バルマカーンコートの特徴的なディテール②「ラグランスリーブ」
襟ぐりから袖下にかけて斜めの切り替えが入った袖のことをラグランスリーブという。バルマカーンコートは1858年頃から流行したと言われているが、ラグラン・ケープが派生して誕生したと言われている。ラグラン・ケープとは、クリミア戦争で活躍したラグラン将軍が右手を負傷した際、簡易な着脱を目的に採用したもの。その名残としてラグランスリーブは存在しており、バルマカーンコートに採用されている。
ラグランスリーブはバルマカーンコートのクラシックなディテールだが、最近ではセットインスリーブを採用した構築的なシルエットのデザインも増えてきている。セットインスリーブを取り入れたコートも含めて、ステンカラーコートと呼ぶのが今では一般的。
バルマカーンコートの特徴的なディテール③「比翼仕立て(フライフロント)」
バルマカーンコートは、前立てボタンを全て閉じると、第一ボタン以外のボタンは露出しない仕様の比翼仕立てになっている。ボタンが隠れることで、ミニマルで品のある印象になるのが特徴だ。ちなみにこちらのディテールについてもクラシックなバルマカーンコートの特徴だが、ボタンが露出する通常の仕立てのコートも含めてバルマカーンコートと呼ばれることが多い。
欧米では「Overcoat」「Rain coat」と特に他の種類のコートとは呼び分けないケースも多い。続いては、ステンカラーコートを使った注目のメンズ着こなし&アイテムをピックアップ!
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