ネクタイ製造のパイオニア、ブリューワー(BREUER)の魅力と定番モデルを紹介

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ネクタイ製造のパイオニア、ブリューワー(BREUER)の魅力と定番モデルを紹介

創業から125年を数える老舗ネクタイメーカー、ブリューワー(BREUER)。伝統的な技法によって作られるこのブランドのネクタイは、機械製のネクタイでは成しえないボリューム感と上品な雰囲気をVゾーンにもたらせる。今回はアラン・ブリューワー氏に伺った同ブランドの歴史や魅力について紹介!

ブリューワーとは

19世紀末に創業したブリューワーは、ネクタイ製造を最初期に始めたメーカーのひとつとして知られる。オーストリアのウィーンが最初の拠点で、その後ベルギーへと移り、第二次世界大戦終戦以降はフランスのニースに本拠地を構えている。ハンドメイドによって製造されるこのブランドのネクタイは、上品な質感と自然な立体感が魅力。さらに厚みのある生地が使われており、ボリュームのある結び目や崩れにくいディンプルの構築を可能とする。南フランスのエスプリが効いた鮮やかな色味も特徴で、洗練されたVゾーンを演出できる。

ブリューワーの歴史

オーストリアのウィーンで最初の工場を設立

1892年に誕生したブリューワー。当時ヨーロッパのファッションの中心地だった19世紀後半のオーストリアのウィーンにて、マルクス・ブリューワーによって創業された。まだ発祥して間もない”ネクタイ”という分野において、ブリューワーはパイオニア的存在として成功を収めていく。1930年代には、息子のエリックやジュリアス・ブリューワーが経営に参画。事業は瞬く間に成長し、オーストリアからヨーロッパ全域へ、さらには中東へと販路を拡大していった。

フランスのニースで成功し、世界を代表するネクタブランドに

1938年にはベルギーに工場を設立。1946年にはブリュッセルを本拠に活動するが、戦争の影響もあり上手くはいかなかった。第二次世界大戦終結後の1951年、ベルギーを離れたブリューワーは、フランスのニースで再起を図る。この年にエリック・ブリューワーが手がけたコレクションは、フランスを始めとする国際市場で大きな注目を集めた。最新の設備を備えた工場と独自のデザインセンスで、ブリューワーは戦後のファッション市場で確固たる地位を築いていく。1974年、エリックの息子であるアラン・ブリューワー氏とウォルター・ブリューワー氏が経営に携わり、ファミリービジネスの伝統を順調に継承。1980年にはさらなる国際的な市場拡大を目指し、アジアへと進出した。この年から、日本や香港でもブリューワーの製品が販売されることとなる。1991年には、ニース・コート・ダジュール国際空港にほど近い地に本社社屋を建設。明るい陽射しと青空の街に相応しい、ネオ・プロヴァンススタイルで建てられた1500平方メートルのこの社屋は、ビジネスの成功を象徴するかのように4年後に3000平方メートルの規模には倍増されている。

アラン氏が語るブリューワーの真髄と国際展開

服を作る上で「布地や芯地の良さ、快適な着心地、そこから生み出されるエレガンスに同ブランドの真髄がある」とアラン氏は語る。そんな同ブランドも今ではフランス国外の売上が75%を占めるまでに成長するなど、国際的なブランドとなっているという。2000年にパリで2つめとなるフラッグシップショップをオープン。名門ファッションブランドが立ち並ぶヴァンドーム広場のそばに旗艦店を建てることで、ブリューワーの知名度はさらに高まっていった。そしてこのころから、ネクタイだけでなくスーツやジャケット、トラウザーズまで手がけるようになり、ハイエンドなメンズウェアを扱うブランドへと成長を遂げていく。ブリューワーの勢いはとどまることを知らず、2006年にはスペインのマドリードに新店舗をオープン。さらに同じ年、ニューヨーク五番街に建つ高級デパート「サックス・フィフス・アベニュー」にも店舗を開いた。ブリューワーの製品は、その後7年のあいだにパームビーチ、シカゴ、ニューオリンズ、サンフランシスコの計5店舗の「サックス・フィフス・アベニュー」で取り扱われることとなる。2008年に開催された北京オリンピックでは、フランス代表チームのためにユニフォームを提供。2015年にはソウルに3つのショップをオープンさせた。世界最古級のネクタイブランドであるブリューワーは、創業から125年を経たいまなお発展を続け、世界中の紳士から愛用されているのだ。

ブリューワー製ネクタイの魅力「ハンドメイド」

ネクタイほど、機械製かハンドメイドかによって最終的なクオリティに差がでるアイテムは珍しい。機械で作られたネクタイは、縫製がどうしても直線的になり、仕上がりが均一でペタっとした印象になってしまう。その一方、手縫いで仕上げたネクタイには適度な膨らみがあり、上質な雰囲気が漂うのである。ブリューワーのネクタイ製造は、柄の位置に配慮した生地のカッティングや、カンヌキ止め部分の手縫いなど、細かい工程までクオリティを追求した職人技術で高い評価を獲得している。
このブランドのハイレベルな裁断技術は、実際にネクタイを締めたときにその恩恵を享受できる。素材に対して正しい方向でカッティングすることで、生地同士のよじれを防ぎ、結び目が崩れにくくなるのだ。重みが均一に下方向にかかるため、締めたネクタイが真下にストンと落ち、シワが伸びやすくなるのも大きな特徴である。また、生地の風合いに合わせて、相性のよい芯をチョイスすることで、本来ネクタイに必要不可欠な”立体感”を生み出すのだ。

ブリューワー製ネクタイの魅力「肉厚で上質な生地」

シルクやウールといった素材をふんだんに使用したブリューワーのネクタイは、エレガントな光沢を帯び、上質な柔らかさに包まれている。これは、生地が薄く細かいシワが生じやすい合成繊維には実現できない、天然素材ならではの魅力だ。また、ブリューワーは、天然素材の中でも特にバランスの良いボリューム感を生みだす地厚な生地のみを採用していることでも有名。肉厚のすばらしい生地のネクタイは、非常に結びやすく、ほどけにくいという特性を持つ。綺麗で崩れにくいディンプルを作ることができ、さらにプレーンノットのようなシンプルな結び方でも、自在に結び目のボリュームを調整することを可能とするのだ。

ブリューワー製ネクタイの魅力「美しい発色」

有名なネクタイメーカーは数あれど、”美しい色味”という点でブリューワーの右に出る者はいないだろう。本拠を構えるフランス・ニースの美しい海や太陽を思わせる鮮やかな発色はこのブランドが最も得意とするところ。南フランスの果実を表現したトロピカルカラーや、地中海を彷彿とさせるブルーを基調としたコレクションは秀逸。高密度な天然素材のフランス産ファブリック、同じくフランスで考案されたデザイン、そして高い技術力を誇るイタリアで製造することで、最高級の色彩感覚を維持しているのだ。

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