
ゴルフウェア由来のスポーティーな機能性を備えるスイングトップ。英国をルーツとするアイテムだがアメカジテイストも併せ持ち、日本で構築された歴史もある、興味深いエピソードを多く持つアウターだ。今回はスイングトップにまつわる歴史や特徴的なディテール、着こなし、ブランドまでを体系的に紹介していく。
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春アウターの定番!ゴルフ由来のスイングトップ
スイングトップとはライトアウターの一種で、ゴルフプレー時の可動域を確保する目的で設計されたショート丈ブルゾンを指す。腕の振りやすさを重視して肩周りの可動域を確保したラグランスリーブや、身幅にゆとりを持たせたパターンが特徴であり、動作時のストレスを軽減するデザインが特徴。素材にはコットンやナイロンなど、軽くて通気性に優れた素材が採用されることが多く、春や秋のような中間シーズンに適したアウターとして定着している。
海外では呼び名が違う?スイングトップとは、ヴァンヂャケットの創業者が名付けた和製英語
実は「スイングトップ(スウィングトップ)」という呼称は日本独自のものであり、英語圏では一般に「ハリントンジャケット」と呼ばれている。スイングトップは、日本にアイビールックを広めたことで知られるVAN JACKET(ヴァン ヂャケット)の創業者、石津謙介氏が名付けたと言われており、現在は襟などのデザインが多少異なるショートブルゾンでも、総じてスイングトップと呼ばれることが多い。また、スイングトップのオリジナルとして広く認知されているのが、BARACUTA(バラクータ)の名作「G9」だ。英国 マンチェスターで誕生したこのアウターは、基本的に現在流通している多くのスイングトップの原型となっており、クラシックな一着として知られている。
スティーブ・マックイーンにエルヴィス・プレスリー…スイングトップは銀幕のスターたちも着用するファッションアイテム
バラクータのG9をはじめ、マックレガーのドリズラージャケットなど、名作が多いスイングトップ。スティーブ・マックイーンやエルヴィス・プレスリー、ジェームズ・ディーン、ジェイソン・ステイサムなど銀幕のスターたちもスイングトップを劇中で着用する姿が多方で確認できる。彼らは往年のファッションアイコンでもあり、スイングトップが古くからイケてるアウターとして認められてきたことが分かる。
機能美を構成する3つの要素スイングトップの代表的ディテール
スイングトップの代表的ディテールはこの3つ。いずれもゴルフウェアをルーツとするスポーツジャケットらしいディテールだ。
スイングトップの代表的ディテール1スイングトップの顔となる「ドッグイヤーカラー」
スイングトップの最大の特徴とも言うべきディテールであるドッグイヤーカラー。ボタンを外した状態が、犬の垂れた耳のように見えることから命名されたタブ付きの襟だ。ボタンを留めることでスタンドカラーにして風の侵入を防ぐという役割を持つ。
スイングトップの代表的ディテール2ゴルフでの実用性を考慮した「ボタン付きフラップポケット」
屋外スポーツのゴルフにおいて大事なのが、手を冷やさないようにすること。そのため、スイングトップには手を入れやすい斜めポケットを採用している。さらに、中にいれた物が落ちにくいようにボタン付きのフラップも備えているのが特徴だ。こういった実用的な機能も男心をくすぐるポイント。
スイングトップの代表的ディテール3風の侵入を防ぐ防寒機能「リブの袖と裾」
元来、防寒を目的としたアウターであるため、裾や袖口には風の侵入を防ぐためのリブが採用されている。ちなみに、ヴィンテージ物やクラシカルディテールを踏襲しているスイングトップは、リブではなくゴムシャーリングを採用しているものがほとんど。また、中にはリブ無しモデルも存在する。
肌寒い季節にあると便利な「スイングトップ」のおすすめ6選
スイングトップ おすすめ1Baracuta(バラクータ) G9
スイングトップといえばコレ!とも言うべきモデルが、このバラクータの「G9」。先にも述べた通り、エルヴィス・プレスリーやスティーブ・マックイーンなど、往年のスターが愛用していたことでも知られる名作中の名作だ。伝統的なデザインをキープしたまま、時代に合わせてシルエットなどを修正しているため、決して古くさく見えないのがG9の魅力。近年ではコラボアイテムもリリースされており、セレクトショップなどの別注モデルも多い。通常のモデルももちろんカッコいいが、他と被りたくない方はそういったコラボや別注モデルをチェックしてみてほしい。
スイングトップ おすすめ2VAN「バックロゴ刺繍 スウィングトップ」
