ヴィンテージTシャツフリークの間では、Tシャツの大まかな年代を見極めるために袖や裾のステッチをチェックすることが多い。なかでも有名なのが「シングルステッチ」「ダブルステッチ」の違いによる年代の判別方法だ。例外はあるものの、知っておけば古着Tシャツを購入する際の判断材料として重宝するはず。
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90年代前半やそれ以前の古着Tシャツは「シングルステッチ」
90年代前半までのTシャツに採用されているのが「シングルステッチ」だ。袖や裾にポツポツとステッチが一列で並んでいる見た目が特徴。日本では天地引きとも呼ばれており、このステッチを取り入れるには専用のミシンとそれを扱える熟練した職人の技術が必要とされる。バイヤーのなかには、大量のTシャツのなかから効率良く買い付けを行うために、古く希少価値の高いシングルステッチのTシャツを優先してチェックするという声も。また、ヴィンテージウェア蒐集家として知られるデザイナーが手がけるブランドのTシャツは、あえてシングルステッチを採用しているなんてことも少なくない。
90年代後半のTシャツから徐々に「ダブルステッチ」が主流に
1994年以降のTシャツは生産効率を重視し、新たなミシンが開発されたことによって「ダブルステッチ」の仕様が登場。名前の通り、2本のステッチが走る見た目が特徴だ。シングルステッチのミシンよりも扱いやすく、早く縫い上げられるだけでなく、ステッチ2本で堅牢度アップが期待できるという利点から、一気に普及したと言われている。
90年代のTシャツには袖シングルステッチ、裾ダブルステッチの仕様も存在!
シングルステッチからダブルステッチに移行する90年代のTシャツのなかには、袖がシングルステッチ、裾がダブルステッチというミックス仕様の個体も存在する。現行モデルでは考えられないこんな珍しい仕様に出会えるのも、古着Tシャツならではの醍醐味のひとつだ。
以上のように古着Tシャツはステッチである程度の年代の判別はできるものの、正確な年代はタグやプリントのデザインやコンディションなどを総合的にチェックして判断するのが基本。ステッチはざっくりとした年代を判別するためのひとつの目安として参考にするのがおすすめだ。
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