起爆役ファニーパック

90年代のブームにおいて、ヘルメットバッグやリュックサックと並び人気を集めたのがこのファニーパック。初代は1996年に登場し、ウエストではなく肩に斜めがけするスタイルが流行した。

フロントポケットに加え、サイドに設けられたマチ幅を調整するストラップがミリタリー由来のタンカーらしいタフさを主張。メインのストラップの付け根にある面テープの小型ポケットに、吉田カバンらしい機能性の高さが伺える。

ビジネス人気の火付け役3WAYドキュメントバッグ

ストリートだけでなく、ビジネスバッグとしてのタンカー人気を確立したのがこれ。これもウエストバッグと同様に、初代は1996年に登場している。

ブリーフ、ショルダー、リュックの3通りの持ち方を可能にし、さらにL字ジップを採用することで大きく開くメイン収納部には15インチのPCスリーブを設けるなど、利便性の高い作りが随所に見られる。

容量たっぷりな旅のお供役ドラムバッグ

ジムバッグとして、またはちょっとした小旅行に打ってつけなのがこれ。容量は16リットルで、14リットルのリュックサックよりもやや大きめに。外装にはフロントに加えサイドにもスナップボタン付きのポケットが配されている。

生地がやわらかく、さらに中綿入りのタンカーは縫製に高い技術を要する。ドラム形状ともなれば、なおさらだ。本体に加え、タンカーは中綿のずれを防ぐための縫製も行われており、ゆえに重たい荷物を入れても安心だ。

 

もはや主役級に活躍する脇役バーティカルバッグ

タンカーシリーズの人気を決定づけたバッグとして、コンパクトバッグの存在を忘れてはいけない。ロングウォレットを収納できるサイズのこれは、2層のフロントポケットに加えて背面にも面テープ仕様のポケットがあり、コンパクトながら収納性抜群。

効率的で豊富なポケット使いはポーター全体に共通するが、コンパクトなサイズでも貫かれているのが見どころ。同様の理由でバーティカルバッグも人気のアイテムだ。

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