スタジャンの着こなしを海外セレブたちに学ぶ！アイテムの歴史とメンズコーデ事例を凝縮して紹介

一着で着こなしをグッとスポーティーに見せることが可能なスタジャンは、海外のセレブたちもこぞって愛用するカジュアルアウター。今回はスタジャンの歴史にはじまり、海外セレブたちのストリートスナップをピックアップしてコーディネート事例を紹介！

スタジャンとは？

「スタジャン」とはアスリートが練習中や休憩中に身体を冷やさないよう作られた“スタジアムジャンパー”の略称であり、日本でのみ通用する和製英語だ。海外では一般的に「VARSITY JACKET(ヴァーシティジャケット)」と呼ばれ、エディ・スリマンによって打ち出されたサンローランのアイコニックピース“テディジャケット”はクラシックなヴァーシティジャケットがベースになっている。

サンローランのテディジャケット

そんなスタジャンの特徴的なディテールは、フロントが着脱しやすいスナップボタン仕様であることと、襟・袖口・裾部分の3ヶ所にリブパーツが採用されていること。特にリブ編み部分にはストライプが施されており、持ち味であるスポーティーな雰囲気はこのストライプによって醸される。さらに多くのスタジャンは身頃と袖で異なる素材を使用した切り替えデザインになっており、身頃にはウールやメルトン、袖はレザーとなっているものが多く存在する。ロゴやワッペン、刺繍などカラフルな装飾もスタジャンの特徴として挙げられるが、昨今ではアメカジ感やプレッピーなムードを残しつつ装飾性が控えめなヴァーシティスタイルが台頭し、人気ブランドのスタジャンは大人が着やすいスタイリッシュなタイプへと軒並みアップデートされている。ちなみに「VARSITY(ヴァーシティ)」とは“多様性”を意味するが、学校や大学のスポーツチームを指す言葉としても用いられ、ここで言うヴァーシティジャケットは“スポーツチームのジャケット”という意味だ。

スタジャンがコーディネートに与える印象

存在感バツグンのスタジャンはコーデの主役に相応しいスポーティーなカジュアルアウターの代表格だが、ロゴやワッペン、刺繍など装飾がトゥーマッチだと悪目立ちして子供っぽく見え、下手をするとアカ抜けないスタイリングになりかねないので要注意。しかも派手な色使いやポップなモチーフの装飾はその印象が強いため飽きやすく、スタイリングに馴染ませるにはシンプルなアイテムや抜けが良く中和力に長けた白アイテムを合わせがちなため着こなしもワンパターンになりやすい。要するにスタジャンはその持ち味である装飾がメリットにもデメリットにもなり得るため、年相応のアイテム選びと不自然さを感じさせない着こなしがコーデの決め手となることをお忘れなく。

スタジャンを着こなすコツとは？

スタジャンを着こなすコツ①「コーデがしやすくスタイリッシュに着こなしやすいモノトーンのスタジャンをチョイスする」

スタジャン攻略のコツはコーデがしやすくスタイリッシュに着こなしやすいモノトーンのスタジャンを選ぶことが有力な一手。黒、グレー、白の３色以内に限った色使いのスタジャンなら合わせるインナーとボトムスともにベーシックなモノトーンアイテムで賄えるため、コーデに費やすコストを抑えられることうけあいだ。もちろんコーデをモノトーンでまとめれば、スタイリッシュな印象も造作なくモノにできるという寸法。

スタジャンを着こなすコツ②「オールドスクールなスタイルを意識するならワイドレッグのボトムスを、キレイめにまとめるならスリムフィットのパンツをセット」

エディ・スリマンによるサンローランが初めてテディジャケットを打ち出した2013年からブームとなった2016年まで、エイサップ・ロッキー、マーク・ロンソン、ジョナ・ヒル、ジェフ・ゴールドブラム、ジョン・レジェンド、ケビン・ハートなど数多くのセレブリティはこのモードなスタジャンをすっきりとしたシルエットのアイテムの組み合わせでコーディネート。これを機に、スタイリッシュなスタジャンはキレイめに着こなすスタイルが定番となる。それまでスタジャンといえばチノパンを合わせるプレッピーな王道のスタイリングかワイドレッグのチノパンやバギージーンズと合わせるオールドスクールなヒップホップ、ストリートスタイルが主流だったが、モード的なアプローチも着こなしの有力な選択肢として急浮上。大きく分けてスタジャンの着こなしはトラッドとストリート、モードという3つのパターンが存在し、それぞれのテイストはどんなボトムスを合わせるか、どんなシルエットにまとめるかがポイントとなる。(画像はサンローランのテディジャケットを着たエイサップ・ロッキー)