
白髪改善の研究を進める大正製薬が、ヒト臨床試験で新たな白髪改善効果を確認したことを発表した。渋さ漂うグレイヘアももちろん魅力的だが、自然な黒髪をできるだけ残していきたいと考える男性も多いはず。そんな願望は決して夢物語ではなく、白髪を黒髪に戻せる時代はすぐそこまできているのかもしれない。
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写真で見ても一目瞭然な白髪改善効果が!
以前よりボタンピエキスという成分が白髪を黒髪に戻す可能性と、ブラックリバースペプチド1が白髪を黒髪に戻す作用を増強する可能性を発表していた同社。今回の発表では、ボタンピエキスとブラックリバースペプチド1のシナジー効果により、白髪改善効果が実際に確認できたと報告した。下の画像は実際の臨床試験のビフォー・アフター。白髪が生えていた部分が黒髪へと変化していることがハッキリと見て取れる。
毛穴から出る前の髪の毛はもともと白い!?では黒髪が白髪になる原因とは一体?
同社のリリースによると、なんと毛穴から出る前の髪はもともと全部白いのだそうだ。髪は毛根に存在する毛母細胞が増殖、分化することにより生成される。その毛母細胞には色素がなく、メラニンと呼ばれる色素を生産する細胞のメラノサイトから色素を受け取ることで黒髪を作り出している。そのため、髪はもともと白色なのだという。つまり何らかの原因で毛母細胞が色素を受け取れず、色素を持たないまま生成された髪が白髪となる。この原因については、メラノサイトが存在しない、もしくは存在してもメラニンを作らないなど、さまざまな原因が考えられるそうだ。
ボタンピエキスの作用
ボタンピエキスは「百花の王」と称される美しい花、ボタンの根の皮から抽出される、古くから生薬として使用されてきたエキスだ。同社はボタンピエキスが、ミトコンドリアを活性化する酵素のマイトリガーゼの生産を促す成分であることを発見した。学習院大学の柳茂教授の報告によると、マイトリガーゼが低下すると脱毛や白髪発生につながるとのこと。ボタンピエキスは毛包の幅広い細胞に作用し、マイトリガーゼの低下を抑制してくれる。実際、ボタンピエキスを毛包に作用させると、メラニンを生成する機関であるメラノソームの働きが活性化した。
ブラックリバースペプチド1の作用
同社がボタンピエキスの効果を高める成分として注目したのが、ブラックリバースペプチド1だ。カナダのメーカーLucas Meyer Cosmetics(ルーカス マイヤー コスメティックス)社が開発したペプチドで、別名 Greyverse(グレイバース)と呼ばれている。この成分はメラノサイトに直接働きかけることで、メラノサイトの増殖やメラニンの生産を促す。毛包に作用させると、ボタンピエキスとのシナジー効果により、毛包のメラニン量を上げることを確認した。
今回、新たに確認されたボタンピエキスとブラックリバースペプチド1の組み合わせによる白髪改善効果。いよいよ白髪染めが不要になる時代の到来か?同社は今後も白髪の治る時代を目指し、薄毛や髪質など、頭皮と毛髪に関するトータルケアの研究を進めるとのことだ。