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バレンシアガ「トリプルS」が人気の理由①「ブームの火付け役となったボリュームソール」
トリプルSの最大の特徴と言えば、極厚のソールを置いて他にないだろう。5.5cmにも及ぶボリューミーなヒールは、空前のダッドスニーカーブームを巻き起こした象徴的なディテールだ。とはいえ、90年代のハイテクスニーカーブーム終焉から現在に至るまで、厚底スニーカーがほかになかったわけではない。スポーツメーカーが手がけるバスケットシューズはもちろん、ファッションブランドもハイボリュームなスニーカーは展開していた。トリプルSが他に抜きん出て爆発的な人気を獲得した背景には、アーティスティック・ディレクターであるデムナ・ヴァザリアによる緻密なデザインが背景にあるのだ。
「ただ分厚いだけ」ではないのがトリプルSのすばらしい点。ランニングシューズ、バスケットシューズ、トラックシューズの3つのソールをミックスさせた歪とも言える形状は、唯一無二の存在感を発揮する。つま先はランニングシューズのようにカーブさせ、カカト部分は台形状にどっしりとさせたシルエットも実に独創的。スポーツミックスやストリートスタイルに合わせることはもちろん、テーラードスタイルの外しアイテムとして起用するなど、意外にも幅広いコーディネートに対応できる。
バレンシアガ「トリプルS」が人気の理由②「高級感すら漂わせるビンテージ加工」
アッパーのレザー部分や、ソールのラバーにユーズド加工が施されているのも注目のポイント。初めて足を入れるその瞬間から履き古した印象を演出できる、絶妙なヴィンテージ感がよりダッドでこなれたムードを醸す。
