記事で紹介した商品を購入すると、売上が当媒体に還元されることがあります。

ボリュームの魅せ方が変わってきた!2026年の秋冬コーデで組みたいシルエットとは?

ボリュームの魅せ方が変わってきた!2026年の秋冬コーデで組みたいシルエットとは?

ショート丈のアウターとワイドパンツを組み合わせたAラインは、今や街でもすっかり見慣れた着こなしとなった。もちろん、その人気が衰えたわけではない。ただ、ピッティやミラノのストリートスナップ、2026年秋冬のランウェイに目を向けると、上下のボリューム差を強調するスタイルとは異なるバランスも存在感を増している。

2026年秋冬、Aラインの先にどんな選択肢が見えるか?短丈×ワイドパンツがマスに浸透しきった今、全身のシルエットはNEXTフェーズへ

ここ数年のオーバーサイズトレンドによって、ゆとりのあるシルエットはメンズファッションの主流となった。その流れはトップスやアウターにとどまらず、パンツにも波及。ワイドパンツが広く浸透するなか、そのボリュームを生かす着こなしとして注目されたのが、ショート丈のトップスやアウターを組み合わせるAラインだ。上下の量感にメリハリをつけることで、下半身のボリュームを引き立てるこのスタイルは、若い世代を中心に街へ浸透していった。ただ、ワイドパンツが当たり前になった今、その魅力を引き出す方法は短丈アウターとの組み合わせに限らない。実際、2026年1月に開催されたPitti Uomo 109(ピッティ・ウオモ109)では、ロングコートとゆったりしたスラックスを合わせた装いが目立った。OTOKOMAE編集部による現地レポートでも、前年から続くこの傾向がさらに顕著になったと報告している。裾までたっぷりと生地を使ったパンツに、長いアウターを重ねる。上下のメリハリとは異なる、縦方向に流れるようなシルエットが新鮮に映るのだ。

ランウェイで見られる、もうひとつの潮流とは?80年代のリラックスしたテーラリングが、今のシルエットを考えるヒントに

こうした変化を読み解くうえで見逃せないのが、80年代のリラックスしたテーラリングを再評価する動きだ。当時、GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)が広めたのは、肩や胸を硬く構築する従来のスーツとは異なる、柔らかな仕立てと豊かなドレープを生かしたスタイル。1980年の映画『アメリカン・ジゴロ』では、アルマーニが手がけた衣装を主演のリチャード・ギアが着こなしたことで旋風を巻き起こした。

その80年代アルマーニの美意識を現代的に解釈するブランドとして、今注目を集めているのがSOSHIOTSUKI(ソウシオオツキ)だ。2026年秋冬コレクションでは、大きなラペルを備えた量感豊かなジャケットと、深いドレープを描くトラウザーズが登場。80年代の日本のビジネスマンやアルマーニを思わせる要素を取り込みながら、独自のテーラリングを提示した。ただし、ソウシオオツキの大胆に誇張されたプロポーションを、そのまま日常着として推奨したいわけではない。

ここで注目したいのは、身体を締めつけない仕立てや、布地が生み出す豊かな量感への再評価だ。同シーズンのZEGNA(ゼニア)のランウェイでも、チェック柄のダブルブレストジャケットに量感のあるトラウザーズを組み合わせた装いが登場。80年代のスタイルを直接再現したものではないが、クラシックな仕立てにゆとりを与えることで、現代的なプロポーションを表現している。

ジョルジオ アルマーニやルメールが示す、新しい全身のプロポーション2つの潮流が重なる先に見えてきた「ゆるIライン」

ワイドパンツが日常に定着したカジュアルファッションと、80年代由来のリラックスしたテーラリングの再評価。一見すると別々の流れだが、どちらにも共通するのは、服が持つゆとりをいかに魅力的に見せるかという視点だ。そこで2026年秋冬、新たな選択肢として提案したいのが「ゆるIライン」。上下のボリューム差を強調するAラインとは異なり、アウターにもパンツにも適度なゆとりを持たせ、肩から足元までの輪郭を縦方向に整えるスタイルだ。参考にしたいのが、ジョルジオ アルマーニの2026年秋冬コレクション。さらにルメールでも全身を縦方向につなぐプロポーションが際立った。どちらも、かつて流行したタイトなIラインとは異なるアプローチだ。大切なのは、服のゆとりを残しながら、全身の輪郭を整えること。Aラインで親しまれてきたワイドパンツの量感に、リラックステーラリングの発想を重ねることで、新たな着こなしの可能性が見えてくる。

全身の輪郭を縦にユルく整えるには、何をどう組み合わせる?アウターを羽織る秋冬こそ、ゆるIラインを取り入れる好機

ゆるIラインを実践するなら、アウターが活躍する秋冬は絶好のタイミングだ。Tシャツやシャツ1枚で過ごす季節は、トップスの裾位置とパンツの太さによって上下のボリューム差が生じやすい。しかし秋冬なら、アウターによって上半身の外側に新たな輪郭をつくれるため、全身のシルエットを調整しやすくなる。例えば、ヒップにかかる程度の着丈と適度な身幅を持つジャケットなら、上半身から下半身へのつながりを整えやすい。身頃が直線的で、裾を極端に絞らないデザインが特に好相性。ロングコートを選べば、さらに縦長の輪郭を強調できる。

