ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)の魅力と定番モデルを紹介

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ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)の魅力と定番モデルを紹介

スイス有数のマニュファクチュールブランド、ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)。半回転時計や極薄ドレスウォッチなど、美しく高品質な腕時計は他メーカーの追随を許さない。今回は、ジャガー・ルクルトの魅力について紹介!robbreport

ジャガー・ルクルトとは

時計大国スイスでも数えるほどしかない、長年にわたりマニュファクチュール体制を貫くブランド、ジャガー・ルクルト。創業時から多くの発明を手がけ、膨大な数のムーブメントを制作。パテック・フィリップやヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲのような世界3大ブランドと言われるブランドにもムーブメントを提供してきた。高精度ムーブメントだけでなく、文字盤が回転する「レベルソ」のような独創デザインも魅力。美しさと性能を両立させながら、1000時間にわたる厳しいテストをクリアしたものしか商品化しないというこだわりぶり。

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ジャガー・ルクルトの歴史

創業者が開いた小さなアトリエから始まったジャガー・ルクルト

1833年、時計師アントワーヌ・ルクルト(Antoine-Lecoultre)氏がル・サンティエに開いた小さなアトリエがジャガー・ルクルトの起源。彼は時計職人でありながら、スチールから時計のカナを切り出す機械などのような時計造りに必要な工作機械も手がける発明家気質の人間だった。

創業者アントワーヌ・ルクルト氏(1803-1881)
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歴史的発明で時計製造の進化に貢献

工房設立から11年後の1844年、ルクルト氏はミクロン単位を測定できる史上初の計器、「ミリオノメーター」を発明。この計器の登場で、より正確な部品の製造を可能としたことから、時計製造の歴史を変えた発明とも言われている。さらに1987年には、初の竜頭巻き時計を誕生させた。巻き上げとセッティングに鍵を必要としていた当時の懐中時計。鍵の代わりに竜頭と小さなボタンを用いるこのシステムは、時計の使用方法自体を再定義したものだと言っても大げさではない。他の時計メーカーがこの鍵なし時計を迅速に導入できるよう、あえて特許を取得しなかったエピソードからも、アントワーヌ・ルクルト氏がいかに時計づくりの歴史に貢献しているかが窺える。ルクルト氏が手がけたこれらの発明や懐中時計は、1851年にロンドンで開催された第1回万国博覧会で披露され、金賞に輝いた。

初期のルクルト製懐中時計(1890)
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いち早く”マニュファクチュール体制”を取り入れたジャガー・ルクルト

19世紀後半の時計製造は、部品づくりから組み立てまでのいくつもの作業を、数100の家内工房で分担して行うのが一般的だった。ルクルト氏はこれらの工程や技術者たちをひとつの屋根の下に集結させるため、息子のエリー・ルクルト氏とともにジュウ渓谷初の本格的なマニュファクチュール、「LeCoultre & Cie」を設立。1870年には500人を越える従業員がルクルトのマニュファクチュールで働き、「ジュウ渓谷のグランド・メゾン」として知られることとなった。また、同じ年には複雑機構を備えたムーブメントに生産工程の一部を初めて機械化。1890年代中頃には超複雑機構として有名な、パーペチュアルカレンダーやミニッツリピーターを備えたモデルの製造を開始した。1900年までの段階で実に350種類以上のムーブメントが製造され、そのうち128種類はクロノグラフ機能を、99種類はリピーター機構を搭載。ジャガー・ルクルトの製造技術は当時から群を抜いており、1902年から30年間に渡り、時計ブランドの最高峰として名高いパテック・フィリップの腕時計の大半のムーブメントを手がけるほどだった。

