
頑丈な作りや機能性重視のデザインが、厳しい自然環境に対応する実用性を象徴し、武骨で男らしい印象を与えるトレッキングブーツやハイキングブーツなどのマウンテンブーツ。1970年代からは、ファッションとして着用するアウトドアアイテムでも代表格となっている。今回はそんな「マウンテンブーツ」にフォーカスし、イマ風な着こなしとアイテムをピックアップ!
スポンサーリンク
おさえておきたい基礎知識そもそも登山(マウンテニアリング)、トレッキング、ハイキングって何が違うの?
「登山」「トレッキング」「ハイキング」という言葉はよく耳にするが、その違いについてまずはおさらいしておきたい。結論から言えば、それぞれの目的や難易度に違いがある。登山(マウンテニアリング)は山頂を目指す本格的なアクティビティで、技術や装備が必須。トレッキングは長距離を歩き、自然や景色を楽しむもので、山頂にこだわらず数日間にわたることも多い。ハイキングはもっと気軽で、整備された道を短時間で楽しむレクリエーションとして認知されている。
では、シューズにおける違いは?
マウンテンブーツ、トレッキングブーツ、ハイキングブーツは一見似ているが、用途に応じた明確な違いが存在する。マウンテンブーツは、厳しい高山や雪山に対応するために頑丈に作られており、アイゼンを装着する前提の硬いソールや防水・保温機能が特徴だ。また、安定した歩行を実現するためにハイカットデザインが採用されている。一方、トレッキングブーツは、長距離を快適に歩けるように設計されており、足をしっかりサポートするための長めのカットを採用するものが多いが、ソールは比較的柔軟性が高いものが多い。ハイキングブーツはさらに軽量で、短時間の散策や軽登山に最適な仕上がり。柔軟性や通気性に優れ、ローカットやメッシュ素材が使われることが一般的であり、ソールもスニーカーに近いシューズデザインが多く展開されている。
用途の違いを把握したうえで選びたいタウンユースにも使えるマウンテンブーツとは?
これまで「マウンテニアリング」「トレッキング」「ハイキング」それぞれの違いを挙げてきたが、その上で気になるのが、世の洒落者がタウンユース用にどのシューズを履いているのかという点。昨今では「トレッキング」〜「ハイキング」のカテゴリーに属するシューズ類を「マウンテンブーツ」と称してファッションユース用に展開しているブランドが増えており、そのカテゴリーに属するシューズが人気を博している。
例えば、レザーやスエード素材をアッパーに用いたキレイ目なスタイルにフィットするマウンテンブーツ。ゴープコアやビジネスコア、ドレストといった最近流行しているファッションスタイルとの親和性が高く、ローファーを合わせる感覚で足元にコーディネートしている洒落者が増加中だ。
このMIXスタイルのルーツを調べると、1970年代後半に発刊された「メンズクラブ」の雑誌「ヘビアイ党宣言」に辿り着く。ここでは過酷な労働や厳しい自然環境に耐えられる実用性を持つ「ヘビーデューティ」という概念と、アメリカントラッドスタイルの一種である「アイビー」を融合させたスタイルが提案されていた。例えば、キレイめなテーラードジャケットの上にアウトドアのダウンジャケットなど。そんな異テイストのアイテムをあえて混ぜて着るスタイルが定番化していった背景から、マウンテンブーツのタウンユースが徐々に浸透していったと考えられる。
【関連記事】