そしてボトムスはワイドパンツだけでなく、腰回りや太ももに余裕を持たせながら、膝から裾までストンと落ちるセミワイドストレートパンツを積極的に取り入れていきたい。2026年秋冬のパンツのシルエットを考察した記事でも触れた通り、今はパンツの太さを誇張するより、ゆとりを持たせながらも腰から裾までのラインを美しく整えることに目を向けたい。その考え方を全身に応用するのが、今回のゆるIラインというわけだ。裾は靴を履いた状態で丈を調整し、過剰な生地のたまりをつくらないことも意識したい。さらに、アウターとパンツを同系色でそろえれば、色の切り替わりが抑えられ、縦方向の連続性も強まる。ただし、ゆったりした着こなしを狙うからといって、安易に服のサイズを上げるのは避けたいところ。普段Mサイズが合う体型なら、まずはそのブランドのM相当を目安に、もともとリラックスしたシルエットとして設計された服を選ぶのが基本だ。ブランドやモデルごとの寸法差を確認し、服本来のシルエットが正しく出る適正サイズを見極めたい。重要なのは服を必要以上に大きく着ることではなく、着丈や身幅、パンツの太さを組み合わせて、理想のバランスをつくることにある。

適正サイズで豊かなシルエットを楽しむゆるIラインを実践するなら、この5着のアウターに注目

ゆるいIラインをつくるうえで重要なのは、アウターの着丈だけではない。身幅の余裕、肩の形、裾の収まり、素材の落ち感まで含めて選びたい。ここからは、もともとリラックスしたシルエットに設計されたモデルを中心に、5着のアウターを紹介する。

ゆるIラインで使えるアウター1「厚手ウールのボックスシルエットが魅力」LEMAIRE「UTILITY JACKET IN DUFFLE WOOL」

ルメールの「UTILITY JACKET IN DUFFLE WOOL」は、厚手で密度の高いウールクロスを用いたユーティリティジャケット。ワークウェア由来のポケットやシャツカラーを備えながら、装飾を抑えたミニマルなデザインに仕上げられている。特徴は、適度なハリを持つ生地と、ゆとりを確保したボックスシルエット。サイズ48で胸囲124.8cm、着丈76.6cmという設計も、今回のテーマに好都合だ。ヒップにかかる着丈がパンツとの境界を自然につなぎ、セミワイドストレートのウールスラックスを合わせれば、量感がありながら端正なIラインを表現できる。ブラックのジャケットにチャコールグレーのパンツを合わせ、落ち着いた濃淡で奥行きを出す着こなしも良さそうだ。

詳細・購入はこちら

ゆるIラインで使える2「柔らかなカシミヤの量感を生かす」GIORGIO ARMANI「スタンドカラー ダブルカシミヤ シャツジャケット」

ジョルジオ アルマーニの「スタンドカラー ダブルカシミヤ シャツジャケット」は、上質なダブルカシミヤクロスを用いた一着。ボタン付きのスタンドカラーに胸元のパッチポケット、サイドポケットを備え、シャツジャケットらしい軽快さとコートの存在感を兼ね備えている。注目すべきは、ブランド公式がオーバーフィットと説明する、ゆとりを持たせたシルエット。カシミヤならではの柔らかな風合いによって、豊かな身幅も過度に誇張されることなく、落ち着いた佇まいに仕上がっている。グレーやブラックのセミワイドストレートスラックスを合わせれば、上半身の量感を生かしながら縦のラインを整えられる。80年代のアルマーニに通じる、身体を締めつけない服の魅力を、今の着こなしで楽しむための有力候補だ。

詳細・購入はこちら

ゆるIラインで使える3「ルーズな身頃と切り替えデザインが新鮮」Dries Van Noten「Overdyed cotton jacket」

ドリス ヴァン ノッテンの2026年秋冬コレクションから選んだのは、オーバーダイ加工を施したコットンジャケット。二重織りのしっかりした生地を用い、ファンネルネックカラーや前立てのストームフラップ、コントラストの効いた切り替えを取り入れている。ブランド公式がルーズフィットと説明する通り、身頃には十分な余裕があり、太めのパンツとも量感を合わせやすい。テーラードジャケットやウールコートとは異なる、カジュアルな方向からIラインを提案できる一着だ。ダークグレーのボディを生かし、ブラックのセミワイドストレートパンツを合わせれば、ジャケットのデザインを引き立てながら全身の輪郭を縦に整えられる。足元はシンプルなレザーシューズを選び、装い全体を引き締めたい。

詳細・購入はこちら

ゆるIラインで使える4「膝下まで届くロング丈で縦のラインを強調」Maison Margiela「ダブルブレスト ウールコート」

メゾン マルジェラの「ダブルブレスト ウールコート」は、クラシックなチェスターコートを独自の感性で再解釈した一着。ヘリンボーンを思わせる生地表現に、存在感のあるピークラペルと立体的なショルダーラインを組み合わせ、重厚感のあるデザインに仕上げている。注目したいのは、膝下まで届く長い着丈と、適度なゆとりを持つ身頃のバランス。公式サイトに掲載された着丈128.9cmという採寸値からも、そのロングシルエットがうかがえる。チャコールグレーのセミワイドストレートスラックスを合わせれば、コートから足元まで縦方向に量感をつなげながら、落ち着いた装いを構築できる。肩回りにはやや構築的な要素があるため、80年代のソフトなテーラリングをそのまま再現するものではないが、豊かなシルエットを現代的に楽しむ選択肢として申し分ない。

詳細・購入はこちら

この記事の著者

Follow us !

会員登録して
OTOKOMAEメールマガジンを受け取ろう

メールマガジンを受け取る

OTOKOMAE 公式 Instagram スナップ

OTOKOMAE 公式Instagramで最新スナップをチェック