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ブランド「ジャガー・ルクルト」の誕生

ブランドの立役者の一人、エドモンド・ジャガー(Edmond_Jaeger)氏はフランス・パリに拠点を置く時計師だった。ムーブメント開発に定評があり、当時のカルティエの経営者ルイ・カルティエ氏と手を組み名作「サントス」を生み出した人物としても有名。
そのエドモンド・ジャガー氏が、初めて「LeCoultre & Cie」と接点を持つのは1903年のこと。自らが考案した超薄型ムーブメントの開発注文を、アントワーヌ・ルクルト氏の孫にあたるジャック・ダヴィド・ルクルト氏が請け負ったのが始まり。これがきっかけで、1907年には世界で最も薄いムーブメント、「ルクルト製キャリバー145」を開発。1.38mmという厚みは、今なお懐中時計用ムーブメントとして最も薄い記録である。
その後もエドモンド・ジャガー氏とジャック・ダヴィド・ルクルトは、カルティエへのムーブメント提供の専属契約や新作腕時計「レベルソ」の開発などで協力関係を築き上げ、1937年ついに正式に「ジャガー・ルクルト」ブランドが誕生した。創業者から続く、発明への追求心は潰えることなく、パテック・フィリップの他にもヴァシュロン・コンスタンタンやオーデマ・ピゲなどスイスの名だたるメーカーにムーブメントを提供。現在に至るまで1242種類以上のムーブメントを製造し、約400件の特許を取得。成し遂げた新しい発明の数は100を越えると言われている。

エドモンド・ジャガー氏

反回転式文字盤のロングセラーモデル「ジャガー・ルクルト レベルソ」

他のメーカーにはない、ジャガー・ルクルトの顔としていまも世界中で愛されるロングセラーモデル「レベルソ」。1930年代、貴族階級が愛好したスポーツとして全盛にあったポロ。今でこそ高級腕時計の風防はサファイアクリスタルガラスが一般的だが、当時の低硬度ガラスはポロ競技に耐えられるものではなかった。貴族階級の「ポロ競技の衝撃に耐えうる時計を作って欲しい」という要望を受け、1931年に誕生したのが、世界初の反転式角型ウォッチ「レベルソ」である。

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文字盤自体をひっくり返して割れるのを防ぐという発想は、当時誰も考えつかないものだった。

初代レベルソ発表から2年後の1933年には、自社ムーブメントを搭載したモデルを完成。その高い精度が認められ、ポロ競技者だけでなく軍用にも愛用されることとなった。
強化ガラスが開発されたことやクオーツショックなどにより一時は生産を終了するものの、1984年に防水性能を備えた新シリーズを発表すると再び注目を集める。現在は初代モデルを踏襲したデザインの「トリビュート・トゥ 1931」や、表裏”両面”を文字盤にした2つの顔を楽しめる「デュエット」、トゥールビヨンやミニッツリピーター搭載の「グランドコンプリケーション」など多種多様なコレクションを展開。

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王道から複雑機構まで多彩に展開する「ジャガー・ルクルト マスターコレクション」

「マスター・グランド・トラディション」、「マスター・ウルトラスリム」、「マスター・コントロール」の3つのシリーズで展開されているマスターコレクションは、いかにも高級時計ブランドらしい端正なデザインが特徴。特にマスター・スリムは1907年に開発された世界最薄の超薄型ポケットウォッチからインスピレーションを得ており、究極のミニマリズムを実現。ケースの厚みは3.6mmという驚愕の薄さ。

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ジャガー・ルクルト独自の検査規格「1000時間コントロール」を、1992年に最初に実施したモデルであるマスターコントロール。ケースとダイヤル見事がバランス感覚で作られており、単なる3針ウォッチの枠に収まりきらない高貴さを放つ。

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販売価格1000万円を軽く越えるマスター・グランド・トラディションのシリーズは、パーペチュアルカレンダーやトゥールビヨンのような複雑機構を当然のように備えながら、ダイヤモンドなどの貴石で文字盤を精緻にデザイン。王侯貴族やエグゼクティブだけが所有することを許される腕時計である。

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幻の時計を現代に蘇らせた「ジャガー・ルクルト ジオフィジック」

