
ローファーなどの革靴よりもカジュアルで、スニーカーよりも上品な印象のデッキシューズ。その魅力は、船の甲板で使うために生まれた機能性と、街履きにも馴染む軽快な見た目を兼ね備えている点だ。今回はデッキシューズが誕生した背景や現在の形へ至る変遷に迫りながら、注目のメンズコーデと定番モデルを紹介する。
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デッキシューズとは?船の甲板で滑らず歩くために生まれた実用靴
デッキシューズとはその名の通り、ヨットやボートなどの甲板部分である“デッキ”の上で履くために作られたシューズ。海上の船は波によって揺れ、デッキ上は海水で濡れるため、足元が非常に滑りやすい。そんな状況下でも安定して歩けるよう、セイラーたちの足元を支え、落水のリスクを抑える実用靴として考案されたのがデッキシューズだ。現在では船上に限らず、軽快さと上品さを併せ持つカジュアルシューズとして広く浸透している。
1935年にスペリーによって開発されたデッキシューズ原点は犬の足裏が着想源のソールを搭載したキャンバススニーカー
1935年、米国のヨットマンであり発明家でもあったPaul A. Sperry(ポール・A・スペリー)が、濡れた船上でも滑りにくい靴としてデッキシューズを開発した。当初のモデルは、現在よく見られるレザーモカシン型ではなく、コットンキャンバスをアッパーに使用したスニーカーだった。
最大の特徴は、氷や雪の上でも滑らずに走る愛犬の足裏から着想を得た、細かな切れ込み入りのラバーソール。水を逃がしながらグリップ力を高めるこの構造は、現在も「Wave-Siping™アウトソール」として受け継がれている。レザーモカシン型へと発展した後も、この滑りにくいアウトソールこそデッキシューズの根幹をなすディテールだ。そして、スペリーではこの原点を受け継ぐデッキシューズとして「CVO」というスニーカーを今日まで展開している。
1937年には今に繋がるデザインが登場滑りにくいラバーソールを核としたレザーモカシン構造へと進化
1937年、スペリーは現在ではデッキシューズの定番デザインとなっており、ボートシューズとも呼ばれるレザーモカシン型のモデル「Top-Sider(トップサイダー)」を開発。
細かな切れ込み入りのラバーソールといった最大の特徴はそのまま、レザーアッパーと足を包み込むモカシン構造を採用し、より上品なデザインへと生まれ変わった。また、履き口の周囲に革紐を通してフィット感を調整できる360度レーシングを備えることで、安定感を高めている点も見逃せない。そんな本作は「オーセンティック オリジナル デッキシューズ」というモデル名で現在もスペリーで展開されている。ちなみに、こちらのレザーアッパータイプのデッキシューズの多くには、耐水性に優れたオイルドアップレザーが使用されている点も覚えておきたい。
1940年以降は実用靴から街履きへ米海軍に採用された後、ジョン・F・ケネディなどが愛してアイビーファッションの定番品に
1940年、速乾性に優れたコットンキャンバス製デッキシューズであるスペリー「CVO」は、その機能性が評価され、米海軍のカジュアルユニフォーム用シューズに採用された。そして時を経て1960年代には、ジョン・F・ケネディなど東海岸のエリート達がプライベートで愛用し、アイビーやプレッピーといったスタイルにも浸透。こうした流れの中で、デッキシューズは海上の実用靴から街履きの定番へと今日まで広がっていった。
ここからは、デッキシューズを履いたメンズコーデを紹介!
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