
NIKE「Air Force 1」は、1982年にバスケットボールシューズとして誕生し、いまやストリート、モード、ラグジュアリーまで横断する不朽の名作に。今回は、Air Force 1の歴史、特徴、名作コラボ、着こなしまで一挙に紹介!
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NIKE「Air Force 1」とは?廃れることのない人気を誇るNIKEの傑作スニーカー
Air Force 1は、NIKEが手掛けるロングセラースニーカーのひとつ。1982年にBruce Kilgore(ブルース・キルゴア)氏がデザインを手掛け、Nike Airを搭載した初のバスケットボールシューズとして登場した。発売当初はハイカットモデルからスタートし、のちにローカットモデルも展開。現在ではLOW、MID、HIGHを軸に、素材やカラー、コラボレーションモデルまで幅広いバリエーションが存在する。
バスケットシューズから始まり今ではスニーカーの定番に!Air Force 1の歴史
【1980年代】誕生から生産終了を経て復活バスケットボールシューズとして登場して一時的に生産終了。ボルチモアにて復活し話題に
Air Force 1は1982年に登場し、翌1983年にはMoses Malone(モーゼス・マローン)、Michael Cooper(マイケル・クーパー)ら6人のNBAプレイヤーに配給された。のちに“Original Six”として語られるこの起用は、Air Force 1がストリートの定番になる以前に、本格的なバスケットボールシューズとして打ち出されていたことを示す象徴的な出来事である。
しかし1986年、後継モデルとなるAir Force 2の発売に伴い、エア フォース 1は一度生産終了となる。それでもストリートバスケットボールのシーンや一般ユーザーからの支持は根強く、ボルチモアのCharley Rudo Sports(チャーリー・ルドー・スポーツ)、Downtown Locker Room(ダウンタウン・ロッカールーム)、Cinderella Shoes(シンデレラ・シューズ)の3店舗がNike本社に再発売を直訴。申し出を受けたNikeは、1カラーあたり1200足を販売することを条件に、この3店舗限定で再発売を決定した。
のちに“3 Amigos”として語られるこの3店舗でAir Force 1が発売されると、噂を聞きつけたユーザーが殺到。東海岸の各地からボルチモアまで足を運ぶファンも現れた。この人気を受け、1988年にはオリジナルカラーの復刻が実現。ローカルの熱狂が一度消えかけた名作を呼び戻し、1990年代のストリート定着へとつながっていく。
【1990年代】ファッションアイテムとして価値が開花バスケットボールコートを離れてストリートの定番へ
1980年代後半の復活を経て、Air Force 1は1990年代に入るとバスケットボールコートからストリートへと活躍の場をさらに広げていく。1990年代、バスケットボールシューズは、Air Jordanシリーズを筆頭により軽量かつ高機能に進化。一方、Air Force 1は、競技靴としての最前線から少しずつ距離を置きながら、ファッションアイテムとしての価値を高めていった。
その中でも支持を集めたのがローカットモデル。着脱しやすく、パンツのシルエットを選ばない形状に加え、白レザーのクリーンな見た目と厚みのあるソールがストリートウェアにもよく馴染んだ。その汎用性こそ、Air Force 1がコートを離れても支持を広げた理由である。1990年代中盤以降は、カラーや素材のバリエーションも広がり、限定仕様や特別なモデルに注目が集まるようになった。
【2000年代】音楽シーンでアイコン化ヒップホップがその人気をさらに押し上げる
1990年代にストリートシューズとして定着したAir Force 1は、2000年代に入るとヒップホップカルチャーとの結びつきをさらに強めていく。象徴的なのが、Nellyが2002年に発表した楽曲「Air Force Ones」だ。スニーカーのモデル名がそのまま曲名となり、Billboard Hot 100で3位を記録。Air Force 1は単なる人気スニーカーではなく、ヒップホップの中で共有されるアイコニックな存在として広く認知されるようになった。
また、同時期の象徴的な事例が、Jay-Zらを擁したヒップホップレーベル「Roc-A-Fella Records(ロッカフェラ・レコード)」のロゴを配したAir Force 1だ。Roc-A-FellaとAir Force 1のコラボは2000年、Nikeがレーベルメンバーにオールホワイトの限定品を贈呈したことから始まる。シュータンとヒールにレーベルロゴを配したこの一足は、ヒップホップシーンとAir Force 1の結びつきを象徴する特別なモデル。贈呈から10年以上を経て、同モデルは初めて一般発売された。
