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鎧の面影を宿した「ケーブルニット」で冬コーデを制す!

鎧の面影を宿した「ケーブルニット」で冬コーデを制す!

ケーブルニットの編み柄には、それぞれ名前がある。ロープ、畑、蜂の巣。身近な風景を映した柄には、さまざまな意味が語り継がれてきた。しかし、その立体的な形には装飾だけでは語れない理由もある。本稿では、編み柄にまつわる物語と、編み方がもたらす機能をたどりつつ、独自の視点からデザインされた注目のケーブルニットの魅力を紹介していく。

ケーブルニットとは?ロープ、畑、蜂の巣。編み柄に込められた意味と、その背景にある機能美

ケーブルニットを語るうえで外せないのが、アイルランド西岸のアラン諸島で発展したフィッシャーマンセーター。縄をより合わせたようなケーブルは漁師のロープを表し、海での安全と豊漁を願う柄とされてきた。菱形が連なるダイヤは石垣に囲まれた島の畑を表し、実りの象徴に。六角形が並ぶハニカムは蜂の巣に見立てられ、勤勉さとその報いを意味すると語られる。どれも島の暮らしの風景を映し出す柄だ。

とはいえ、こうした意味の多くは後世に広まった解釈であり、古くから島に伝わっていたとは限らない。一方で、ケーブル編みには見た目だけではない実用的な利点がある。編み目を交差させることで生まれる厚みと立体感は、空気を抱え込む層をつくり、保温性にもつながる。あの独特の凹凸には、防寒着としてのニットが培ってきた機能美も宿っている。

衣服の機能と装飾性が結び付く例は、日本にもある。青森県津軽地方の「こぎん刺し」は、麻の布に糸を刺し重ねることで、保温と補強を担ってきた。その模様には「モドコ」と呼ばれる基礎単位があり、猫の足、花こ、べこ刺しなど約40種類が伝わる。素材も技法も異なるが、暮らしに根差した手仕事から生まれた模様に、身近な風景の名前が与えられてきた点はアランと通じる。さらに、どちらも複数の柄を組み合わせることで、一枚の表情をつくり上げる。どの柄をどこに置くか。その選択には、作り手の感性や美意識が表れるとも捉えられる。

選ぶなら柄に思いを込めた1着を!日本の感性を編み込んだモダンケーブルニット「CROWN」

こうした柄の文化を日本ならではの視点で捉え直し、デザインに落とし込んだのがGENTLEMAN PROJECTS(ジェントルマンプロジェクト)のモダンケーブルニット「CROWN(クラウン)」だ。まず目を惹くのは、フロントの中央に大胆に配置された極太のケーブル編み。従来のケーブル柄とは異なる独自の表情を持ち、その周囲にも大小さまざまな柄が組み合わされている。そこには、日本の伝統的な意匠から着想を得た独自のこだわりが込められている。

GENTLEMAN PROJECTS ディレクター
縄文、しめ縄、横綱など。日本は昔からケーブルと馴染みのある国だと感じていたので、そのフィルターを通して新しいケーブルニットを作れたら面白いんじゃないかと思い、「CROWN」を作りました。フロントの大きなケーブル模様は、従来のケーブル編みとは一味違うアプローチで、山形のニット専業工場と新たに生み出したもの。これを軸に、日本の伝統的な模様や装飾からインスピレーションを得て、さまざまな柄を配置しています。

GARNI(ガルニ)のネックレス 3万9,600円(GARNI tokyo 03-3770-4554)

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太縄に鎧。日本の力強さを連想させる編み柄

GENTLEMAN PROJECTS ディレクター
ケーブルの次に注目したのは、兜や甲冑。祖父の家には五月人形の鎧飾りがあり、遊びに行くたびに眺めていたので、幼い頃から馴染みがありました。小札を糸や革紐でつなぐ縅(おどし)の構造や細やかな柄は、今でも見ているだけでワクワクします。そんな感性をメインとなるケーブル編みの周囲に取り入れています。

よく見ると、極太ケーブルの両サイドは鹿の子編みや大小のケーブルが組み合わされ、立体感のある編み地が広がる。甲冑に置き換えるなら、細かな粒が並ぶ鹿の子編みは、鎧を構成する小さな板「小札(こざね)」、その間を走る三つ編み状のケーブルは、小札板の両端を通す「耳糸(みみいと)」を思わせる。脇にはハニカムともケーブルとも見える不規則なウェーブ柄。縅糸(おどしいと)を隙間なく並べて小札板をつなぐ「毛引縅(けびきおどし)」のように、糸の流れが波打ちながら身頃を包み込む。

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実戦的な防具である兜も、戦国時代末期には意匠を競う「変わり兜」が現れ、江戸時代には装飾性がいっそう重視されるようになった。一方、アランセーターも編み手たちの創意工夫によって多彩な柄の組み合わせが生まれ、独自の装飾文化を育んできた。そんな両者の歴史に敬意を払いながら、ケーブルの編み地を再構成したのが「CROWN」だ。いかにも和風とわかる意匠を前面に押し出さず、あくまでも洋服としてのデザインに、日本の感性を溶け込ませたバランスに注目したい。

山形の老舗ニットファクトリーで生産複雑な編み柄を形にする、確かな職人技

複雑に組み合わされた編み柄を形にしたのは、山形の老舗ニットファクトリー。立体的なローゲージ編みを得意とし、ニット専業として約70年の歴史を持つ。ニットの仕上がりを大きく左右するのが、編み立ての設計だ。糸の太さや形状、編んだあとの伸縮性によって、適切な編み方は異なる。なかでも大小の柄が入り組むデザインでは、編み地の厚みや伸縮のバランスを見極める技術が欠かせない。そうした緻密な設計と編み立てを実現できる職人の技術が、クラウンの複雑な表情を支えている。

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GENTLEMAN PROJECTS ディレクター
従来とは違うアプローチで考えた極太のケーブルを軸に、大小の柄を一から組み合わせています。どう編めば狙いどおりの表情になるか、職人さんと相談しながら設計を詰めていきました。これだけ入り組んだ編み地を形にできたのは、こちらの要望を汲み取り、立体的かつ均一に仕上げてくれる技術があったからこそ。

クラシックな趣と天然素材ならではの機能性柔らかな質感を生むフレンチメリノウール100%

編み地を構成する糸には、フレンチメリノウールを100%使用。メリノウールは、吸放湿性に優れた天然素材として知られる。クラウンでは、柔らかな風合いを持つフレンチメリノウールを採用することで、立体的な編み柄に上品な陰影を与えている。ふっくらとした編み地でありながら、どこかクラシックな趣が漂う質感も魅力。存在感のあるデザインと、日常に取り入れやすい自然な風合いを兼ね備えた1着に仕上がっている。

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懐かしく、新しい伝統的なセーターの構造を踏まえた、現代的なボックスシルエット

伝統的なアランセーターに見られる、ゆとりのある身頃や直線的な構成。そのクラシックな佇まいを踏まえつつ、着丈や身幅のバランスを見直し、現代的なボックスシルエットに仕上げられているのも「CROWN」の特徴だ。着丈はLサイズで66cmと、比較的短めの設定。スラックスに合わせても腰まわりがもたつきにくく、パンツのシルエットをきれいに見せてくれる。

 

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