パーカーの象徴「デュオフォールド」の誕生
航空機にインスパイアされたパーカーのアイコン「デュオフォールド」が誕生したのは1921年のこと。狂騒の20年代を背景に生まれたこの名品は、色鮮やかなオレンジ色のカラーと25年保証により、「ビッグレッド」という別名で親しまれる。1928年には新たに強化プラスチック素材で製造され、美しさに加えて耐久性も向上。飛行機の上からグランドキャニオンの谷底へ投げ落として耐久性を証明するという斬新な広告手法によって、デュオフォールドは瞬く間にその名が世界に知れ渡ることとなった。
パーカーは数々の名作万年筆とボールペンを開発し、高級筆記具業界を牽引
1933年には、当時の一般的なペンの2倍以上のインク容量を保持し、インク残量を目で確認することができる「バキューマティック」を開発。このモデルは、パーカーの有名なアイコンである「矢羽クリップ」が初採用された1本だった。創業51年を記念して開発に着手した「パーカー51」は「宇宙から来たペン」と称され、「アカデミー・アワード・フォー・ベスト・デザイン」 を受賞。第二次世界大戦の終結時、ドイツの降伏文書の調印にドワイト・D・アイゼンハワー元帥が「パーカー51」を使用したことからも、20世紀を代表するペンの1つと言える。そして1954年には、パーカー初のボールペン「ジョッター」の生産が開始。ジョッターは発売初年度で350万本の売上を記録し、現在でもその人気は衰えることを知らない。
その後も、1970年には全体がチタニウムでできていることから、「スペースペン」として知られるようになる「T-1」を発売。1987年にはロナルド・レーガン米大統領とミハイル・ゴルバチョフソ連書記長が、中距離核戦力全廃条約への調印の際にスターリングシルバーを使った「パーカー75」を使用した。1993年には、そのパーカー75のシズレパターンを継承した初代ソネットが登場。2009年には大胆さと洗練さを兼ね備えたモダンなデザインの「パーカー・プリミエ」が登場し、デュオフォールドやジョッターとともにパーカーのコレクションとして愛用されている。
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