最新ピッティウォモから読み解くメンズファッショントレンドVol.1

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最新ピッティウォモから読み解くメンズファッショントレンドVol.1

2023年6月13〜16日で開催された「PITTI IMMAGINE UOMO 104(ピッティ・イマージネ・ウォモ 104)」。大雨の影響もあり、コロナ禍が明けて久しぶりに賑わった前回よりもやや物足りない来場者数となったが、お祭りムードは健在であった。今回もOTOKOMAE編集部員が現地へ取材に入り、見て感じた所感を2回に分けてレポート!

スーツ系有力ブランドは引き続き出展を見送ったものの、ややドレスの気配が戻ってきたピッティ104

2023年1月の速報記事でもレポートした通り、カジュアルやアウトドア系の流れが強まっている最近のピッティだが、今回の来場者を見るとスーツやテーラードジャケットに身を包んだ男性たちがやや戻ってきた印象を受けた。ただ、ラルディーニやタリアトーレ、ボリオリといったピッティの常連であったテーラー系ブランドは今回も出展を見送ったため、“ピッティといえばドレス巧者が集まる場”という以前のようなムードは未だ戻っていない。

BEAMSのエグゼクティブ クリエイティブディレクターである中村達也氏も同様の見解を持っており、「春夏ということもありますが、前回に引き続きドレススタイルの男性は少なめ。そして、ドレス業界において力を持つ主要人物が参加していないせいか、スーツやジャケットをカッコ良く着こなせている人の数がかなり減っているように感じます。前回のピッティ103では面白い着こなしを見せてくれた男性が多かったので、次回に期待です。」と述べていた。

中村氏も話すように、今回もスーツやジャケット姿の男性が少ないピッティであったが、OTOKOMAE編集部員が若干気になったのは正統派のスーツスタイルの男性たち。奇をてらわないネイビーやグレーなどのベーシックなスーツ姿が前回よりもやや多く目に留まったように感じられ(もちろん、それでもコロナ禍以前と比べると段違いで減少)、コーディネートも着崩しを取り入れない真面目な装いが目立った。これまでピッティでメインどころとして賑わいを見せていたドレス系ブランドが今後戻ってくるかどうかは期待薄だが、新しいドレス勢力が台頭してくるのか、はたまたこのままカジュアルの傾向に振れていくのか。次回以降のピッティにも注目だ。

今回のピッティ来場者たちがリアルな着こなしで見せてくれたメンズトレンドは?

ピッティ104で目立った新トレンド①「色はグリーンやブルーなどが引き続き目立つも、明度にやや変化アリ」

グリーンやブルーは引き続きメンズトレンドカラーとして人気の様相を呈していたが、色のトーンに変化の兆しが。グリーンはオリーブ系の武骨なトーンが長らくトレンドカラーとして君臨してきたが、ペールトーンのミントやピスタチオ系などの明るいグリーンの服に身を包んだ男性がこれまで以上に多く見受けられた。

また、淡く明るい色味はグリーンだけでなく、同じくトレンドカラーとしてここ数年人気を集めてきたブルーにもその流れが派生しており、コバルトブルーなどの明度の高い色味が目立った。ブラックで引き締めたモダンなカラーリングはこの夏ぜひ真似したい。

ピッティ104で目立った新トレンド②「“透けレイヤード”が気分!カジュアルスタイルは夏でも重ね着を楽しめるニット系トップスが人気」

例年はカットソーやシャツ系トップスが多く目立つ夏のピッティだが、今季はニット系のトップを着用した男性が多く見られた。ニットTシャツやニットポロ、薄手のカーディガンなど。また、涼しげなムードを醸し出す穴開き系ニットや透け感のあるニットを使って、“あえてインナーを見せる重ね着”を楽しむ姿も。前回のピッティ103では、シンプルな重ね着ではなく表情豊かなレイヤードを駆使した着こなしが目立ったが、身にまとうアイテム数が少ない夏でも重ね着の人気は健在か。

ピッティ104で目立った新トレンド③「革靴はタッセルローファーやビットローファーなどの飾り気のあるローファーが人気か」

夏のピッティ参戦者が着用する革靴というと毎回ローファーが根強く人気だが、今回はその中でもタッセルローファーやビットローファーなどの装飾的なデザインが目に留まった。前項で触れた重ね着トレンドにも共通して言えることかもしれないが、シンプル一辺倒ではなくどこかに飾り気を出す、といったような気分が来ているのかもしれない。そして、シューズといえばもちろん今回もスニーカー着用者は多く、トレンドに変化があったことをキャッチしているが、それについては第2弾の記事で詳しく紹介することとする。ちなみに、ビットローファーの元祖であるグッチのホースビットローファーは2023年で誕生から70周年を迎えており、ピッティ後に開催されたミラノファッションウィークにて記念の展示イベントが行われていた。そちらは後日アップ予定のミラノレポートにて改めて紹介する予定だ。

ピッティ104で目立った新トレンド④「ワイドパンツトレンドはそろそろ終焉?太めでもテーパードが効いたすっきりシルエットが兆しを見せる」

オーバーサイズのトレンドが長らく続いたことで、ボトムスもワイドパンツが長く主流であったが、ここにきてややその流れに変化が。ワタリ幅はワイドでも裾に向かってすっきりとすぼむテーパードがかかっていたり、太すぎず細すぎないストレートシルエットであったり、全体的にスマートなシルエットバランスに落ち着いてきたように感じられた。余談だが、イタリアの男性はもともとワイドパンツに馴染みがないそうで、彼らはワイドシルエットトレンドが落ち着いてきたことに対して少し安堵しているのだとか。シルエットが変化し始めているとはいっても、スキニーなどの細身のパンツがトレンドとして急浮上することは考えにくいため、緩やかに傾向を見守っていきたいところだ。

ピッティウォモ104のスペシャルゲストはフェンディ!久しぶりにビッグネームが参戦

毎度恒例となっている、スペシャルゲストによるピッティ期間中のファッションショー。今回はフェンディが招かれ、久しぶりにビッグネームのブランドがフィレンツェでショーを開催した。ランウェイはピッティ会場からやや離れた場所に位置するフェンディのファクトリー内、職人たちが作業をする工場に引き、ショーを実施。ファクトリーの雰囲気に合わせたエプロンやオーバーオールなどのアイテムを用いたコレクションが発表された。

ゲストデザイナーは新進気鋭のERL

ゲストデザイナーはアメリカ発のイーライ・ラッセル・リネッツが手掛けるブランド「ERL」。自身の出身地であるカリフォルニアの不良少年たちをイメージしたコレクションを、ピッティウォモ104にて発表した。単独としては初となった今回のショーは、2176年のフィレンツェを想定して制作したとのこと。シルバーのパーツやスパンコールをあしらったアイテムでフューチャリスティックな世界観を演出し、2023年のフィレンツェの夜を彩った。

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