
デニムの既成概念を覆し続け、業界の革命家的ブランドとして知られる「G-STAR(ジースター)」。今回は、他のデニムブランドとは明らかに違うG-STARの魅力を解剖していく。
デニムの革命家的ブランドG-STARとは?
オランダ・アムステルダムで1989年に誕生したG-STARは、ヨーロピアンデニムブランドの雄として日本でも人気を集める存在。ファッション業界で初めて未加工のデニム(生デニム)を使用したジーンズを発売し、デニムの可能性を拡げたことで知られており、同じく業界初の立体裁断を取り入れた3Dデニムを開発したことも有名。ワークウェアであったジーンズに幾度となく革命を起こし、常に新しいものを追求し続けている、まさに革命家的ブランドだ。
ここからは、G-STARが持つ4つの魅力を解剖していく。
G-STARの魅力1生デニムを立体裁断するという革命。G-STARが創ったデニム新時代
G-STARが創業して間もない1990年代は、デニムの在り方が現在とはまったく異なるものであった。重厚で硬く、身体に馴染むまで時間がかかる生のインディゴデニムは敬遠され、初めから着古されたような表情で柔らかく身体に馴染む、ウォッシュ加工が施されたデニムにトレンドが傾いていた。当時のG-STARのヘッドデザイナーであったピエール・モリセット氏は、その敬遠されていた生デニムに目をつけ、革新的なアイデアを発案。風雨にさらされてエイジングされ、何度も着用されたことで人体の形状に馴染んだ武骨なモーターサイクルパンツをインスピレーション源に、生のインディゴデニムを用いて同じ形で再構築したのである。これを実現するために採用されたのが立体裁断だ。ひと繋がりの生地では到底再現できない複雑なパターンとパネル構造を取り入れ、生デニムを細かいパーツに分けて裁断することで、立体的な人間の身体に初めから馴染む唯一無二のアナトミック・シルエットのジーンズを創り上げた。
G-STARの魅力2世界のトップアーティストやハイブランドをも魅了するG-STARのアイコン「Elwood」の存在
上で触れた、生デニムを細かく立体裁断して再構築されたジーンズが、G-STARのマスターピースである「Elwood(エルウッド)」だ。バイカーパンツから着想を得た「バイカージーンズ」は、人間工学に基づいたダブルニーの仕様や大腿部に斜めに走るステッチ、耐久性を向上させるヒールガード、体型を美しく見せながら大胆な印象を与えるサドルパッチなど、ならではのディテールを忠実に再現。G-STARのクラフツマンシップによってその複数のパーツを緻密に縫製して作り上げている。ちなみに、なんと通常のジーンズの1.5倍以上のデニム生地が必要なのだそう。
そんなジーンズ界のマスターピースとも言えるエルウッドは、他ブランドにも多大な影響を与えている。2025年2月にパリで発表されたBALENCIAGAの25春夏コレクションでは、エルウッドをそっくり模したジーンズが登場。G-STARはそれにアンサーを返すように、BALENCIAGAのランウェイルックをそのままトレースしたようなクリエイティブを制作し、ブランドプロモーションとして全世界に展開したことで大きな話題を呼んだ。各方面からこの2ブランドの動向に注目が集まっており、今一番アツいジーンズと言っても過言ではない。また、ファレル・ウィリアムスやジャスティン・ビーバー、ジェイデン・スミスといった世界のファッションアイコンが着用したことでも知られており、ジーンズの歴史に名を刻んでいる一本だ。
G-STARの魅力3ファッションの枠にとらわれない多彩なコラボレーション
G-STARはファッションブランド同士のコラボだけでなく、多様な業界のクリエイターや企業とのコラボを積極的に行っていることでも有名。例えば、過去には歌手のファレル・ウィリアムスやバーナ・ボーイ、ラッパーのスヌープ・ドッグやジェイデン・スミスの他、マーク・ニューソンやウォルター・ヴァン・ベイレンドンクなどのアヴァンギャルドなデザイナー、さらにはチェスプレイヤーのマグヌス・カールセンやあん馬世界王者のリース・マクレナハンなど、実に多彩な面々とのコラボを実現している。また、G-STARのインスピレーションのひとつとなっているデザインやアートの分野では、ジャン・プルーヴェのデザインを復刻させたヴィトラの家具や、マーティン・バースによる廃棄デニムを使ったプライベートジェットの実寸模型制作など、一般的なアパレルのコラボ企画では見られないユニークなプロジェクトも実施してきた。こういった枠に囚われない柔軟な発想もG-STARらしい魅力だ。
G-STARの魅力4G-STARが目指す、環境保護と革新的デザインを融合させた新しいデニムの形
G-STARは、その時の新しいものを作り出すだけでなく、未来にも通用する製品を生み出せるブランドを目指しながら、イノベーションと環境負荷の削減にも注力している。例えば、2018年にはサステナブルなプロジェクトの一環で、世界初となるCradle to Cradle Certified®(クレードル・トゥ・クレードル)※のゴールド認証を取得したデニム生地をリリース。その他にも、同じく業界初の試みとなる綿花の温室栽培プロジェクトを現在進行中だ。環境への配慮を第一に考えながらも、新たなプロジェクトに挑戦し続ける姿勢は、革命を起こし続けてきたG-STARならではと言えるだろう。
※ ドイツで設立されたEPEA(環境保護促進機関)が行っているグローバル環境認証のこと。
アイコンモデルから新作までG-STARで押さえておくべき5本のジーンズ
続いては、G-STARで今押さえておくべき5本のモデルをピックアップして紹介!
