良い物を長く使うためには、手入れが欠かせない。とくにスエード靴は、ほこりが入り込みやすく毛並みが乱れやすい起毛素材だけに、こまめなメンテナンスが不可欠だ。今回は、日本を代表するシューケアのパイオニア「コロンブス社」の三橋さんに、スエード靴の手入れ方法について教えて頂いた。
有名婦人靴ブランドや靴専門商社にて研鑽を積み、2012年にコロンブス社に入社。15年以上に渡って紳士靴と向き合ってきた経験を活かし、シューカラリストとして靴のカスタマイズを担当している。靴の傷補修・カラーリングといった業務に留まらず、シューケア研修や補修部研修、新商品開発、店頭販売など活躍は多岐に渡る。
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スエード靴のケアは大変?
スエード素材にはシミになりやすく汚れやすいという特徴があるだけに、スエード靴は手入れが大変な印象がある。しかし、三橋さんによれば、実はスムースレザーなどの銀付き革と比べてケアは簡単だという。日頃の手入れではブラッシングだけでOKで、万が一汚れた場合は適切なケアをすることでキレイな状態で長持ちさせられる。注意点として、銀付き革のケアと同じように乳化性クリームや液体クリーナーを使用すると毛が潰れてしまうため、スエード専用のシューケアグッズを必ず使用しよう。
スエード靴の手入れ方法は動画でもチェック可能!
本記事で紹介するスエード靴の手入れ方法は、OTOKOMAEのYouTubeチャンネルでも公開中。コロンブス社の三橋さんが実演しながら、手入れのポイントなどを解説しているので、ぜひチェックしてみてほしい。
スエード靴を履いた後に行う、普段のお手軽ケアとは?
スエード靴を履いた後は、毛並みが乱れていたり、ホコリなどの汚れがついている可能性大。そのため、必ずブラッシングをかけるようにしよう。その際に使用するのは馬毛ブラシ。スエード素材を傷める心配がなく、ホコリを掻き出すのに向いているためだ。コツとしては、毛が濃く見える方向にブラッシングをかけていくだけ。ちなみに、履いた後のケアではブラッシングだけで充分。ここから紹介するケア方法は全てブラッシングをした後に行うものになっているので、履いた後はブラッシングをする習慣を身につけるようにしよう。
使用した馬毛ブラシはこちら!「BootBlack(ブートブラック) 江戸屋ブラシ 馬毛 BBブラシ」
スエード靴の毛先にこびりついた汚れはどう手入れすべき?
スエード靴のカカトや内側面は擦れやすく、毛羽立って汚れが付着してしまいやすい。ブラッシングだけで取りきれないようなら、ガムタイプのクリーナーを使うのがオススメだ。気になる部分を擦るだけで毛についている汚れを吸着してくれるため、こちらもお手入れは簡単。力を込めると靴を傷つけてしまうので、優しく擦って汚れを落とそう。
使用したガムクリーナーはこちら!「BootBlack(ブートブラック) BBクリーニングバー」
スエード靴の光沢を消すために行う手入れは?
基本的にスエード靴には光沢はないが、つま先やかかとなど擦れやすい箇所は毛が寝てしまいやすく、不自然なツヤが出てしまいがち。そういった場合には、ワイヤーが含まれている金ブラシを使用して、寝ている毛を起こしていこう。その際、手首のスナップを使いながらブラッシングを行うのがポイント。ちなみに、毛が寝ていると防水スプレーがつきにくくなり、撥水効果が薄れるうえ汚れもつきやすくなるので、こまめに毛を起こすメンテナンスをしよう。
使用したスエードブラシはこちら!「COLUMBUS(コロンブス) スエードブラシC」
スエード靴の深い部分に浸透した汚れのケア方法は?
スエード靴に汚れが浸透してしまい、部分的に毛の色がムラに見えるという場合には、フォームタイプのシャンプーを使ったケアがおすすめだ。今回使用するシャンプーは泡で出てくるタイプで、これをピンポン玉サイズほどの量を取りスポンジに染み込ませ、スエード靴に塗布していく。するとスポンジが汚れを吸着し、しかもシャンプーに含まれている油分がスエードをしっとりさせ、元の色がはっきりと浮かび上がってくる状態に。この工程も大した手間ではなく、5分あれば完了するのでスエード靴のメンテナンスの際にはぜひ行なってみてほしい。
使用したフォームシャンプーはこちら!「COLUMBUS(コロンブス) フォームシャンプー プラス クリア」
スエード靴のパサつきや色抜けが気になる。そんな時は栄養補給や色を補うケアを!
スエード靴の乾燥が激しく、革の柔軟性が損なわれパサパサとした質感になってしまった時にはスエード専用の栄養剤を。スエード靴にプッシュするだけで質感が蘇り、しかも靴本来の色味も戻ってくるので使わない手はない。もし、栄養剤を使っても色が戻ってこないという場合には、専用のスプレーを使って補色しよう。