【2010年代】多くの名作コラボが登場名だたるブランドやクリエイターとのコラボを発表!ノームコアからストリートブームを経て時代の中心に
2000年代にヒップホップカルチャーとの結びつきを強めたAir Force 1は、2010年代に入るとノームコアの潮流とも自然に接続していく。2010年代前半は、過度な装飾やロゴ主張から距離を置き、白Tシャツやデニム、スウェット、スラックスといったベーシックな服をどう洒落て見せるかに注目が集まった時代。既に定番としての地位を築いていたAir Force 1は、主張を抑えた服装に清潔感とほどよいボリュームを加える一足として、この時代にもマッチしていた。
また、同時期には、クラシックな見た目を保ちながら、履き心地や素材を現代的に更新する動きも進む。2012年には誕生30周年の節目に、LunarlonクッショニングやHyperfuseテクノロジーを取り入れたLunar Force 1が登場。さらにFlyknitなどの素材を採用したモデルも展開され、Air Force 1は完成された定番でありながら、時代に合わせて軽量性や快適性を取り込むモデルとして進化していった。
2010年代後半に入ると、ストリートブームとコラボ文化の盛り上がりによって、Air Force 1は再構築のベースとしても存在感を増していく。2017年の35周年企画「AF100」では、Don C、Kareem “Biggs” Burke、Errolson Hugh、Travis Scott、Virgil Ablohらが白のAir Force 1をそれぞれの視点で再解釈。なかでもOff-Whiteとの「THE TEN」は、“AIR”の文字、結束バンド、オレンジタブ、縫製をあえて見せるスウッシュなどのディテールによって、完成された名作に新しい読み方を加えた。こうしてAir Force 1は、定番スニーカーでありながら、クリエイターの思想を映すキャンバスとしても存在感を強めていく。
【2020年代】グローバルな文化資産へK-POP、ラグジュアリー、40周年で価値をさらに拡張
2020年代に入ると、Air Force 1は米国のストリートやヒップホップの文脈を越え、アジア圏のカルチャーとも強く結びついていく。その象徴が、G-DRAGONが手掛けるPEACEMINUSONEとのコラボレーションだ。2019年に登場した「Para-Noise」が話題となり、2020年には第2弾も登場。Air Force 1はソウル発のクリエイティブやK-POPカルチャーとも接続する一足として存在感を広げた。
さらに2022年には、Virgil Ablohが手掛けたLouis VuittonとNikeのコラボによる「Air Force 1」が大きな話題を集める。Louis Vuittonの2022年春夏メンズコレクションのために制作された同作は、Sotheby’sのオンラインオークションで200足が出品され、専用ケース付きの特別な一足として展開された。同じ2022年には、誕生40周年を迎えたAir Force 1の歴史を見つめ直す動きも強まった。Nikeは「Color of the Month」シリーズを通じて、前述した80年代にボルチモアのショップが再販の流れを生んだ歴史に改めて光を当てている。
アフロ The Louis Vuitton and Nike expression of the “Air Force 1” by Virgil Abloh are on display before the auction at Sotheby’s in New York City on Friday, January 21, 2022. Photo by John Angelillo/UPI
名作を形づくるディテールAir Force 1を象徴する5つの特徴
Air Force 1はバスケットボールシューズとして開発されたため、機能面にも見どころが多い。ヒールに備えたエアクッション、急な方向転換をサポートするアウトソールのピボットポイント、足首のフィット感を高めるアンクルストラップなど、当時のバスケットボールシューズとしては先進的な機能を数多く搭載していた。ここからはAir Force 1の特徴を紹介する。
Air Force 1の特徴1見えないNike Airが支えるクッション性