ハリントンジャケットの元祖はバラクータのG9だが、“日本のスイングトップ”の元祖で言えば、ヴァンヂャケットと言って差し支えないだろう。白と赤で刺繍されたロゴが象徴的で、1960〜1970年代のアイビーブーム全盛期に大流行した、日本のトラッドファッションを代表する定番アウターだ。当時を知る人からすると、このレタリングデザインを見るとテンションが上がるはず。現行のものは現代のトレンドに合わせてシルエットなどがモディファイされており、今着ても古臭く見えない。
スイングトップ おすすめ3Polo Ralph Lauren「Bedford ツイルジャケット」
スイングトップの定番ブランドの一つであるラルフローレン。ドッグイヤーカラーやフラップポケット、リブパーツなど、クラシックなディテールを忠実に取り入れているあたりに、オリジナルへのリスペクトを感じる一着だ。左胸にはポニーロゴの刺繍、裏地にはラルフローレンらしいグリーンを基調としたチェック柄が全面に配されている。素材はハリのある薄手のコットンツイル製で、春にぴったりの一着だ。
スイングトップ おすすめ4AMI PARIS「ニューウール ハリントンジャケット」
コットン製のスポーティーなスイングトップとは違い、上品なニューウールのウールツイルを使用したアミ パリスの一着。スラックスに合わせたくなるようなウールの質感が特徴で、品のあるカジュアルスタイルを作るのにぴったりだ。ブラック一色のデザインだが、光沢のある大ぶりなボタンがアクセントに。
スイングトップ おすすめ5GLENFELL「ハリントンジャケット」
英国ブランドのグレンフェルから、ミニマルでクラシックなスイングトップをピックアップ。ドッグイヤーカラー、フラップポケット、リブ袖、リブ裾などのオリジナルのディテールをしっかりと再現したこちらは、祖国イギリスのムードを感じさせる。くすんだネイビーの色味が良い雰囲気を醸し出しており、渋いスイングトップコーデを組みたい方におすすめのアイテムだ。
スイングトップ おすすめ6A.P.C.「ジップブルゾン」
シンプルなスタイルを提案するアーペーセーのスイングトップ。ウエストのポケットはフラップが省略され、箱ポケットにチェンジされており、クラシックなデザインよりもミニマルな印象に。フラップポケットは物が落ちにくいなど、それはそれで便利だが、手の入れやすさを重視するのであればこんなポケットデザインを選んでみてはいかがだろうか。左胸にはボディと同色のロゴ刺繍でさりげなくアクセントをプラス。
迷ったらこれをチェック!スイングトップにまつわるQ&A
Q1. ハリントンジャケットとの違いは何か?デザインは同じ、呼称と文化的背景が異なる
構造的には同じ衣服を指すが、呼称と文化的背景が異なる。スイングトップは日本で定着した和製英語であり、ゴルフウェア由来の文脈を持つ。一方、ハリントンジャケットは英語圏で一般的な呼び名で、英国的なクラシックカジュアルの系譜で語られることが多い。「ハリントンジャケット」の名前の由来は、1960年代のアメリカのドラマ『ペイトンプレイス物語』でライアン・オニールが演じた登場人物「ロドニー・ハリントン」に由来する。
Q2. スイングトップとブルゾンの違いは何か?ブルゾンはショート丈アウター全般の総称、スイングトップはその内の一つ
ブルゾンとはショート丈アウター全般を指す総称であり、スイングトップはその内の一種である。つまり、スイングトップはブルゾンの一種であるが、すべてのブルゾンがスイングトップに当てはまるわけではない。
Q3. スイングトップがダサく見えるのはなぜか?サイズ感と合わせ方のバランス不良にあり
スイングトップに限った話ではないが、ダサく見える原因はサイズ感と合わせ方にあり、過度に大きいシルエットや不自然に短い着丈は、全体のバランスを崩しやすい。また、細身すぎるパンツの合わせもNG。スイングトップ自体が悪いのではなく、着こなしの設計次第で見え方が大きく変わる。
Q4. スイングトップは40代でも似合うのか?似合う。むしろ大人の服装に◎
装飾が少なく、構造の美しさで見せるアウターであるため、大人の装いと相性が良いのがスイングトップだ。ベージュやブラック、ネイビーなどの落ち着いた色味を選び、サイズ感を整え、スラックスや端正なシューズでまとめれば、軽快さと品格を両立した着こなしが成立する。
Q5. 春以外でも着用できるのか?秋は春と同様に主戦場、冬にインナーとして着るのもアリ
主戦場は春と秋だが、素材やインナー次第で着用期間は広がる。薄手のコットンや化繊なら春先から初夏、あるいは初秋に向き、やや厚みのある生地であれば秋の立ち上がりにも使いやすい。また、アウターとしてだけでなく、冬場にコートのインナーとして着る選択肢もアリだ。


