1958年、国際地球観測年に携わる科学者たちのためにごく少量のみ制作された幻の時計「ジオフィジック・クロノグラフ」。時計コレクターが血眼になって追い求めたジャガー・ルクルト伝説のモデルが、2014年に復刻。2015年にはレギュラーモデルとして展開されることとなった。
復刻モデルの「ジオフィジック 1958」は、中央の十文字や4つのアラビア数字インデックス、スーパールミノバが施された剣型針でオリジナルモデルに酷似したデザイン。1950年代を彷彿とさせる、冒険心くすぐる一本だ。

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レギュラーモデルの「ジオフィジック トゥルーセコンド」と「ジオフィジック ユニバーサルタイム」ではそれぞれデザインを一新。トゥルーセコンドはダイヤルの十文字を取り払い、シンプルな3針+日付表示でドレスウォッチのような佇まい。しかし内部には「ジャイロラボ」と呼ばれる特殊な形状のテンプを備えており、空気抵抗を軽減した高精度を誇る。

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ユニバーサルタイムは、何と言ってもその文字盤デザインが最大の特徴。北極点を上空から見下ろすかのように北半球が描かれており、地球観測の歴史を表現したかのようなダイヤルデザインとなっている。この大陸モチーフは1枚1枚手彫りでエングレービングされており、ジャガー・ルクルト初のワールドタイマーモデルでありながら職人による伝統の技術力が結集されている。

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もはや常識外れ!ジャガー・ルクルトの品質テスト「1000時間コントロール」

ジャガー・ルクルトが設ける独自の品質テスト「1000時間コントロール」。製造した全ての腕時計に対し、「精度」、「気温変化への耐性」、「気圧変化への耐性」、「耐衝撃性」、「耐磁性」、「防水性」の6つの項目において、名目どおり1000時間に渡り検査を課すのだ。
ロレックスやオメガのような一流メーカーの品質を保証する検定と言えば、スイス公式クロノメーター検定協会(COSC)による「スイスクロノメーター検定」が有名だが、それですら費やされる時間はおおよそ360時間。日本のグランドセイコーがスイスクロノメーター規格に対抗すべく制定した独自の「新GS規格」が408時間。トップブランドのパテック・フィリップが認定される「ジュネーブシール」が約600時間と言われていることからも、ジャガー・ルクルトの1000時間が並外れた数字であるかがおわかりになるだろう。さらに、「ムーブメントのみ」を対象とするスイスクロノメーター検定と違い、1000時間コントロールは「完成した腕時計」を対象としている点も驚きだ。
かつては合格率わずか5%とも言われていた極めて厳格なスイスクロノメーター検定。その3倍近い時間をかけたテストをクリアしたものだけが、ジャガー・ルクルトの腕時計として市場に出回るのだ。

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ジャガー・ルクルトの定番モデルを紹介

ジャガー・ルクルト「レベルソ・クラシック(Reverso Classique)」

ジャガー・ルクルトを象徴する半回転式腕時計「レベルソ」。クラシックモデルはやや小ぶりで、誕生当時のオリジナルデザインを再現。アンティークな外観を好む人にはたまらない外観となっている。フォーマルシーンなどで使用したい逸品。

 

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ジャガー・ルクルト「マスターコントロール(Master Control)」

代名詞である独自の検査基準「1000時間コントロール」を始めて取り入れたモデル。クラシカルな正統派ドレスウォッチとしてあらゆるシーンで腕を飾る。王道のラウンドケースとダイヤル、シルバーの針が絶妙のバランス。信頼性の高いムーブメントに50m防水という、性能面でも魅力的なモデル。

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ジャガー・ルクルト「ジオフィジック トゥルーセコンド(Geophysic True Second)」

2015年にレギュラーラインへと追加された「ジオフィジック」コレクション。シンプルなデザインながら、特殊形状テンプ「ジャイロラボ」や新開発の22金製自動巻きムーブメント「Cal.220」を備える高機能モデル。センターセコンドモデルながら、クロノグラフモデルと同様の275にも及ぶパーツ数で構成。一般的なスポーツウォッチを遥かに凌ぐ性能と美しさを兼ね備える。

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