ソックス合わせで秋も活躍するビルケンシュトックの「チューリッヒ」。その魅力とは？

ビルケンシュトックの特徴的なフットベッドができるまで

1896年よりコンラート・ビルケンシュトック氏が経営を率いたことから、フットベット生産に力を入れ続けていたビルケンシュトック。中年女性向けのコンフォートシューズをメインにしていたが、1945年に終戦を迎えた第二次世界大戦以降、帰還兵士の間でビルケンシュトックが作る柔軟性のあるフットベットで作られたサンダルが、今で言う「リカバリーシューズ」として、傷痍軍人を中心に人気を呼んだ。その出来事をきっかけに、1963年からフットベッドにより注力した機能性の高い靴の開発を進めた。

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当時のフットベットというと、硬い革製か木製、一部に金属を使用したような硬い材質で作られたフットベットを採用した革靴が主流だった中で、独自にコルクとラバーをミックスした新しい素材のフットベッドを開発。ビルケンシュトック内の従来品に比べても、より厚みを持たせ、柔軟で、当時の人間工学に基づいた足形に合う凹凸を設計した。これは靴文化の長い欧米諸国の中でも革命的な発明に。ビルケンシュトックが開発したフットベットを採用したワンストラップサンダルの「マドリッド」は、医療用サンダルとして発表されることとなり、今までに存在しなかった「コンフォートシューズ」の基礎を確立した。マドリッドは、同型のものが現行品として現在も変わらず販売がされている。

ビルケンシュトック「マドリッド」

その後は医療用という枠組みだけではなく、足を癒すような履き心地をより特化させたスポーツサンダルを発表したことをきっかけに、ドイツの体操選手を中心としたアスリートからも絶大な支持を獲得。ビルケンシュトックは、コンフォートシューズブランドとして、世界中に知られるものとなった。