Air Force 1を語るうえで欠かせないのがミッドソールに内蔵されたNike Airだ。その最大の特徴はNike Airが外から見えないこと。Air Maxシリーズのようにテクノロジーを視覚的に主張するのではなく、クラシックなミッドソールの内側に収められている。また、エアはヒール部分から土踏まず付近まで配置。シューズ全体には安定感を高めるために約5度の傾斜が設けられているという。
Air Force 1の特徴2シンプルなアッパーに機能美を宿すベンチレーションホール
アッパーの甲部分に配されたベンチレーションホールは、Air Force 1ならではのディテールだ。こちらは、1982年に登場した最初期モデルには存在しなかった仕様であり、バスケットボールシューズとして実戦投入される中で、選手の要望を受けて後から加えられた。機能由来のディテールがシンプルなアッパーの上でさりげなくアクセントを生み出している。
Air Force 1の特徴3肉厚な履き口が生む履き心地の良さとボリューミーな見た目
シュータンの裏側やヒール周辺にクッション材を備えることで、足首周りが包み込まれるような履き心地に仕上げられている。履き口に厚みがあるので、足首やかかと周辺が擦れにくくなっているのもポイント。また、快適な履き心地を支えるだけでなく、丸みを帯びた履き口のシルエットが、Air Force 1らしいボリュームのある佇まいにもつながっている。
Air Force 1の特徴4バスケットボールがルーツにある円形パターンのアウトソール
Air Force 1のアウトソールには、ピボットポイントと呼ばれる円形のパターンが刻まれている。これはバスケットボールのプレー中に、足裏を軸にして方向転換しやすくするための設計。スニーカー好きならひと目でそれとわかるアウトソールは、スマホケースにも採用されたこともあるほどアイコニックなデザインだ。
Air Force 1の特徴5素材の違いで印象を変える豊富なアッパーバリエーション
Air Force 1は、アッパー素材のバリエーションが豊富なモデルでもある。定番のレザーをはじめ、ヌバック、スエード、デニム、キャンバス、Flyknitなど、同じフォルムをベースにしながら多様な素材使いのモデルが展開されてきた。
カルチャーを動かした代表作Air Force 1の名作コラボを厳選紹介
膨大な量のアーカイブが存在するAir Force 1のコラボモデル。ここでは、Air Force 1の歴史やカルチャーを語るうえで外せない名作を厳選紹介!
Air Force 1の名作コラボモデル1Nike Air Force 1 Low Roc-A-Fella AF100
Jay-Zらを擁したヒップホップレーベル、Roc-A-Fella Recordsのロゴを配したAir Force 1。NIKEが2000年にレーベルメンバーへオールホワイトの限定品を贈呈したことから始まったコラボであり、当時は一般発売されていなかった特別な一足だ。Air Force 1の誕生35周年を記念した2017年のプロジェクト「AF100」の一環として復刻され、17年の時を経て一般発売。シュータンとヒールに配されたRoc-A-Fellaのロゴは、Air Force 1とヒップホップカルチャーの深い結びつきを象徴している。
Air Force 1の名作コラボモデル2Off-White × Nike The Ten Air Force 1 Low
Virgil Ablohが手掛けたOff-Whiteとの「THE TEN」は、Air Force 1を“完成された定番”としてではなく、“再構築できる名作”として見せた象徴的なコラボモデル。2017年に登場した同作は、半透明のアッパー、縫製をあえて見せたスウッシュ、“AIR”のテキスト、結束バンドなど、Off-Whiteらしいディテールを随所に採用した。Air Force 1の基本形を残しながら、通常は隠される構造や製作過程をあえて可視化したようなデザインは、当時のスニーカーシーンに大きな衝撃を与えた。クラシックをそのまま復刻するのではなく、解体し、読み替え、現代のストリートへ接続した一足と言える。
Air Force 1の名作コラボモデル3Supreme Nike Air Force 1 Low
Supremeとのコラボは、Air Force 1の完成されたデザインを崩さず、ヒールサイドに小さなボックスロゴを添えた一足。白、あるいは黒を基調にしたベーシックなカラーリングで展開され、定番の上にストリートブランドの記号を最小限に差し込むアプローチが採られている。Air Force 1が持つ普遍性と、Supremeの持つストリートの文脈が、極めてシンプルな設計の中で結びついたモデルだ。
Air Force 1の名作コラボモデル4COMME des GARÇONS Nike Air Force 1 Mid
