
スニーカーブームが一段落した感のある昨今。とはいえ、スニーカー需要が無くなったわけではなく、ブーム加熱による投機的なムーブが収まり、リアルに日常で履けるベーシックなモデルに回帰してきている。そんな中、朗報が飛び込んできた。コンバースが大人スニーカーの新定番、いやすでに名作とも言えるモデルをリリース。その名も「オールスター LGCY」。今日のオールスター人気を下支えしてきた、あのアーカイブへの敬意を込めたモデルだ。
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オールスターファン歓喜!スニーカー黄金期の名作がここ日本でついに蘇った
モデル名に付いた「LGCY」とはLEGACYを省略したもの。遺産や伝統、伝承といった意味を持つ言葉である。今回登場した新モデルは、まさにその名を冠するに相応しい。というのも、2025年2月28日に発売されたオールスター LGCYは、1970年代に販売されていたオールスターのディテールを踏襲したものとなっている。同時代のオールスターは今もファンの間で名作とされ、長年愛され続けてきたが、なぜそこまで同時代のオールスターが人を魅了するのか?オールスターそのものの歴史と共に、次項で解説していく。
1970年代のオールスターって?コンバースが世界に誇る名作 オールスターの原点と歴史
コンバースのフラッグシップモデルとなるオールスターは、1917年に誕生して以来、世界的に定番とされ続ける、いわばスニーカー界の生ける伝説だ。YMCA(キリスト教青年会)で教鞭を取っていたジェームズ・ネイスミス博士によりバスケットボールシューズとして考案された同モデルだが、現在に続くオールスターの基礎を確立させたのはチャールズ・H・テイラー、通称チャック・テイラーだ。
NBAのスタープレイヤーだった彼は、同モデルを愛用。アドバイザーとして、実際に着用するプロの目線でオールスターの改良に貢献してきたことでも知られている。そんな彼の功績を讃えてヒールラベルやアンクルパッチに彼の名が記され、現在でもアンクルパッチにその名を残す。そんなオールスターは、100年以上の歴史の中でマイナーチェンジを繰り返してきた。それぞれの時代で魅力を認められるオールスターだが、とりわけ評価が高いのが60年代から70年代のオールスターだ。
その時代といえば、スニーカーヒストリーにおける黄金期。1966年にヴァンズのオーセンティック、1971年にはアディダスのスタンスミス、1972年にはナイキのコルテッツ、1973年にはプーマのクライドと、現在でも名品として受け継がれるモデルが豊作であった。
今回コンバースから登場したオールスター LGCYは、そんな時代へのリスペクトを込めて企画されたものだ。ここからは、オールスター LGCYが持つ3つの魅力を紹介していく。
オールスター LGCYの魅力1マニアックなディテールまで抜かりナシ!1970年代オールスターのデザインを再現
オールスター LGCYは、1970年代のオールスターを象徴するディテールを見事に再現。その内容は以下のギャラリーの通りだ。これらのディテールだけでなく、全体のシルエットにおいても再現性が実に高い。現行と比べてミッドソールに厚みを持たせていて重厚感がある一方で、トゥキャップはコンパクトで、上から見た際のトゥにかけてのシルエットはシャープだ。そのバランスが「これぞオールスター」というクラシックな印象を与える。
オールスター LGCYの魅力2ただの復刻モデルじゃない!? “見た目ヴィンテージ、履き心地はイマドキ”
今回のオールスター LGCYの登場は、ヴィンテージオールスター好きを喜ばせるだけにとどまらない。1970年代のオールスターのディテールを再現しつつも、履き心地は現代的なスペックにアップデートされている。
全体のシルエットに重厚感があるのが70年代オールスターの特徴だが、それを再現しつつ履き心地を向上させるためにアウトソールを新設計している。さらにミッドソールとインソールはPUシートとオーソライト、そしてスポンジラバーという3層構造を採用することで、優れたクッション性と通気性を実現。また、人間工学に基づきアキレス腱に沿う形状にデザインされたヒールカップによって、かかとのホールド感を高めている点にも注目したい。
オールスター LGCYの魅力3昔ながらの定番色から攻めた新柄まで。ツボを押さえたカラバリ展開
1970年代のオールスターを語る際に、外せないのがカラバリだ。ブラックとホワイトのみの展開だったオールスターは、1971年に一気にカラバリを拡大。全8色にバリエーションを増やしている。今回用意されたカラバリは、オールスター LGCYのハイカットとローカットにおいてはブラック、クラウドホワイト、パイングリーン、ホットピンクの4色だ。
価格:ハイカット 1万3200円、ローカット 1万2650円
さらにレオパード柄をあしらった「オールスター LGCY LP」のハイカットとローカットに加え、ローカットのみの展開となる「スエード オールスター LGCY」が、コバルトブルーとサファリベージュで展開されている。
そして全てのモデルにおいて、1970年代らしいヴィンテージ感を演出するためにトゥキャップ・テープにツヤ出し加工が施されていることも最後に伝えておきたい。