数多くの名モデルを手がけてきたオメガだが、コレクションという大枠で見ると意外にその数が少ないことに気づく。今回は、現在展開されている4つのコレクションと過去の名作3つを紹介!
オメガの現行コレクション①活躍の場が宇宙まで広がるスポーツウォッチの金字塔「スピードマスター」
NASAにも認められ、月での功績もあって“宇宙時計”として知られるスピードマスターは、もともとモータースポーツ用の時計として開発された、オメガを代表するシリーズ。ダイアルの外周に表示するのが一般的であったタキメーター(時速を測るメーター)を、世界で初めてベゼルに表示した時計として知られている。シリーズを通して、文字盤の中に2〜3個の小さなダイアルを持つクロノグラフ機構(ストップウォッチ)を搭載した外観が特徴だ。
そんなスピードマスターシリーズには、月面着陸で有名な「ムーンウォッチ」をはじめ、アポロ8号の宇宙ミッションを讃えて制作されたセラミック製の「ダーク サイド オブ ザ ムーン」、初代スピードマスターのデザインを現代に甦らせた「’57」など、名作が多数ラインナップされている。著名人に着用者が多いことでも有名で、現在はアメリカの名優ジョージ・クルーニーがオメガのアンバサダーを務めているが、クルーニー家ではオメガの時計を着用することが伝統になっているそうで、彼自身もまたスピードマスターを愛用中だ。
オメガの現行コレクション②ボンドウォッチとして有名すぎる「シーマスター」
ブランド創業100周年を記念し、1948年に登場した「シーマスター」。英国海軍の軍用時計として採用されたことや、前述のように映画『007』シリーズの主人公ジェームズ・ボンドが作中で着用したことで知られるコレクションだ。発売当初は日常生活防水レベルの性能だったが、現在はその名に恥じぬ防水性能を誇るモデルを展開しており、150m防水からプロフェッショナル仕様の300〜6000m防水まで、様々なシリーズが揃う。
シンプルでエレガントな見た目の「アクアテラ(150M防水)」、シーマスターシリーズの看板「ダイバー300M(300M防水)」、プロ仕様のダイバーズウォッチとして高い防水性能を誇る「プラネットオーシャン(600M防水)」に加え、ヴィンテージ感漂う「シーマスター 300」や「プロプロフ」などのヘリテージモデルなど、本格的な防水時計から日常使いまで幅広く対応できる5つのタイプをラインナップ。
オメガの現行コレクション③世界一正確な時計と評される「コンステレーション」
1952年に発売された「コンステレーション」は、オメガのラグジュアリーウォッチの中でも高い人気を誇るシリーズで、デザインはシンプルかつエレガント。落ち着きがありながらも大人の華やかさを演出する時計を展開している。オメガは、1900年代前半に開催されていた天文台コンクールにて数々の優秀な成績を残し、世界一正確な時計としての評価を獲得。それをうけて、クロノメーター認定ウォッチだけで構成されたコレクションとしてコンステレーションが誕生した。英語で星座という意味をもつ名前にちなんで、文字盤の6時位置には星のマークがセットされている。
コンステレーションで展開されているモデルは2つ。初登場時に、俳優 エディ・レッドメインを広告に起用した「グローブマスター」は、COSC(スイスクロノメーター認定)とMETASのテストを両方クリアした、マスター クロノメーターの称号をオメガで初めて獲得したモデルだ。コレクション名と同じ名前が付けられた「コンステレーション」は、ケース上下のハーフムーンデザインや、ベゼルの3時位置と9時位置に配置された4本の爪など、アイコニックなディテールが光る。
オメガの現行コレクション④オメガで唯一のドレスウォッチシリーズ「デ・ヴィル」
1967年に誕生した「デ・ヴィル」は、もともとシーマスターシリーズの一部として1960年に発売された「シーマスター デ・ヴィル」が独立した、オメガで唯一ドレスウォッチを展開するコレクションだ。発売して間もない1960年代当時、デ・ヴィルは「so slim it hugs your wrist(手首を抱きしめるようなスリムなウォッチ)」というキャッチフレーズを掲げており、その言葉が表現するようなエレガントなデザインを真骨頂としている。ちなみにデ・ヴィルとは、フランス語で“街”や“都会”を意味する言葉だ。
デ・ヴィルコレクションで展開されているメンズ向けモデルは、「トレゾア」と「プレステージ」、「トゥールビヨン」の3つ。他にもレディース向けの「レディマティック」があり、それを含めた4モデルがデ・ヴィルコレクションだ。最もポピュラーなプレステージはオメガを代表するドレスウォッチで、クラシックでエレガントなデザインが魅力。オメガでドレッシーな時計を探すなら、まずはデ・ヴィルをチェックしよう。
現行以外のモデルにもフォーカス!オメガが過去に販売していた3つの名コレクション
ここからは、オメガが過去に展開していた3つのアーカイブを紹介!
オメガの名作アーカイブ①クラシックマスターピース3部作の一翼を担った「レイルマスター」
オメガのクラシックなマスターピースとして知られる「シーマスター 300」「スピードマスター」とともに1957年に発表された3部作のひとつ「レイルマスター」。その60周年を記念して2017年にトリロジーの1つとして限定復刻を果たしているが、過去には独立したコレクションとして展開されていた。耐磁性能に優れたモデルという位置付けで当時発表されており、復刻モデルは15,000ガウスという最高レベルの耐磁性能を備えたマスター クロノメーター ムーブメントを搭載し、最新鋭の機能性を提げて蘇っている。
オメガの名作アーカイブ②SF的デザインのレトロフューチャーウォッチ「フライトマスター」
宇宙船やロボットを彷彿とさせるデザインで、SFチックな雰囲気を漂わせるこちらのモデルは、パイロット用の腕時計として1969年に発表された「フライトマスター」。特徴的すぎるダイアルデザインは、70年代前後のレトロフューチャーなセンスを感じられるユニークなモデルだ。多くの優秀な航空機パイロットや宇宙飛行士がその機能を頼りに着用してきた歴史を持ち、『ジュラシック・パーク』で有名な小説家マイケル・クライトンが愛用していたことでも知られている。
オメガの名作アーカイブ③レトロなフォントのインデックスが逆に新鮮な「ダイナミック」
イタリック調のフォントと黄味がかったカラーリングのインデックスがレトロで特徴的な「ダイナミック」は、1960年代後半に初号機が発表されたコレクション。画像はシリーズ3代目となる「ダイナミックⅢ」で、デザインは軍用時計の影響を強く受けており、現在も一部の時計愛好家の間で高く評価されているのだそう。