COMME des GARÇONSとのコラボモデルは、Air Force 1をモードの視点から再解釈した一足。ベースにはミッドカットを採用し、アッパーのパーツを重ねるように配置することで、通常のAir Force 1とは異なる立体的なシルエットに仕上げられている。切りっぱなしのようなデザインや、パネルが外側へ張り出した独特の造形は、ギャルソンらしい実験性を感じさせるディテール。モードな雰囲気漂うコラボモデルとなっている。
Air Force 1の名作コラボモデル5PEACEMINUSONE × Nike Air Force 1 Low Para-noise
G-DRAGONが手掛けるPEACEMINUSONEとの「Para-noise」は、Air Force 1とK-POPカルチャーの接続を象徴するコラボモデル。こちらは2019年に第一弾として登場したブラックベースの一足。履き込むほどにアッパーの塗装が剥がれ、下層に隠されたアートワークが現れるというギミックで話題を集めた。2020年に第2弾、2024年に第3弾も登場した。
Air Force 1の名作コラボモデル6Louis Vuitton Nike Air Force 1 by Virgil Abloh
Virgil Ablohが手掛けたLouis Vuittonとのコラボモデルは、ストリートスニーカーとラグジュアリーの境界を越えた歴史的コラボレーションだ。2021年6月にLouis Vuittonの2022年春夏メンズコレクションで発表され、Air Force 1をベースに全47モデルが制作された。ダミエやモノグラムといったメゾンを象徴する意匠に、ヴァージルらしい“AIR”や“LACET”のテキストを組み合わせたデザインは、Air Force 1をラグジュアリーの文脈へ引き上げるものだった。2022年1月末には、Sotheby’sでチャリティオークションが開催され、専用のLouis Vuitton製パイロットケース付きの200足が出品された。
Air Force 1の名作コラボモデル7NIGO Nike Air Force 1 LO2
2026年5月に発売された本作は、NIGOとNIKEによる初のAir Force 1コラボ。1990年代初頭にNIGOと高橋盾氏が手掛けた雑誌連載「LO2」と、両氏が立ち上げた裏原宿のセレクトショップ「NOWHERE」から着想を得たモデルだ。セイルとロイヤルブルーのカラーリングは、かつてNOWHEREの正面に掲げられていたサインに由来。パテントレザーのアッパー、LO2とNIGO Airのロゴ、通常のAir Force 1よりもシャープに見えるフォルムなどといった仕様に。
ドレスからストリートまでエア フォース 1を取り入れた着こなしをチェック!
シンプルデザインで素材によって様々な表情をみせるAir Force 1は、幅広いコーデに馴染む。
NIKEとは?世界中のスニーカーカルチャーをリードし続けるブランド
米国のオレゴン州に本社を置くNIKEは、言わずと知れた世界的なスポーツブランド。創業者であるフィル・ナイトが、スタンフォード大学の卒業後に出向いた神戸でオニツカタイガーに出会い、その品質と低価格に魅了されて1962年に米国での販売権を取得したのが始まりだ。1964年、オレゴン大学の陸上コーチであったビル・バウワーマンと共同でNIKEの前身であるブルーリボンスポーツ(BRS)社を設立。日本からオニツカタイガーのランニングシューズを輸入しアメリカ国内で販売していた。次第にオニツカの製品開発まで関与するようになり、バウワーマンのアイデアによってオニツカは1968年に「タイガー コルテッツ」をデザイン。当時のBRS社の看板製品となった。
1971年にオニツカとの提携を終了したのち、ナイキの象徴である「スウッシュ(Swoosh)」がデザインされた最初のシューズを発表。スウッシュがギリシャ神話の勝利の女神「ニーケー(Nike)」が翼を広げたデザインに見えたことから、社員のジェフ・ジョンソンによる助言でブランド名と社名を「NIKE」とした。1980年代には、バスケットシューズの概念を根底から変えた「エアフォース1」や「エアジョーダン」をリリース。さらに、1995年に発売された「エアマックス95」は、前足部のエアまでも可視化された前衛的なデザインで空前のブームを巻き起こした。その後も数々のスーパーアスリートのシューズやスポーツウェアから、アーティストとのコラボレーションによって話題を呼ぶシューズを多く手がけるなど、スニーカーカルチャーやスポーツ業界の発展に大きく貢献している。
























