G-STARで押さえておくべきジーンズ1「Elwood(5620) Low Loose」
まず紹介するこちらの「Elwood Low Loose」は、G-STARのアイコンジーンズに現代のストリートの視点を取り入れてアップデートされた最新版のもの。限定エディションとしてイタリア製・日本製のプレミアムデニムを用い、新たにローライズ、エクストラルーズフィットのデザインを採用している。身体にフィットする立体的な3D構造、ニーパッド、ヒールガード、サドルパッチなどのディテールはもちろん踏襲。「5620」はエルウッドが最初に商品化された際に設定されたアイテムコードで、以降もこのモデルの愛称として使用されている。迷ったらまずはこのモデルに脚を通してみるのがおすすめだ。
G-STARで押さえておくべきジーンズ2「Bend 3D Loose Jeans」
「Bend 3D Loose Jeans」は、武骨なムードたっぷりのワイドレッグジーンズ。こちらは、膝回りのダーツやシームによる立体裁断とはまた違った3Dデザインが採用されており、レッグの内部に革新的なパネル構造を取り入れ、腰回りに深いダーツを入れることで、特徴的なアーチ状の3Dシルエットに仕立てている。この立体構造によって、重厚な素材使いに反する快適な着用感を実現。エレガントなドレープ感も同時に生み出している。また、左右対称に設けられたボタン付きコインポケットなど、既成概念に囚われないG-STARらしいデザインもこのジーンズの魅力だ。
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G-STARで押さえておくべきジーンズ3「D-Staq 3D Slim Zip Jeans」
G-STARのスリムジーンズ「D-Staq」に、ジップポケットをプラスしてアレンジした「D-Staq 3D Slim Zip Jeans」。伝統的な5ポケットジーンズに、サイドポケットやバックのウェルトポケットなどのクラシックなチノパンのディテールを融合させたハイブリッドなデザインが特徴だ。また、ゆとりのある腰回りから膝下にかけて強くテーパードするソリッドな立体裁断シルエットや、通常よりも下げて配置したバックポケットなどによって、ブランドの哲学である“反逆性”を感じさせるルックスに。こちらのAntic Faded Kyaniteカラーは、日本の落ち着いた奥行きある空気感や繊細で豊かな感性を表現したJapan Exclusiveモデルだ。
「D-Staq 3D Slim Zip Jeans」の詳細をチェックする
G-STARで押さえておくべきジーンズ4「Diver 3D Slim Jeans」
2025年春夏シーズンから新たに加わった新作の「Diver 3D Slim Jeans」。こちらも立体裁断ジーンズカテゴリのモデルで、膝回りのダーツとプリーツが3D効果を生み出している。そして、このモデルのもうひとつの特徴がユニークなポケットディテール。スナップボタンを外すことで口が大きく開き、形状が大胆に変化するフロントポケットや、その上には隠しボタン仕様のウェルトポケットが付いている。エッジが効いたジーンズをお探しの方はこんなモデルを検討してみては?
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G-STARで押さえておくべきジーンズ5「Motac DDC Slim Trainer Jeans」
最後に紹介する「Motac DDC Slim Trainer Jeans」は、ミリタリーやワーク、モーターサイクルなどを主なインスピレーション源とするG-STARの中では珍しい、スポーティーなデザインが特徴のジーンズ。ゴムウエストや存在感バツグンのドローコードの他、バックレッグの下部にリブパネルが組み込まれており、ジーンズとスウェットパンツの合いの子のようなモデルだ。デニム生地自体も高いキックバック性があるスーパーストレッチ仕様で、膝回りのシームと相まってストレスを感じさせない極上の穿き心地を実現している。3つ目に紹介した「D-Staq 3D Slim Zip Jeans」と同様、こちらのカラーはJapan Exclusiveモデルだ。
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お問い合わせ先:03-6890-5620 (ジースター インターナショナル)
G-STAR公式サイト