
ミリタリーアウターの大定番であるMA-1。米空軍のフライトジャケットとして誕生し、ファッションアイテムとしての確固たる地位を獲得した経緯は?今回は「MA-1」にフォーカスし、歴史を辿りながらおすすめのブランドを一挙紹介!
CONTENTS
- MA-1はどのようにして生まれた? | フライトジャケットの進化系譜
- MA-1がミリタリーウェアからファッションアイテムへと昇華されるまで1 | 街着として定着した背景には、大定番ブランド「アルファ インダストリーズ」の功績があった!
- MA-1がミリタリーウェアからファッションアイテムへと昇華されるまで2 | 時代を象徴するサブカルチャーの「制服」となることで、ファッション性を少しづつ醸成していく
- MA-1がミリタリーウェアからファッションアイテムへと昇華されるまで3 | モード化と高価格帯の参入でファッションアイテムとして完成形に。有力デザイナーによるゲームチェンジ
- スティーブ・マックイーン、ナタリー・ポートマン... | MA-1を着たファッションアイコンたちがスタイルを確立
- MA-1 おすすめブランド | まずは買って間違いなしの定番メーカーをチェック!
- MA-1 ブランド2 | 大人にぴったりのモデルが揃う都会派ブランドを厳選!
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MA-1はどのようにして生まれた?フライトジャケットの進化系譜
フライトジャケットの第一号として誕生したのはA-1というレザー製のジャケット。そこからA-2、B-3と進化を重ね、第二次世界大戦期に量産性や可動性、耐候性の面で素材が見直されたことで、初の布帛製フライトジャケットとしてコットンを使用したB-10が開発された。その流れを受けて、1950年代に表地のコットンがナイロンに変わり、MA-1が誕生。さらにシアリングの裏地によって確保していた保温性は中綿仕様に取って代わり、ナイロンシェル&中綿という防風・保温を高めた合理的な作りがフライトジャケットの基準となった。その後、襟付きデザインのCWU-36Pが登場するなど、ナイロン製フライトジャケットの系譜は続いていくが、長い歴史の中でも一番の名作として今も広く深く愛されているのは、やはりMA-1だろう。古臭く見えない洗練されたデザインがベースにありながら、軍モノとしての機能美を感じられるディテールが随所に散りばめられているのも魅力だ。
ファッションアイテムとしての地位を獲得したエピソードも興味深いのだが、その前にMA-1の特徴的ディテールを見ていこう。
MA-1がミリタリーウェアからファッションアイテムへと昇華されるまで1街着として定着した背景には、大定番ブランド「アルファ インダストリーズ」の功績があった!
きっかけとしては1950〜1953年の朝鮮戦争が終結した後、官給のMA-1が軍から余剰放出され、欧米のサープラス市場を経由して一般流通に乗ったことが大きい。そして、軍放出品が民間へ流れることで、一般的な服としてのポジションを確立していく中、米軍へフライトジャケットを公式供給していたAlpha Industries(アルファ インダストリーズ)が、1970年に民間向け生産に本格参入したことで、軍需と並走して「市販のMA-1」が継続供給される体制が整った。これによりMA-1というアウターが街着として完全に定着する土壌が整った。
そして、ナイロンシェル&中綿という素材の軽量性、防風・保温のバランス、短丈で動きやすいデザインが街着におけるニーズにうまくマッチ。ミリタリーウェアの中でも、機能がオーバースペックでない“インターミディエイト(中間気候域)”向けという仕様も、タウンユースのニーズにそのままハマり、民間受容を後押しした。この“軽さと適度な暖かさ”が一般層の支持を獲得し、軍服という記号が外れて実用品として広く浸透した。そして、民間に受け入れられていく中で、徐々にファッションアイテムとしての矜持も備わっていくようになる。
MA-1がミリタリーウェアからファッションアイテムへと昇華されるまで2時代を象徴するサブカルチャーの「制服」となることで、ファッション性を少しづつ醸成していく
1960年代〜70年代に入ると、スキンヘッズや後のパンクスなど、都市圏における若者の不良文化の“ユニフォーム”として受け入れられ、サブカルチャー的な性格が強いファッションアイテムへと変貌を遂げる。また、1980年代にはゲイカルチャーへと浸透、その後ヒップホップカルチャーなどにも受け入れられていき、時代を追うごとに様々なサブカルチャー市場へと波及していき、各分野においての定番化を経て、メインカルチャーにのし上がるベースができ、ファッション雑誌や映画などのメディアにおける衣装としての露出も増えていった。
MA-1がミリタリーウェアからファッションアイテムへと昇華されるまで3モード化と高価格帯の参入でファッションアイテムとして完成形に。有力デザイナーによるゲームチェンジ
各サブカルチャーでの定番化を経た1990年代以降、Helmut Lang(ヘルムート ラング)やRaf Simons(ラフ シモンズ)などのファッションブランドが、ミリタリーウェアであったMA-1の構造をモード文脈で再解釈。彼らがゲームチェンジャーとなり、素材の置換やシルエットデザインの再構築、ディテールの取捨選択などによって、空軍の制服→サブカルチャーの制服という流れから“都市の制服”へと昇華させた。アルファ インダストリーズやアヴィレックスなどのクラシックな(MA-1における)ブランドだけでなく、デザイナーズブランドやラグジュアリーブランドが高価格帯の完全なるファッションアイテムであるMA-1を社会に根付かせていった。
