
服の買い物というのは不安定なもので、購入時は満足感、納得感を得たつもりでも、いざ実生活で着てみると意外にイメージと違ったり、着ているうちに欠点が見えてくることもある。筆者は合理的に物を選ぶタイプなのだが、それでも買ってから後悔したものは数多い。そこで今回は筆者の実体験から、合理的な男性に選んでほしくないアウターを紹介していく。
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“こだわり”と“使いやすさ”は両立できる服が好きな男こそ、選び方に合理性を持つべきだ。
服が好きで、自分なりのスタイルを持っている。そのスタイルに則って購入した一着でも、扱いづらい、意外と出番が少ない、疲れる、などと感じたことがある方は少なくないのでは?それは決してセンスが悪いなどそういった問題ではなく、選ぶ際に“合理性”の観点が欠けている可能性がある。合理的な服選びとは、手抜きでも妥協でもない。むしろ気に入った服をできるだけ長く、快適に着られるように選び抜くことだと言える。ここで言う合理性とは、「デザイン・素材・用途・手入れ・耐久性」などのバランスが取れていること。このどれかが著しく欠けると、どれだけ格好良くても結果的に着なくなってしまう可能性がある。以下では、そんな“服好きの男が陥りやすい非効率”をまとめた。
合理的な男が買ってはいけないアウター1着ている時も保管している時も気を遣う特殊素材のコート・ジャケット
見た目が良くても、着るたびに手入れや保管に気を遣わなければならない服は、次第に出番が減っていくことが多い。例えば、ゴム引きコートなどはその代表例。パリッと張りのある表情でコットンギャバジンなどとはまた違った魅力がある素材のアウターだが、とにかくシワがつくことに気を取られる。コートを着たまま座ることはもってのほかで、長時間カバンを肩に掛けることもNG。肘の内側や肩周りは屈折によるシワが付くこともクローゼットにしまう時は服が密接してシワがつかないよう、スペースに余裕があるところに掛けておいた方が良い。こういったシワは素人のアイロンでは治すことが難しく、かといってゴム引きのアウターを引き受けてくれるクリーニング店は非常に少ない。また、ゴムの経年劣化によって生地にヒビ割れが起きたり、張りがあることの弊害で袖口や裾などは摩擦によって傷がつきやすい。これらは全て筆者の実体験で、高価な買い物をしたのにすぐに傷がついたり手入れの面倒臭さで憂鬱になった記憶が鮮明に残っている。キレイな状態で服を着続ける難度が高いため、合理的に服を選ぶなら手を出さない方が良いアウターだ。
また、本革のレザーアウターも手入れが大変なアウターの一種。耐久性は高く、経年変化を楽しめるため、シワや色の変化が味になる素材だが、革は生き物のようなもので、クリームで保湿したり風通しの良いところで空気にさらしたりしないと、革の見え方が曇ったりカビが生えてしまうことも珍しくない。「着たいときに気軽に着られる」その感覚を奪う服は、長期的にはワードローブのノイズになる。服を大切にすることと、常に気を遣わなければならないことはまったく別の話だ。
ワックスアウターは少し我慢すれば意外と良い?
同じ系統で手入れや保管に気を遣うアウターの種類として、ワックスコットンのアウターも挙げられることが多いが、個人的にワックスアウターは長く気を遣わず使えるアウターだと捉えている。買ったばかりの時こそ、ワックスのベタつきが気になって後悔しかけていたのだが、着ているうちにワックスが抜け落ちてベタつきは気にならなくなり、むしろ色も少し褪せてヴィンテージ感のある風合いに。初めはクローゼットにしまう時もガーメントカバーをつけたりしていたが、今では裸でクローゼットに収納している。ワックスアウター好きはリプルーフで何度も重ね塗りをしていくが、私のような着方も大いにアリだと思う。
合理的な男が買ってはいけないアウター2オーバースペックは都市生活で持て余す。真冬でも汗をかくような重アウターはNG
極寒地で活動する米軍の特殊部隊のために開発されたモンスターパーカや、本格的な登山にも対応する山岳用シェルなど。もちろん防寒性は申し分ないが、都市生活でそこまでの機能を使う機会はほとんどなく、“高機能=高満足”とは限らない。むしろ、室内や電車内に入ると暑すぎて真冬なのに汗をかいてしまったり、中綿やダウンのボリュームでバッグを背負いにくかったりと、日常では不便に感じることもある。“本物を手にする喜び”というのは確かにあるが、オーバースペックは合理性とはかけ離れたもの。そういったヘビーアウターを購入するなら、都市型に洗練されたスペックのものを選びたい。
合理的な男が買ってはいけないアウター3主張の強さは、自由度の低さに直結する。着る場や合わせ方が限られるアウターは使いづらい
フォーマルすぎるダブルチェスターコートや、デザインのクセが強いブルゾン、鮮やかなカラーリングのナイロンジャケット。それらは一見スタイルの“核”になりそうでいて、実は着回しの幅を狭めるものとも言える。「この服に合わせるパンツがない」「この色に合うインナーがない」。そんな制約が積み重なると、自由度が低い服は自然とクローゼットの奥へ追いやられていく。主張が強く存在感があるアウターは限られたシーンでしか活躍の場が与えられない。デザインは控えめでも存在感のあるアウターこそ、日常で真価を発揮する。
合理的な男が買ってはいけないアウター4“着られる時期の長さ”も、服の価値のうち。季節の変化に対応できないアウターは稼働率が低い
厚手のウールやリネン100%など、特定のシーズンでしか快適に着られないアウターは、見た目が魅力的でも使える期間が短い。日本の気候は夏と冬での寒暖差が大きく、春や秋は昼夜の温度差が激しい。だからこそ、裏地や素材の工夫で“温度の振れ幅”に対応できる設計が理想だ。軽やかで通気性のあるウールや撥水ギャバジンを用いたコートは、季節をまたいで着られる現実的な選択肢といえる。
また、ライナーの付け外しで春秋アウターと冬アウターを変換できるアイテムは非常に合理的で超優秀。例えば、キルティングライナーやウールライナーが付属したコットンギャバジンのトレンチコートなどはその代表格だ。身頃部分だけに付いていることが多く着膨れしないため、インナーを重ね着するよりもスマートに防寒性をアップできる。
合理的な男が買ってはいけないアウター5“今っぽさ”は、最初から賞味期限つき、毎年アップデートが必要なアウターは続かない
オーバーサイズ、クロップド丈、ロゴもの、その年のトレンドを反映したアウターは、シーズンが終わると古く見えるリスクを抱える。象徴的なトレンドデザインを反映したアイテムは記憶に残りやすく、いつ頃流行ったものなのかを断定しやすいのだ。気に入って買った服ほど、すぐに着られなくなると喪失感も大きい。一方、構造そのものが完成されているクラシックなブランドのアウターは、時代を超えてワードローブに残る。そのクラシックアイテム自体がたまにトレンドにマッチして浮上することはあるが、それが過ぎたからといって古く見えることはない。流行を追うより、更新せずに着続けられる服を選ぶことが、最終的にはもっとも満足度が高い。





















