デニムシャツやシャンブレーシャツと混同されることが多い「ダンガリーシャツ」。なんとなくデニムっぽいシャツ…ということまでは把握していても、明確に区別がついている方は意外と少ないのでは?今回は、ダンガリーシャツの定義とおすすめのアイテムを厳選して紹介!
ダンガリーシャツの“ダンガリー”の意味
「ダンガリー」とはデニム生地の一種で、名前の由来はヒンディ語のdungrīにあるという説が有力。ダンガリー生地は西インド(ムンバイのあたり)が発祥の地とされており、そこの地区のひとつであるドングリ(Dongri)という地名に由来するのではないかと言われている。英語でも1600年代初頭から使われている言葉で、厚手で粗めに綾織りされた木綿の布のことを指す。その多くは青く染められているため、木綿を綾織りしたインディゴ染めの生地であるデニムの一種とされているというワケだ。日本では基本的に「ダンガリー+シャツ」の言葉のセットが浸透しているが、アメリカ英語ではこの生地で頑丈に仕立てられた作業着のズボンのことを、イギリス英語では生地の種類を問わず胸当て付きのオーバーオールのことを表す。日本では発音の問題から、誤って“タンガリーシャツ”と呼ばれることも多い。
そんなダンガリー生地を使って仕立てられたシャツは、丈夫で耐久性に優れたコットン素材のワークシャツとして人気を集めており、インディゴブルーに染められた色使いが特徴。アメカジスタイルの定番アイテムでもあり、アメカジファッションが広く浸透している日本においても馴染みがあるシャツアイテムだ。ダンガリー生地の特徴は、タテ糸に白い糸、ヨコ糸に青や黒などの色糸を使っている点。これを綾織りすることによって、白い糸が表に出る分量が増えるため、うっすらと白っぽい淡いブルーの表情が生まれる。
「デニム」と「シャンブレー」はダンガリーとどう違うか?
ダンガリーシャツと混同されやすいのが「デニムシャツ」と「シャンブレーシャツ」。ダンガリーとはどう違うのか?異なる特徴をそれぞれ見ていく。
スポンサーリンク
・デニム
ダンガリーと真逆の織り方をしたのが「デニム」だ。ダンガリーはタテ糸に白、ヨコ糸に色糸を使っているが、デニムはタテ糸に色糸(主にインディゴブルー)、ヨコ糸に白糸を使用。綾織りはタテ糸の方が表に出る面積が広いため、デニム生地は色糸が濃く出るという特徴を持つ。ジーンズを穿き込むとこのタテ糸の色が落ち、味のある風合いに変化する。
・シャンブレー
「シャンブレー」はデニムと同様にタテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸を使用するが、そもそもの折り方に違いがある。デニムは綾織りで作られるのに対して、シャンブレーは平織りで薄い生地に仕立てられているのだ。平織りだと色糸と白糸が均等に織られていくため、表面に出てくる糸の分量も同じ。それぞれの糸が半々で混ざり合うので、色が薄くあっさりとした印象に仕上がるのがシャンブレーだ。
ダンガリーシャツはあまり流通していない?
ここまでダンガリーとともにデニムとシャンブレーを紹介してきたが、後者2つは多くのブランドが展開しているのに比べ、ダンガリーシャツはあまり世に出回っていない。デニムシャツの一種なので、リーバイスやリーなどのデニムブランドなら展開があるかと思いきや、現状は取り扱いがないようで、大手ファッションECサイトなどで検索をかけてもほとんど出てこないのが実情だ。唯一L.L.Beanのアイテムを見つけたので、こちらで紹介する。
L.L.Bean「デクスター・ダンガリー・シャツ」
L.L.Beanの「デクスター・ダンガリー・シャツ」は、日本の気候やトレンドに合わせて日本のデザインチームが手がけたJAPAN EDITIONコレクションのモデル。90年代のワークシャツをデザインベースにしており、ゆったりとした今っぽいボックスシルエットが魅力的なダンガリーシャツだ。素材はコットンとポリエステルを混紡しており、乾きが速くドライな質感が特徴で、気温が高くなってくる季節でもサラッと羽織れるのが嬉しい。