
夏の装いに清涼感と自然な表情をもたらすリネンシャツ。シワや乾いた質感を品良く見せる仕立て、襟元の表情、リラックス感の出し方など、一着ごとに異なる個性がある。今回は、リネンシャツという定番に独自の魅力を与えた名品を厳選して紹介する。
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リネンシャツの特徴高温多湿な季節に適して着るほど風合いが増す
リネンとは、亜麻(flax)の茎から採れる繊維を使った生地のこと。吸湿性と通気性に優れ、汗を吸っても肌にまとわりつきにくいため、高温多湿な季節にぴったりだ。シャリ感のあるドライな肌ざわりも特徴に挙げられる。繊維にハリがあり、着始めはやや硬さを感じるものの、着用と洗濯を重ねるほど柔らかく馴染んでいく。弾力性が低いためシワは残りやすいが、その自然な凹凸や織りムラが生地に奥行きのある表情を与える。日本では春夏シーズンの定番として知られているが、欧米のスナップでは、長袖のリネンシャツを春先や秋口に取り入れる姿も見られる。糸の太さや織り方によって生地の厚みが変わり、夏向けの薄手だけでなく、季節の変わり目に適した一着も作られているためだ。
リネンの開放感を控えめなエレガンスへと昇華1. Loro Piana「André Shirt」
1998年に誕生した「アンドレ・シャツ」は、Loro Piana(ロロ・ピアーナ)を象徴する定番モデル。1950年代のナポリ紳士の装いから着想を得ており、首元のボタンを外すと幅広の襟がラペルのように返る。一般的なシャツとは異なる優雅な表情を生み、一枚でもジャケットのインナーでも端正な雰囲気に。生地には、豊かな表情を備えたリネン100%のキャンバス地を採用。アロエを用いたソフト仕上げにより、リネンの乾いた風合いと、しなやかなドレープを両立している。開放感のある素材を、ロロ・ピアーナらしい控えめなエレガンスへ昇華した一着だ。
ナポリ仕立てがリネンの軽さに色気を与える2. Finamore「SIMONE Linen Shirt」
Finamore 1925(フィナモレ)を代表する襟型「SIMONE」を採用したリネンシャツ。ほどよく開いたカッタウェイカラーが首元を立体的に見せ、ボタンを外しても襟元に上品に着用できる。袖付け、ボタン付け、ガゼット付けの3工程は職人による手仕事。肩や腕の動きを妨げないように袖を取り付けることで、すっきりとした見た目と動きやすさを両立している。リネン100%の軽快な風合いに、ナポリシャツ特有の柔らかな仕立てと色気を重ねた一着だ。
イタリアの軽やかなリネンを英国仕立てで引き締める3. Drake’s「Ecru Linen Spread Collar Shirt」
Drake’s(ドレイクス)のためにイタリア・コモで織られた、軽量なリネン100%生地を使用。柔らかな芯地を配したスプレッドカラーが美しい形を保ち、リネン特有のシワや乾いた質感を上品な表情に整える。縫製は英国サマセットで行われ、シングルニードル縫製や白蝶貝ボタンなど、細部にも妥協のない仕様を採用。エクリュの穏やかな色合いと英国シャツらしい端正な仕立てが調和した一着だ。
南イタリアの開放感をプルオーバーに凝縮4. Massimo d’Augusto「ALAMARI Linen Capri Shirt」
リネンシャツを専門に手がける南イタリアのブランド、Massimo d’Augusto(マッシモ・ダウグスト)。代表モデルの「ALAMARI」は、短い前立てに3つのボタンを配したプルオーバー型のカプリシャツだ。ほどよく開く襟元とゆとりのあるシルエットが、リネン100%のドライな質感を引き立てる。ナポリ仕立ての伝統を受け継ぎながら、肩肘張らない優雅さを表現した一着。
日本人の体型を研究した設計で着やすさを追求5. BEAMS F「Linen Solid Open Collar Shirt」
BEAMS Fが毎シーズン展開する、オリジナルのオープンカラーシャツ。日本人の体型を研究した独自のパターンを採用し、腕を上げやすく自然にフィットする着心地を実現している。リネン100%の生地には製品洗いを施し、着始めから柔らかな風合いに。薄い芯地を使った襟とカフス、タカセ貝ボタンなど、気軽に着られる一着にもドレスレーベルらしい丁寧な作りが息づく。



