(画像はラフ シモンズの2003〜2004年秋冬コレクション)
スティーブ・マックイーン、ナタリー・ポートマン...MA-1を着たファッションアイコンたちがスタイルを確立
ミリタリーウェアからファッションアイテムとして成長をしてきたMA-1は、映画の衣装としてもたびたび使われている。有名なのは映画『The Hunter (1980)』のスティーブ・マックイーン。武骨な男の代名詞的存在である彼がバウンティハンターのラルフ・ソーソンを演じ、MA-1を着用したことで、男らしいアウターとしてのイメージがより強固なものとなった。
また、この手の話題でよく挙がるのが、映画『トップガン (1986)』のトム・クルーズが着ていたフライトジャケット。アヴィレックスがトップガンモデルと称したMA-1を発売しているからか、トム・クルーズ演じるマーヴェリックが着ていたのはMA-1だと認識されていることが多いが、実際に着用していたのはレザーのG-1ジャケットと、襟付きのCWU-36P。MA-1は劇中には登場していないのだ。トップガンモデルのG-1ジャケットも映画ファンの間で人気を集めたアイテムだが、劇中には登場しないMA-1もついでに流行ってしまったのだ。
また、映画『LEON』でマチルダ役を務めた幼き頃のナタリーポートマンもMA-1を着用して銀幕に登場したアイコンの一人。衣装として使われていたのは、ロスコ製のMA-1だとされている。
MA-1 おすすめブランドまずは買って間違いなしの定番メーカーをチェック!
MA-1 定番ブランド1ALPHA INDUSTRIES
1954年にアメリカにて設立され、1959年よりミリタリーブランドとしてスタート。今では当たり前となった表地にセージグリーン、裏地にレスキューオレンジという配色は、歴史あるアルファ インダストリーズが確立したデザインだ。昨今では王道のセージグリーン以外にも、ネイビーやブラックなども豊富に展開しており、発色の良さに定評あり。世界で最もMA-1を流通させたブランドという実績からも安心感バツグンだ。
【関連記事】アルファ「MA-1」が不朽の名作として支持され続ける理由とは?3つの特徴と定番モデルを紹介!
MA-1 定番ブランド2AVIREX
1975年にアメリカ空軍のコントラクターとして発足したアヴィレックス。映画『トップガン』にてトム・クルーズが着用していたフライトジャケットの提供元がアヴィレックスだったことでも有名だ。ワッペンで装飾されたトップガンモデルは特に人気銘柄。先述した通り、劇中で実際に着用されていたのはG-1とCWU-36Pで、MA-1はそのワッペンディテールを反映したものになる。
MA-1 定番ブランド3HOUSTON
フライトジャケットが有名な日本ブランドのヒューストン。1972年に創業され、まだミリタリーウェアが浸透していなかった時代に、日本で初めてのオリジナルフライトジャケットを製造したブランドだ。ヒューストンのMA-1は本格仕様をきちんと踏襲したデザインとなっていて、細部に至るまで忠実にディテールを再現しているのが魅力。しかも日本製で作られていて縫製がしっかりとしているのも嬉しいポイントだ。
MA-1 定番ブランド4BUZZ RICKSON'S(バズリクソンズ)
バズリクソンズは、老舗衣料メーカーの東洋エンタープライズ社が1993年に立ち上げたブランド。クラシックなミリタリーウェアを忠実に再現することを得意としており、リアルヴィンテージと見紛うほどのハイレベルな作りが特徴的だ。U.S. AIR FORCEのロゴが入ったデザインは本物志向の男の心をくすぐるはず。
MA-1 ブランド2大人にぴったりのモデルが揃う都会派ブランドを厳選!
MA-1 おすすめブランド1TATRAS
都会のライフスタイルにマッチする洗練されたアウターを幅広く展開しているタトラス。ダウンジャケットが有名かつ人気だが、その中には大人にピッタリのMA-1デザインのモデルも揃っている。また、ダウンや中綿なしの春秋に最適なライトMA-1も展開されているため、意外と選択肢が豊富なブランドだ。
MA-1 おすすめブランド2Stone Island (ストーンアイランド )
MA-1といえばナイロン生地が定番だが、その強い光沢感は一歩間違えればギラついて見えることも。そこで大人のメンズに提案したいのがストーンアイランドのMA-1。同じナイロンでも、ストーンアイランドらしいドライでマットな質感のものを採用しており、タフな佇まいが大人らしい雰囲気を醸成する。シグネチャーであるロゴパッチを左腕にあしらい、さらにポケットデザインにもこだわっていて、オリーブながら唯一無二さを感じる仕上がりだ。
MA-1 おすすめブランド3JW ANDERSON
現在ディオールのクリエイティブディレクターを務めるジョナサン・アンダーソンによるブランド、JW アンダーソン。MA-1自体の展開が多いわけではないが、ジョナサンらしい個性が光るアイテムが毎シーズン発売されている。





































