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自分を雑に扱わないために。一流の先達から学ぶ3の整え

自分を雑に扱わないために。一流の先達から学ぶ3の整え

何事も継続は難しい。結果が出る前に、人はどうしても立ち止まってしまう。 これは能力の問題ではなく、単に「時間の捉え方」の問題だと、多くの研究者や実務家が指摘してきた。自分を律することに限界を感じたとき、筆者はつい「意味」や「目に見える成果」を急いでしまう。けれど、日本の未来を切り拓いてきた男たちの足跡を辿ると、彼らが大切にしていたのは「結果」そのものではなく、その手前にある「今、この瞬間の規律」であったことに気づかされる。新しい一年が始まったこのタイミングで「自分を雑に扱わない3の整え」をここで整理しておきたい。

日野原重明氏に学ぶ食事の整え

ボディメイクの世界では「食事が8割、筋トレが2割」と言われる。どれほど身体を動かしても、食生活が乱れていれば、望む変化は訪れない。逆に食事が整ってさえいれば、ハードなトレーニングに頼らずとも適正な体格を維持できると言える。この「内側の規律」を105歳まで現役を貫くことで証明したのが、医師・日野原重明氏だ。

日野原氏は、1日の摂取カロリーを約1300kcalに厳格にコントロールしていた。朝はジュースに大さじ1杯のオリーブオイル、多忙な昼は牛乳とクッキー数枚(ときには食べる時間を取れないことも)、夜は山盛りの野菜と少量の魚やヒレ肉でタンパク質を摂取する。その質素な食事を貫くことで、30代の頃の体重と、常にパリッと糊のきいた白衣やスーツが似合う端正な体躯を維持し続けた。

食事を整えることは、自分を慈しむことと同義だ。半年後の数値を追うのは気が遠くなるけれど、今日、自分の体に入れるものを少しずつ丁寧に選んでみる。その小さな完結が、未来の自分を支える確かな土台になっていくと信じて過ごしたい。

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盛田昭夫氏に学ぶ運動による身体の整え

ソニーの共同創業者・盛田昭夫氏は、世界を股にかける多忙な生活の中でも、毎朝のテニスを欠かさないことで知られていた。1993年、72歳の時にテニスコートで倒れる直前まで、真っ白なテニスウェアに身を包み、コートに立ち続けた彼にとって、運動は「経営資源としての自分」を磨き上げる義務であったのではないだろうか。

盛田氏は、公の場では常に洗練されたスーツを纏い、ソニーというブランドを体現していた。その凛とした佇まいを支えていたのが、日々の運動による自己規律だ。例え気分が乗らないとしても、あえて決めた時間に淡々と動く。それは、余計な葛藤から自分を解放し、「自分の意志で自分を支配している」という感覚を取り戻すための防衛策となる。

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白洲次郎氏から学ぶ装いの整え

「もう歳だからおしゃれなんて…」という諦めに、最も鮮やかな拒絶を示したのが白洲次郎氏だろう。戦後まもなく、40代にしてリーバイス501をいち早く穿きこなし、白のTシャツやロンドンのサヴィル・ロウで仕立てたスーツを悠然とまとった。80歳を過ぎてもなお、シルバーのポルシェを駆って風を切り、生涯を通じて自らの美学を磨き続けたその姿は、今なお色褪せることがない。

彼にとって装いを整えることは、単なるお洒落ではなく、己の「プリンシプル」の現れだったと捉えられる。身の回りのものを手入れし、自分に似合うものを知ることは、自分という人間に敬意を払い続けること。若さが落ち着いたあとに残る品格は、その人が自分をどう扱ってきたかという歴史そのものだ。鏡の中の自分に対して「オレはまだ、お前を諦めていない」と伝えるかのように、日々の装いに配慮し、静かな己との対話を続けていきたい。

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柳井正氏の「一勝九敗」という視点整え続けるために、ときには挫折も受け入れる

ファーストリテイリングの柳井正氏は、自らの歩みを「一勝九敗」と表現した。何かに挑むとき、計画通りに進まないのは、むしろ当たり前と考えるという。

一度の不摂生ですべてを投げ出したくなることもあるかもしれない。けれど、九敗の中にいながらも、また翌日から食事を整え、身体を動かし、服を選び、前を向く。そんな「復元力」こそが、自分を壊さないための優しさになるはずだ。

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あらゆる局面で「継続」という選択肢を取れるように

これまで挙げてきた人物に共通するのは、努力を成功のための条件としてだけでなく、自分という存在を崩さないための「前提」として扱っている点だ。自分を律し、食事、身体、そして装いを整え続けること。 それは、常に気分が乗っているからできるわけではない。「自分を雑に扱わない」という態度を、日常の中にそっと固定すること。生活を崩さず、自分を丁寧に扱い続けているなら、その姿はそれだけで十分に誠実で、価値があるものだ。

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